https://youtu.be/3O5zNfaC7kI
ところで今年も12月の公演が迫って来ました。まだ脚本が出て来ない…11月の終わり頃には稽古ですから…
「天保六歌撰」。笹野さんが河内山、僕が金子市之丞、直次郎が丹羽さん、丑松が林啓二さん。原作では、六歌撰なので、そこに森田屋清蔵と直次郎のなじみの遊女・三千歳が入ると6人で「六歌撰」。でも今回は河内山、金子、直次郎、丑松の四人をクローズアップしてやってみようと…そこに初老の中野碩翁を里見さんにやっていただいて…中野碩翁は金子たちを見て俺が悪さをしていた若い頃みたいでオモシロイ…ということで、彼らを見てるという… ~そうなると、やはり映画「大江戸評判記・美男の顔役」が下敷きかも…なんて私は勝手に想像してます(笑)~
これが最後っていう大立ち回りが出てきます。ラストはハッピーエンドじゃなく壮絶に斬り死する…でも決して暗い話じゃないです。まあ頑張ってみましょう!
来年の新歌舞伎座も、もう決まってますが、まだ話しません(笑)
「君といつまでも」の「幸せだなぁ…」のセリフ部分は、昼はちょっとおふざけ、夜は、ムーディーでした。また、夜は、「黄昏のビギン」の歌詩の「♪はじめてのキス」にこだわった舟木さん、後ろのバンドメンバーに「はじめてのキス」はいつだった?と質問して回りました。三宅裕司さんとの楽屋話での「はじめてのキス」爆笑エピソードもご披露。でも、ご自分のことは、言わないのがズルいですね(笑)
さて、ここは夜。わりと浅い夜、晩御飯の前か後くらい
《夜》
見上げてごらん夜の星を
月がとっても青いから
星は何でも知っている
「星は何でも知っている」では、ラストに口だけパクパクしてお茶目ぶり炸裂の舟木さん。
熱唱の舟木さん、手をパタパタして顔を扇ぎながら、暑いな!…
今回、「小さな時計(とき)のながれ」というテーマでこうやって言葉を拾って歌ってみると、来年は「めぐる季節」というのでふれコンでもやってみようかなと思ってますが…
来年は「日本の名曲たち」をちょっと休んでオール持ち歌でやってみようかと…さて、深夜です。
《深夜》 ~スタンディング~
れ・く・い・え・夢 作詩・作曲:上田成幸
(1982年「WHITE」収録)
嘘も真実(ほんと)も 見えないまま
若さに酔いつぶれ
うつら・うつらと揺れて ゆりかご
――帰らぬむかし
流れてひとつ はしゃいでひとつ
なくしたものと 手にしたものと
つなぎ合わせてみる
淋しさついでの夜明け
最終便にこぼれた乗客(きゃく)へ
とどくのは……寒さ
長いトンネル 超えてはよせる
いたみを押し戻し
馬鹿につらいと うらみごとなど
―― うしろへ投げる
あいつもひとり 俺もひとり
うまれて生きて それが結果(こたえ)か
誰もがそれなりに
力つき傷を抱いて
涙にまけて ひっそりたたむ
”夢”という翼
はるかに昨日 まさぐる明日
ほろにがい……煙草
(こちらが2010年ライブVer.)
めずらしく アイツめが
自分でタバコなんぞを 買いに出た
ドアを出て 10分も経ってから
置き去りの小銭入れに 気がついた
バカ野郎 夜中の2時に
小銭もなしで タバコが買えるか
あの野郎 出て行ったな
別れたな もどらないな……
くやしいけど 泣かないもん
酒でも飲んで 忘れるもん
あの野郎 手ぶらで出たっけ
ここよりいい部屋 見つけやがったな
バカ野郎 このあたしより
いい女なんて いるもんか
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
くやしいもん 手酌だもん
ヒマになっちゃったもん 飲むしかないもん
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
探すなんて 似合わないもん
酔いつぶれちまえ 寝ちまえ
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS(くやしいもん)
WHISKY-NIGHT(手酌だもん)
WHISKY-CRY(泣かないもん)
WHISKY-LONELY(忘れるもん) WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
………………
カーテンコールで再び舟木さん登場。
今回の曲のラインナップは、多分、舟木さんファンの大多数の方のお好みに添ったものだったと思います。そして、私としては、何よりラスト・ナンバーの「WHISKY-LONELY」が、始まった時は、ヤッターぁッ!でした。もう、ホントに鳥肌もの…。実は、もう、この曲は、ナマのステージでは聴けないんじゃないかな…と思ってました。最後の部分の、客席との手拍子の掛け合いをCD(2012年発売「WHITEスペシャルセレクション」~2010年ライブver.」で聴いて、どうしてもライブで聴きたいと思っていた曲でしたが、アップテンポだし、手拍子とは言え、舟木さんの動きがかなりハードになる曲だと想像してましたので…。そして、実際にライブで聴かせていただくと想像通り、とってもハード!でも、でも、なのに、なのに、舟木さんのパワフルなこと。最初は、舟木さんがタイヘンだろうからと、思わず手拍子を打つ速さをゆっくりしたりしてた私でしたが…(笑)いらぬ、心配、余計なお世話…でした(笑)大感激の嬉しく思いがけない初めての「WHISKY-LONELY」ライブ体験でした。シ・ア・ワ・セ
以下は、以前に「WHISKY-LONELY」について記した日記です。一部抜粋して再録します。
「今の舟木さんのナマの歌唱で聴けるなら、どんな曲でもかまわないほど何を唄われても大満足なのですが、あえて欲張って云えば「WHISKY-LONELY」を、ぜひ聴いてみたいと思っています。」
下記に、舟木さんが、コンサートで、この曲についてお話しなさっている記事を併せてご紹介します。
日本の名歌手シリーズ 舟木一夫 風まかせ(1999年10月発刊・東京新聞出版局)より
~5daysコンサート in 京都南座(1999年7月)のトークの模様
ピンク文字が舟木さんのトーク~
「次にお聞かせするのは、多分、これはコンサートでしか入り込めないだろうというタイプの曲。中身や時間的な問題も含めていろいろあるんですが「WHISKY LONELY 」という、僕自身が「WHITE」というアルバムの中で書いたもので、だいたい10分くらいかかる作品です。お聴きいただければわかると思いますが、コンサートだからこそ入り込める作品ではないかと思います。」
彼がそう紹介した作品は、アコースティック・ギターの優しい音色、語りや眼差しが滲む歌詞、素直なメ ロディーが心に染みてくるナンバーだ。そして、その柔らかな旋律は、やがてサウンドとともに壮大な膨らみを帯び、さらにスケールアップ。クライマックスはリズム・アップした軽快なタッチのリフレイン・ソングへと変わる。そこには、流行歌という世界とは別の、等身大の彼が描く舟木流ダンディズム、ウィスキーのように甘くほろ苦い、独自の世界観が広がっている。シンガーソングライターとしての彼の懐の深さをうかがい知ることのできる作品のひとつだ。
「今の曲を聞いてずい分長いな……なんてお思いになったでしょう。同じフレーズばっかり(笑)この曲は、10分で終わろうと思えば終われて、30分やろうと思えばできる歌なんです。これは、リフレイン・ソングというやつで、有名なのはクリスマス・ソングの「聖者の行進」があります。また、僕が中学校一年生ぐらいの時にラジオで聴いて、カルチャーショック、大ショックを受け、それが僕を軽音楽の道へ足を踏み入れさせるきっかけになったハリー・ベラフォンテという黒人のしゃがれた凄くいい声で歌う人がいまして、彼がカーネギーホールで初めてコンサートをやった時に、ライブを録ったんですね。その洋盤が日本でも発売されたんですが、その頃の洋盤というとても高くて、2400円もした。当時の大学出の初任給が1万円いくかいかないかという時代でしたから、とても買うのは大変で、僕は1ヶ月アルバイトをしてようやくそれを買うことが出来た。そのアルバムはいまだに大切に持っていますが、そのステージのフィナーレで「マチルダ」という曲を、お客さんと延々、15分ぐらいやりとりしていて、それが大変素晴らしかった。そういう意味では、こういったリフレイン・ソングというものをコンサートで時々楽しんでもらうのも、うどんに唐辛子が入ったみたいでいいかな……なんて思っています。」
それにしてもお酒が飲めないという舟木さんが「お酒」を小道具にした作品を何曲も作っていらっしゃるのも興味深く思います。落語でも、「酒飲み」「酔っ払い」を主役にした噺がたくさんありますが、お酒を全く飲めない噺家さんが、実に見事な酔っ払いぶりを見せてくださるのに驚かされますが、それと共通するものがあるのでしょうね。同じように「ラブソング」も、実際には経験していないシチュエーションであっても、イマジネーションの扉を開けて、その世界を鮮烈に描き出す感性を備えた人が優れた表現者となれるのかも知れません。