新歌舞伎座 芸能生活55周年記念 舟木一夫特別公演
千穐楽 スペシャルバージョンコンサート 2017年5月22日
開演前の幕前でのプレゼントタイム
舟木さんのトーク部分はピンク文字
白のシャツに鮮やかなグリーンのパンツ、白のシューズ
トークでは、一部のお芝居についてなど…
千穐楽恒例の遊び心いっぱいのお芝居。想定外の結末で、清水一家の選り抜き十人衆が、舟木さん演じる桶屋の鬼吉含めてことごとく斬られてしまい、黒駒一家の大勝利。エイエイオーと鬨の声を挙げたのは黒駒一家で意気揚々と花道を去っていくところで幕。舞台上には、次郎長はじめ清水一家の面々がカッコ悪く倒れたまま。こんなエンディングありなの?という奇想天外なお芝居になりました。
実は黒駒一家の方が強かった…(笑)
歌ってるヤツが70代でお客さんの平均年齢が60半ばって、世間の人はどう見てるんでしょうか?よくやるわ~ッ!…って(笑)
前半はダーク・ベージュのジャケットに黒のベストスーツ、白のシャツ。
千穐楽、ようこそおいでいただきありがとうございました。
お芝居の大詰めでは、明治まで生きてた人を殺しちゃった…(笑)
千穐楽のメニューは、あちらこちらからいろんなものを引っ張り出してみようと思います。並べてみたら、この頃の歌は(一曲の長さのこと?)短いですね。どうぞ、お楽しみください。
譜面台の上に歌詩カードはあるものの、さすがオリジナルですね。ほとんど見ないで歌われました。
淋しい町 作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
(「修学旅行」B面)
デビューした当時は持ち歌が少ないのでステージでは、B面の歌もちゃんと歌ってるんですが、何年かして歌が増えてくると歌う機会がなくなってくる。でもB面の方がいいという場合もありますね。
ここからは…抒情歌
白鳥(しらとり) 作詩:横井弘 作曲:竹岡信幸
(「都井岬旅情」B面)
はてしなく 雪の舞い散る
湖に 浮かぶ白鳥
その鳥は 恋に疲れて
還らない 君の姿か
衿足も細く ああ哀しく
花かげに 君と築いた
ささやかな 愛の山小屋
人の世の つらい掟が
ここにまで あると知らずに
頬よせた日々の ああはかなさ
ささやかな 愛の山小屋
人の世の つらい掟が
ここにまで あると知らずに
頬よせた日々の ああはかなさ
なにもかも みんな運命(さだめ)と
湖を 埋める粉雪
その雪に 独りたたずみ
口笛を そっと鳴らせば
白鳥の影も ああ泣いてる
湖を 埋める粉雪
その雪に 独りたたずみ
口笛を そっと鳴らせば
白鳥の影も ああ泣いてる
一葉舟 作詩:鈴木晴彦 作曲:浜圭介
https://youtu.be/yHIEF3SVdQA
https://youtu.be/yHIEF3SVdQA
私の場合は、アルバムとかもいれたら抒情歌が多いですね。船村先生の「あなたの故郷」「野菊」とか100曲以上あるかな。「嵯峨野雪草紙」とかも…。スペシャルのステージでやっても色々お聞かせできるという…幸せな歌い手です。
ここで…一曲は、やっておかないと…
上着を脱いで、軽やかなベスト・スーツスタイルで…スタンディング。
~スタンディング
かくれんぼ 作詩・作曲:上田成幸
かくれんぼしましょ 鬼さんこちら
恋なんて そんなもの
恋なんて そんなもの
かくれんぼしましょ 手の鳴る方へ
希望(ゆめ)なんて そんなもの
希望(ゆめ)なんて そんなもの
なンだかンだ 世の中 JOGGING
ウロ・ウロ みぎひだり
あっちこっち ドタバタ ズッテンドウ
それなりに BLUES
ウロ・ウロ みぎひだり
あっちこっち ドタバタ ズッテンドウ
それなりに BLUES
~お芝居の出演者総出で手拭い蒔きならぬサインボール投げ~
林与一さんはスーツ。他の皆さんはおそろいの白の「F・K」ロゴ入り黒のTシャツ
歌が終わった後は例によって舟木さんからの一言インタビュー。
林与一さん:次郎長殺したお芝居ってのは初めて…(笑)
文童さん:楽しかったで~す! 私もとっても楽しかったで~す(笑)
林啓二さん:舟木さんが、この人は不思議な人…一筆加えるだけで…和顔になる
北町嘉朗さん:最年長で84歳。もうすぐ85歳。この芝居で2歳若返りました…とのこと
近衛れい子さん:今回の芝居、主役は俺じゃなくてかんざしなんだもんね…
確かに「乙女の頃の宝物、紅い玉かん」存在感ハンパなかったですよね(笑)千穐楽のお芝居の中では、舟木さんが近衛さんに投げキッスの大サービスでした。
川上彌生さん:おせんちゃ〜ん!
桜木健一さん:小政ばかりは、大きい人じゃコマルよね~
丹羽さん:またまた「音痴ネタ」でいじられてましたよ。さらに舟木さんに「歌ってみな!」と言われてとっても素直に歌う丹羽さん「♪歌はちゃきりぶ~し」やっぱり…でした(笑)
皆さんが左右のソデに引っ込むと、弾を呼んでみましょうと舟木さん。下手から村木弾さんが登場。
CDの売り上げが、今公演で2000枚とのこと。この勢いでジリジリとヒットしていくことをお祈りします。
この作品は演歌を好きな方が船村先生の遺作ということで、ひとつの記念として手元に置いておこうということもあるでしょう。
長く歌っていくのがいい…焦らなくていいからね。ここ(弾さんの喉を指して)に気をつけてとやさしいアドバイスも。
私は、後輩でも、呼びつけにしたことないのですが、この男だけは「弾」と…
今日は千穐楽だから2曲。B面の「さいはての月」も披露されました。
~村木弾さん
都会のカラス
さいはての月
再び舟木さんが登場。ここからはチャコールグレーのスリーピースで後半のステージ。
5つ目の季節に 作詩・作曲:上田成幸
あなたのこと 思い出しています
あの日知った 5つ目の季節の真ん中で
あなたのこと 呼び続けています
わたしだけの振り子で
・・・・・・
あなたのこと 待ち続けています
わたしだけに止められた 時間の片隅で
・・・・・・・・・
近ごろ好きな コーヒーショップ
教えてほしい 人づてにでも
・・・・・・・
別れの訳を 本当のことを
教えてほしい
教えてほしい 人づてにでも
・・・・・・・
別れの訳を 本当のことを
教えてほしい
あなただけと 向かい合っています
・・・・・・
あなたのこと見つめ続けてます
わたしだけに止められた時間の片隅で
わたしひとり 5つ目の季節のまんなかで
・・・・・・
あなたのこと見つめ続けてます
わたしだけに止められた時間の片隅で
わたしひとり 5つ目の季節のまんなかで
ピエロの晩秋(あき) 作詩・作曲:上田成幸
うすい夕暮れの街の灯りは
とりとめもなく窓にばらけて どこか人待ち顔
待てば もどる人 待ちわび
あれから 私 笑えないピエロ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とりとめもなく窓にばらけて どこか人待ち顔
待てば もどる人 待ちわび
あれから 私 笑えないピエロ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うらまずに生きてください
気にせずに生きてください
気にせずに生きてください
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
幸せになってください
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひとりできるのは 祈ること 願うことだけ
ひとりできるのは 祈ること 願うことだけ
*「5つ目の季節に」「ピエロの晩秋」は、うろ覚えですが、聞き取れた部分だけの歌詩。
とっても舟木さんらしいテイストの曲です。音源欲しいですね~
29小節の挽歌 作詩・作曲:舟木一夫
どんなに呼んでも とどかぬ昔へ
もう遅いと知りながら 口ずさむ挽歌
追いつめてつかみきれず 死なせた幸せ
立ちつくすだけの 二人に出来たことは
せめてさよならに 愛を込めて泣いて・・・
想い出とぼとぼ すまなさばかりで
ただ寒々時をうつ 夜更けが背中で
悲しみきざみの 煙草の辛さに
もう夜明けとほぞを噛む 空箱をふやす
冷えた唇にのせる つぶやきはひとつ
俺だけのために 生まれてくれたひとへ
たとえ浅くとも 冬よりは春を
祈りを集めて 燐寸(まっち)をかざせば
ただ細々影をひく 出逢いと別離(わかれ)と
もう遅いと知りながら 口ずさむ挽歌
追いつめてつかみきれず 死なせた幸せ
立ちつくすだけの 二人に出来たことは
せめてさよならに 愛を込めて泣いて・・・
想い出とぼとぼ すまなさばかりで
ただ寒々時をうつ 夜更けが背中で
悲しみきざみの 煙草の辛さに
もう夜明けとほぞを噛む 空箱をふやす
冷えた唇にのせる つぶやきはひとつ
俺だけのために 生まれてくれたひとへ
たとえ浅くとも 冬よりは春を
祈りを集めて 燐寸(まっち)をかざせば
ただ細々影をひく 出逢いと別離(わかれ)と
ためいきつなげて もたれる・・まどろむ
もう眠りの中でさえ あの夢は遠い
過去に裁かれて生きる 俺はそれもいい
何よりも今は はるかなひとの胸に
二度と苦しみの ないことを願う
何も見えない どこへも行けない
ただはるばるなげ上げる なみだと残り火
もう眠りの中でさえ あの夢は遠い
過去に裁かれて生きる 俺はそれもいい
何よりも今は はるかなひとの胸に
二度と苦しみの ないことを願う
何も見えない どこへも行けない
ただはるばるなげ上げる なみだと残り火
「5つ目の季節」にと「ピエロの晩秋」は音源になっていない…音源になっていないのは、何十年歌っていてもその人のオリジナルにはならない。
フォークとかニューミュージックの人は、コンサートに行かないと聞けない歌があって、そういうのもいいですが…という意味合いのことをいわれたような。
フォークとかニューミュージックの人は、コンサートに行かないと聞けない歌があって、そういうのもいいですが…という意味合いのことをいわれたような。
ぼくらの世界では、最初に音源に吹き込んだ人のオリジナル曲になる。「さいはての月」も音源になっていないので…一曲損しました(笑)
過ぎ去った季節があって明日になる…ここは、過ぎた季節の風…季節風。その辺を楽しんでください。
眠らない青春 作詩:舟木一夫 作曲:川崎浩史
なつかしいこの街に
ただひとり 来たんだよ
眠らない青春の
想い出に 誘われて
やわらかな 木もれ陽と
手づくりの 愛の日は
変わらずに あるものと
おたがいに 信じてた
さよならの足音は
春の日のにわか雨
冷たさを 耐えるには
若すぎた 二人さ
ただひとり 来たんだよ
眠らない青春の
想い出に 誘われて
やわらかな 木もれ陽と
手づくりの 愛の日は
変わらずに あるものと
おたがいに 信じてた
さよならの足音は
春の日のにわか雨
冷たさを 耐えるには
若すぎた 二人さ
明日には出るはずの
虹さえも 知らないで
見つめ合う 瞳には
あきらめが ゆれていた
虹さえも 知らないで
見つめ合う 瞳には
あきらめが ゆれていた
お揃いのセーターを
ひっそりと 取り替えて
合い鍵は 二つとも
鉢植えに 埋めたよ
ひっそりと 取り替えて
合い鍵は 二つとも
鉢植えに 埋めたよ
逝く春の 哀しさを
胸深く 抱きとめて
あの人が 投げかけた
ほほえみの 優しさ
鮮やかによみがえる
青春の 想い出は
暮れなずむ 街角に
いつまでも 眠らない
胸深く 抱きとめて
あの人が 投げかけた
ほほえみの 優しさ
鮮やかによみがえる
青春の 想い出は
暮れなずむ 街角に
いつまでも 眠らない
いつまでも 眠らない
いつまでも 眠らない
いつまでも 眠らない
心のロベリア 作詩:吉岡治 作曲:服部きよし
https://youtu.be/bKKNVSsSj8s
https://youtu.be/bKKNVSsSj8s
風信子だより 吉岡治:作詩 服部きよし:作曲
風信子の花がかおるむこうで
とりとめない雨のおしゃべり
僕は僕でそんな窓辺の景色
飽かず眺める此頃です
とりとめない雨のおしゃべり
僕は僕でそんな窓辺の景色
飽かず眺める此頃です
君と逢った夏から秋
ひとりすごす冬から春
そして明日は誰のために
季節は移ろい逝くのですか
ひとりすごす冬から春
そして明日は誰のために
季節は移ろい逝くのですか
君のことを想うばかりで
やりばのない日々のいらだち
なにをしても生きる意味さえなくて
そんな自分にあきれています
やりばのない日々のいらだち
なにをしても生きる意味さえなくて
そんな自分にあきれています
お元気ですか 君はいまも
愛の日々を信じてますか
淋しすぎて眩しすぎて
信じてないのは僕だけです
君と逢った夏から秋
ひとりすごす冬から春
そして書いた青い手紙
宛名がないから迷うでしょう
愛の日々を信じてますか
淋しすぎて眩しすぎて
信じてないのは僕だけです
君と逢った夏から秋
ひとりすごす冬から春
そして書いた青い手紙
宛名がないから迷うでしょう
晴れ過ぎた朝に 作詩:北炭生 作曲:中原華道
https://youtu.be/pW_aZ_GajxM
https://youtu.be/pW_aZ_GajxM
前半は、「恋」を知る以前の「青春」を歌った懐かしい曲と抒情歌。スタンディングと村木弾さんの新曲を挟んで後半は、青春の後姿を見送るようなまなざしで舟木さん自身が書かれた曲、「季節風」と表現なさった曲たちという構成でした。
特に後半のステージは苦さと甘さがほどよくブレンドされた作品たちが並び、心地よい「舟酔い」に…(笑)
「恋」につきものの、互いに傷つけ、傷つけられもした胸に刺さった棘のような痛み。青春後期の迷いや悔い。苦い想いを味わったからこそ培うことのできた人としての優しさ、強さ…舟木さんとラブソングは、やっぱりステキに似合ってます。
そんなことを思いながら舟木さんの一段と深みを増した歌声の中に身を委ねていると、ある瞬間に、舟木さんの若い頃と少しも変わらない透明感のある瑞々しい歌声も重なって耳に届くのです。
年を重ねて変わっていくもの、変わらないもの…それが見事に溶け合って混在している…ビジュアルも声も、そして人間としての魅力も…と歩いてきた道のプロセスが、重層的に体現された存在が舟木一夫…と言ってもいいような気がするのです。
~アンコール 2曲~
ららばい 作詩:藤公之助 作曲:大野真澄
(ATG映画「青春 PARTⅡ」のテーマ)
(ATG映画「青春 PARTⅡ」のテーマ)
たとえ傷つき 泥にまみれて
負けたって いいじゃないか
何もしないで ため息ついて
わけ知り顔するよりは
若さにまかせ
しゃにむに 生きてみたよ
壁にぶつかり 深傷(ふかで)負うたび
自分で傷口 癒してきたのさ
ほっといてくれ 世話などやくな
そんな寂しさが
なぜか 好きさ 俺は・・・・
負けたって いいじゃないか
何もしないで ため息ついて
わけ知り顔するよりは
若さにまかせ
しゃにむに 生きてみたよ
壁にぶつかり 深傷(ふかで)負うたび
自分で傷口 癒してきたのさ
ほっといてくれ 世話などやくな
そんな寂しさが
なぜか 好きさ 俺は・・・・
迷夢本望-風好きに吹け- 作詩・作曲:小椋佳
ありふれた 明日葉(あしたぱ)の
花揺れて いつになく
佇(たたず)んで 振り返る 足跡に
愛(いと)しさと 懐(なつ)かしさ
男ひとり 生きてみれば
想い通り 想い違い
想い過ごしと 想いの外の
不揃いな 捩れた道の ほろ苦さ
今日という 残りの日々の
初めての時
抱え込む 右手極楽 左手地獄
泣き笑い 何事か来い 何事か去れ
夢を行く 迷い本望 風好きに吹け
初めての時
抱え込む 右手極楽 左手地獄
泣き笑い 何事か来い 何事か去れ
夢を行く 迷い本望 風好きに吹け
55年、歌を愛し、歌とともに「しゃにむに 生きて」 こられた舟木さん。
そして、今なお 変わることのない歌への熱い想いを胸に…「夢を行く 迷い本望 風好きに吹け」と
果敢に自分自身への挑戦を続ける前ノメリの姿勢は、私たちに勇気を与えてくれます。
55周年から、さらに、その先の60周年への夢を心にとめてはばたく舟木さんについていこう!
…そんな思いをあらたにした、高揚感あふれるコンサートでした。
私の拙いブログ愛読してくださってる舟友さんからちょうだいしたグッズ。
手作りのキイホルダーも。感謝、感謝です。
ご存知かと思いますが、お知らせです。
発売日が当初の予定より遅れます。6月24日発売(5/26予定だったところ)
マルベル堂 "舟木一夫 あゝ青春のプロマイド: 芸能生活55周年記念出版 509枚完全掲載"