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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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ちょっと箸やすめ~久しぶりにお芝居観劇「ワーニャ伯父さん」(新国立劇場)

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今日は、それこそ「ちょっと箸やすめ…」におつきあいいただけたら有難いです。舟木さんもちょっとだけ登場しますよ

2012年の9月に、舟木さんと「出逢いなおし」て以来、時間的にも、経済的にも、諸々の余裕がなくて遠のいている演劇鑑賞。もちろん、文楽、歌舞伎なども大好きなのですが、それ以外にもいわゆる「板の上」で繰り広げられる芸能は、ほとんどすべてが好きで、観たい、聴きたいものばかりという気持ちには変わりはありません。

今回は、日帰りも可能な時間帯だったこともあって、どうしても「行きた~い!」という想いが強くて、9月26日(火)に上京して「ワーニャ伯父さん」の舞台を観てきました。

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☆観たかった理由 その1  劇場空間の魅力

新国立劇場の小ホールは、500席しかない小さなキャパのホールですし、人気のある俳優さんたちが出演しているとチケットをとるのがとっても難しいのですが、20日ほど前、もうチケットの発売からかなり日数も経った頃に、チケットぴあで残席確認したら、なんと上演最終日のお席に空きがありました。それで、これは、もう行くしかない!と決めました。

お芝居を観るには、本当に最適の大きさのホールで、舞台の幅も奥行きも小さいのですが、大道具や美術の派手さがウリではない内容の芝居ですから、こういう空間がむしろウレシイです!


☆観たかった理由 その2  作品の魅力

アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ(1860年1月29日~1904年7月15日)
ロシアを代表する劇作家であり、多くの優れた短編を遺した小説家。
代表的四大戯曲~「かもめ」「三人姉妹」「ワーニャ伯父さん」「桜の園」

読んでなくても、タイトルだけは知ってる…という方はたくさんいらっしゃると思います。
私も、そのひとりです。ただ、「三人姉妹」だけは、学生時代、たまたま東京に在住していたので1973年の劇団民芸(東横劇場)の舞台で観ています。多分、宇野重吉さんの演出だったと思います。末娘役が樫山文江さんだったかな?…正直、お芝居の内容はあまり記憶にありません。地味なセリフ劇ですから、当時、二十歳そこそこだった私には退屈だったのかも…(笑)

東横劇場…というと、舟木さんの主演舞台「愛する時も死する時も」が上演された劇場です。それが1973年の2月(3日~22日)です。そして私が「三人姉妹」を観たのが同年の確か11月頃だったように思いますから、同時代の上演です。また、当時、若者の間でセンセーショナルな話題を呼んだミュージカル「ヘアー」も初演(1696年)は東横劇場でしたね。

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親不孝通り  舞台「愛する時も死する時も」主題歌



(参考)*この作品もリアルタイムでは観てませんが、パンフレットは手元にあるので以前、記事にしています。よろしければ、ご覧ください。

艶歌ミュージカル・愛する時も死する時も~東横劇場1973年パンフレットより(上)
https://blogs.yahoo.co.jp/ycmay26/68676232.html

艶歌ミュージカル・愛する時も死する時も~東横劇場1973年パンフレットより(下)
https://blogs.yahoo.co.jp/ycmay26/68676672.html?type=folderlist


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閑話休題…「チェーホフ」の戯曲は、舞台に携わる人たちにとって、一度は手掛けてみたい作品なのでしょう。何年か毎に、その時代、その時代の空気とか時世に、どこかひっかかるツボのようなものに焦点を合わせて、プロデュ―スされ、その時代に才能を認知された人気演出家たちによって受付継がれるように上演されてきたお芝居だという印象があります。

チェーホフの戯曲は、何か、歴史的な事件だとか、また個人的であってもドラマチックな出来事だとか、そういうものはテーマになっていない作品といえます。登場人物たちが、それぞれの人生の中で、ある時は自己肯定できる充足感を持てたり、またある時は、何もかもに絶望的になったりする、心のうちの揺れとか葛藤に目を向けた戯曲なので、だからこそ普遍的であり、時代が変遷していっても、観客の共感を得ることができるのでしょう。発表されてから、一世紀を経た今も世界各国で舞台化され、何度も生まれ変わって生き続けている古典の名作に間違いありません。今回のプロデュ―スはシスカンパニー
  
観たかった理由 その3  プロデュースの魅力


この、シスカンパニーという企画会社そのものが私のお気に入りで、私の感覚にマッチするんですね。それほど、たくさんの作品を観ているワケではありませんが、毎回、満足して拝見しています。それで、こちらの、プロデューサー(社長さん?と云ってもいいかも)の北村明子さんという女性、どんな人だろう…という興味、関心もあって彼女の著書も読みました。京都出身ということ、それに嬉しいことに、彼女のお芝居(舞台)の原点は少女時代から南座で観ていた歌舞伎…ということで余計に親近感を覚えたというワケです。私が舞台を拝見した日も、開演前の暗い劇場の隅っこに静かに立っていらっしゃるおそらく北村さんとおぼしき女性の姿を見ました

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北村明子さん…ってこんな感じの女性です。(ほぼ日刊イトイ新聞/2010年3月19日))
http://www.1101.com/casting/2010-03-18.html

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では、とりあえず「ワーニャ伯父さん」という戯曲について…

ワーニャ伯父さん 田園生活の情景 四幕 1897年出版 (青空文庫で読めます)
http://aozora.binb.jp/reader/main.html?cid=51862

1899年10月26日にモスクワ芸術座で初演された。日本での初上演は…1990年頃「森のおじさん」の名で上演された舞台作品は永野裕紀乃が翻案脚本演出した本作品である。

シスカンパニー公演 ワーニャ伯父さん 新国立劇場(2017年8月27日~9月26日)
http://www.siscompany.com/ojisan/gai.htm

上演台本/演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(1963年1月3日 - )は、東京都出身のミュージシャン、劇作家、俳優、脚本家、演出家、映画監督。
日本大学鶴ヶ丘高等学校、横浜放送映画専門学院(現:日本映画大学)卒業。
インディーズレーベル「ナゴムレコード」主宰。劇団「ナイロン100℃」主宰。
別名義・ケラ(KERA名義でも活動)。本名は小林 一三(こばやし かずみ)。



登場人物

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イヴァン・ペトローヴィチ・ヴォイニーツキーワーニャ:段田安則
亡き妹の元夫であるセレブリャコーフ教授の学識を崇拝し、領地の経営のために身を粉にして働いてきたが、今や教授への信頼を失い、自分はだまされてきたという思いにとりつかれている。

エレーナ・アンドレーエヴナ・セレブリャコーヴァ:宮沢りえ
セレブリャコーフ教授の若く美しい後妻。

ソフィア・アレクサンドロヴナ・セレブリャコーヴァ(ソーニャ):黒木華
教授と亡くなった先妻ヴェーラとの間の娘。伯父のワーニャとともに領地の経営にいそしんでいる。この領地は母が嫁入りの際に祖父から買い与えられたもので、現在は正確にはソーニャのものである。

アレクサンドル・ウラジーミロヴィチ・セレブリャコーフ:山崎一
年老いた大学教授。退職後に亡き先妻の実家である田舎の領地に移住してきたが、慣れない田舎暮らしとリューマチや痛風に悩まされる日々を過ごしている。

マリヤ・ヴァシーリエヴナ・ヴォイニーツカヤ:立石涼子
ワーニャとソーニャの亡母であるヴェーラ兄妹の母。

ミハイル・リヴォーヴィチ・アーストロフ:横田栄治
エレーナとソーニャから想いをよせられるこの土地の医師。開発による森林の減少を憂え行く末を案じる人物として描かれており、チェーホフが19世紀末の時点で生態系の破壊という問題に深い関心を寄せていたことがわかる。

イリヤ・イリイチ・テレーギン:小野武彦
落ちぶれた隣家の地主

マリーナ:水野あや
古くからこの家に仕える年寄りの乳母

下男:遠山俊也
この方…見覚えありませんか?「ひよっこ」でヒロインの親友時子のお父さん役をされてます。

ギター演奏:伏見蛍

劇中で伏見蛍さんのギターが奏でる「悲しき天使」…昭和40年代始めに大ヒットしましたね。懐かしく聴きました。日本では森山良子さんの歌唱(♪こがらしの街を行く 一人ぼっちのわたし♪)が馴染みがありますね。

悲しき天使 森山良子歌唱 (訳詩:漣健児)
https://www.dailymotion.com/video/x2do7tp

悲しき天使 メリー・ホプキン
https://youtu.be/h5P1NTNWgr8

「悲しき天使」は、しばしば、イギリスで活躍したアメリカ合衆国出身の歌手、ジーン・ラスキンの作詞作曲と紹介されている。これは「Дорогой длинною」がソビエト連邦からの亡命者によって欧米に広められるうち、いつしか作者不詳の「ロシア民謡」と呼ばれるようになり、その後1962年にラスキンが英語版を編曲し自作として発表したために、ラスキンの作品と呼ばれるようになったためとされる。
1968年にポール・マッカートニーが、当時18歳のフォーク歌手メリー・ホプキンをプロデュースして「悲しき天使」のシングルを発表。国際的にヒットし、その後さらにスペイン語版、ドイツ語版、ヴィッキーによるフランス語版(「Le Temps des fleurs」、但し邦題は「悲しき天使」のまま)もリリースされた。

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このお芝居の劇評は、ネット上でたくさん見られます。ここでは、わかりやすいものを…

【劇評83】ケラリーノ・サンドロヴィッチ流の『ワーニャ伯父さん』(長谷部浩さん)
http://hasebetheatercritic.blogspot.jp/2017/09/blog-post.html


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トロイカ 舟木さんの歌声で…
https://youtu.be/2tKAT9q9XJ8


ともしび 舟木さんの歌声で…映画「花咲く乙女たち」より
https://youtu.be/Yl-K-4lyB_A


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観たかった理由  その4  配役の魅力

宮沢りえさん とっても素敵な舞台女優さんに成長なさっていて、舞台芝居が大好きな私としては、うれしいかぎりです。もうビジュアル的には申し分なしの美形。しかも声が魅力的で、セリフも動きもナチュラルで、力強くてしかも優雅、クールさと情感とのバランスが絶妙。色香があふれているのに清潔感があってエレーナの純粋さが伝わってきました。お仕事の途切れることのない当代の人気女優であることに得心できます。

山崎一さんが、やっぱり巧い!自己中でやなオヤジなのになんだか憎めない教授。黒木華さんは、声がなんとも愛らしいのに意志の強さをしっかり感じられるソーニャ。横田栄司さんは初めて舞台で拝見。カッコ好過ぎ(笑)声もいいし、舞台映えのする俳優さん。乳母のマリーナの水野あやさんは儲け役ですよ。マリーナのセリフがいちいち胸に沁みました。ワーニャの母親役の立石涼子さんは、私的にはもうすっかりおなじみの女優さん。この方も舞台のお仕事途切れませんね。テレーギンは緊迫感を癒してくれるお役。テレビや映画「踊る大捜査線」でもおなじみの小野武彦さん。そして、なんともアッサリと「下男」となっているのが遠山俊也さん。さすが舞台役者さんです。「ひよっこ」でいい味、されてますね。

段田安則さん 私の本命はこの方です。TVなどにも出演はされていますが、御本人は、舞台が一番大好きというのも嬉しい。私も、この俳優さんの魅力は、ナマの舞台でこそ全開するように思います。先に挙げた、シスカンパニーの作品には、最も多く出演されいて、なくてはならない俳優さん。そして、段田さんも京都出身…(笑)ですから親近感、大いにわきます。


私が拝見した段田安則さんの出演された記憶に残っている舞台

藪原検校(2007年)蜷川幸雄演出(シアターBRAVA!)
国民の映画(2011年)三谷幸喜演出(森の宮ピロティ・ホール)
その妹(2011年)河原雅彦演出(世田谷/シアター・トラム)
叔母との旅(2012年)松村武演出(青山円形劇場)
温室(2012年)深津篤史演出(新国立劇場)


それに、舟木さんが、東の御大:栗部金太郎役で出演されたNHKの朝ドラ「オードリー」では、段田さんはヒロインの父親役で出演なさっています。私は、この頃から段田さんに注目していたので、彼の「オードリー」出演部分は見てますし、記憶も鮮明なのですが、なぜかなぜか、舟木さんの出演は全く知らずにいましたし、出演シーンも一度も見てません(笑)舟木さん、ごめんなさ~い

写真が小さくてボケてますが、右上端が舟木さん。上段から二番目の左から2人目、白のスーツが段田さん。西の御大役の与一さんも。佐々木蔵之介さんや堺雅人さんはここから人気急上昇でしたね。

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最後までお読み下さってありがとうございました。
ドラマ「オードリー」の劇中「大京映画」撮影時の装束の舟木さん。
「青葉城漂流剣」五月雨兵馬役の写真で〆ま~す。

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