アフタートーク 9月16日(ぽけかる倶楽部)&9月19日(高島屋友の会)報告
新橋演舞場公演「詣で」、三回目の上京は、9月16日から19日でした。
舞台を、拝見したのは、16日昼の部、17日昼の部と夜の部、18日も昼の部と夜の部、そして19日の昼の部ですが、先ずは、16日と19日昼の部の終演後に開催された「アフター・トーク」の内容をご報告します。いずれも司会進行役は石川敏男氏です。昨年のトークも石川氏だったかな?(笑)と思いだして、自分のブログ内検索をかけたら、やっぱり昨年も、「高島屋友の会」主催のアフタートークの司会進行は石川氏でした。
しかも、16日のお芝居とコンサートの間の休憩時間に、舟友さんたちと昼食のお弁当を空いていた最後列の御席に座っていただいている時に、ひとりの男性がやってこられて、舟友さん中のおひとりに色々話かけれていらっしゃいました。お友だちの多い舟友さんなので、お知り合いの方かと思っていたら、なんとその男性が石川氏だったんです。それも、アフタートークが始まって石川氏が登場なさって、お顔を見てから気づいたというボンヤリな私です(笑)去年も、お顔を拝見しているにもかかわらず、普段、テレビを見ることがほとんどないのですっかり失念していたんですね。というか、ヤバイ!、かなり物忘れがヒドイようです。トホホです(汗)
・・・と言うワケで物忘れがヒドイために、できるだけ詳細に速記のごとくメモをとってますが、後で、自分で書いた文字が乱暴で判読できない部分がいっぱいあるので、いくらか言い回しの違うところもありますので、ご容赦、ご了承くださいね。
さて、トークの内容です。ピンク文字は舟木さんです。それぞれ、別々にご報告します。
時間的には30分~40分ほどでした。
9月16日 ぽけかる倶楽部 アフタートーク
(この日はお芝居の時にかなり大きな地震が発生)
この日のスタイルは黒地に胸に「ROCKY」のロゴマーク(オレンジっぽかったかな?)のTシャツ、ジーンズ。
石川:今、公演が三分の二終わったというところでお疲れも一番ピークなのでは?
10日目くらいから、だんだんお芝居が良くなってくる。こういうお芝居は「化ける」んですよ。間口が広くて奥行が深いですから、芝居そのものが「化ける」ヘビが脱皮するように、セミが殻から出るように変化していく。ですから出演者の疲れもきもちのいい疲れ方、よく言う「イイ汗かいた!」という感じで。
石川:この出し物をどうして選んだんですか?
55、6(歳)の時に、60過ぎて、まだ時代劇をやっていることがあったら、これもアリかなと思ってたのが、60になったら、まだ伊賀之亮はムリだと思った。もし、これが、去年の「花の生涯」と入れ替わっていたらダメだったでしょう。(順序としてという意味合いでおっしゃったかと推測します)
石川:大屋根での立ち回りの発想はどこから?
これまでのもの(多分舟木さんの公演の演目)は大屋根がないんですよ。伊賀之亮が天一坊にのめりこむ動機とか父子を対面させたいということから「お狩場」(第八場)の場面が話の展開にほしい・・、伊賀之亮
の吉宗への想い、天一坊への想い、それで大屋根へ行くのですね。お芝居の見せ場として昔から歌舞伎にだって石川五右衛門(「桜門五三桐」のことでしょうか)のような見せ場としてのセットが使われている。大
屋根の場面も、あれは雪がチラチラ降っていないと舞台全体がネズミ色になってしまうので美術(今回の舞台も中嶋正留氏です)が創り込むんですね。
の吉宗への想い、天一坊への想い、それで大屋根へ行くのですね。お芝居の見せ場として昔から歌舞伎にだって石川五右衛門(「桜門五三桐」のことでしょうか)のような見せ場としてのセットが使われている。大
屋根の場面も、あれは雪がチラチラ降っていないと舞台全体がネズミ色になってしまうので美術(今回の舞台も中嶋正留氏です)が創り込むんですね。
石川:天一坊が松也さんになったのは?
去年、企画が決まった時に、(天一坊役の諸々の決まりごとなどでしょう)あの形ができる役者は歌舞伎役
者じゃなきゃできないと・・舞台は映画と違うので、松竹にどなたか歌舞伎の人をお願いしたら松也さんを
ということになって・・目がいいです。ちょっと時々スネたようになる目がいい。ポスターの目もそうですが「半眼」は持って生まれたもの、底力のある目です。
者じゃなきゃできないと・・舞台は映画と違うので、松竹にどなたか歌舞伎の人をお願いしたら松也さんを
ということになって・・目がいいです。ちょっと時々スネたようになる目がいい。ポスターの目もそうですが「半眼」は持って生まれたもの、底力のある目です。
*「半眼」の意味は様々あるのですが、ここで舟木さんが言われたのは「人の心を惹きつける」力のある目という意味ではないかと私は、想像しました。
石川:楽屋とかで松也さんとお話されますか?
楽屋でなく、暗転待ちの間に、話します(笑)彼は忙しいからね。若いからいろんなことをやっていい。
石川:親子のようなトシの差ですが・・・
余計なおせわですよ(笑)親子以上なんじゃないですか?天一坊は花形、看板上もそうですから、彼の力が出しやすいようにと・・・
楽屋では、しょっちゅう寝てますよ(笑)ウワサになってる某アイドルは楽屋にいらしてますか?の質問には
僕は誰が来てもわかんないですよ。そういう方面には疎いですから・・
楽屋では、しょっちゅう寝てますよ(笑)ウワサになってる某アイドルは楽屋にいらしてますか?の質問には
僕は誰が来てもわかんないですよ。そういう方面には疎いですから・・
石川:コンサートでは「東京」をテーマにしてますが・・
誰の歌とかには関心がないんですよ。歌そのものが気持ち良きゃ、まるで意識しません。昭和歌謡曲のヒットしたのは、ワンコーラスくらいは唄えるし、大ヒットしなくてもいい歌がある。例えば「絶唱」のようにはヒットしなかったけれど「夕笛」の底力が出てくる・・・ほかの歌い手さんが、自分の持ち歌でヒットした曲も、手を抜いているなと感じるともったいないなぁと思う。
石川:「高校三年生」は手を抜かずに唄っていらっしゃる?
手を抜いてたら、唄ってても、自分がつまんないですからね。
石川:長台詞は、どうやって覚えるんですか?
台詞はリズムで覚える、考えてしゃべるんじゃなく、出だしのリズムで・・
~さすが、歌い手さんですね。よく役者さんが、歌手の方は台詞覚えが早いとおっしゃいますがリズムなん
ですね~
ですね~
石川:新曲に対する想いは?
ステージのどこへ置いても存在感があるというのが必要。ヒットを狙うなんて関係ない・・ステージを大切にしていきたいので、例えば「川の流れのように」、ひばりさんならいいですが、僕の場合あれが受け皿として出てきたらとても大げさで、嘘っぽい。僕は、まとまりたくない方なんで、とっちらかったまま終わりたい。みんな青春をひきずって生きているんですから・・・
~そうだ、そうだと大納得です。おさまりかえった舟木さんなんて似合いませんよね。いつまでもヤンチャ
でいてこその舟木さんらしい言葉に嬉しくなりました~
でいてこその舟木さんらしい言葉に嬉しくなりました~
石川:ある高齢のファンの方で、大病を患われた方が舟木さんが元気だから励みになって私も元気でいられる、舟木さんが生き甲斐だと・・
大きな病気や怪我をしても、その人の星による、ご本人の星が強いんですよ。「生き甲斐」ですか?随分と
いいかげんな生き甲斐ですね(笑)わたしゃ神社じゃないんですから・・
私がいなくなるのと、御客様がいなくなるのとは、こうなったらもう勝負ですよ(笑)
いいかげんな生き甲斐ですね(笑)わたしゃ神社じゃないんですから・・
私がいなくなるのと、御客様がいなくなるのとは、こうなったらもう勝負ですよ(笑)
~舟木さんらしいテレで、こんなそっけないご返事でしたが、同じ想いでいらっしゃるファンがたくさんいることは、ちゃんと御承知なさっている舟木さんなんですよね。最後の、「勝負」という言葉には、舟木さんからの御客様へのエールとご自身の気合いがこもっていて、舟木さん流のステキな温かさを感じました~
今日は地震があったでしょ、与一さんが、あと2分(地震が)待っててくれたら良かったのにと言ってました。お芝居の「切れ」の時の拍手がいっぱいだったのはお芝居が良かったからじゃなく、地震にもよく堪えたっていう拍手なんだから、勘違いしないように・・と(笑)昔、「瞼の母」でおはま(母親役)の淡路恵子さんと向かい合ってお芝居してたときに今日より大きな地震がきて、淡路さんと小さな声で「まだ、続ける?」「行きましょう!」なんて会話しながらやってました(笑)
石川:公演中、一番気をつけてることは?
集中力。何が原因で起こるかわからないエアポケットに落っこったらしょうがない。集中力を凝縮して、し
かもその集中力が前に傾いていないとマズイ・・2日程前、台詞が飛んだんです。どうしても出てこないか
ら仕方ないので、じっと御客様(客席の方)の顔を見たままだったら松也君が、なんとかしようと一生懸命
になって松也君の台詞も飛んだ(笑)これは、しょうがないんですよ。集中しすぎて飛んじゃうこともあるん
ですよ。
かもその集中力が前に傾いていないとマズイ・・2日程前、台詞が飛んだんです。どうしても出てこないか
ら仕方ないので、じっと御客様(客席の方)の顔を見たままだったら松也君が、なんとかしようと一生懸命
になって松也君の台詞も飛んだ(笑)これは、しょうがないんですよ。集中しすぎて飛んじゃうこともあるん
ですよ。
この日は予め舟木さんへの質問を紙に書いて出し、それに答えるコーナーもありましたが、あくまで質問はすべて、はぐらかしのおとぼけぶりで通されて、会場は大爆笑。こちらは、「速報!」でお伝え済みです。
おとぼけトーク↓
石川:まだこれからも公演が続きますので、いい舞台を!
やれることは全部やりますので・・
終了後の勝ち抜きジャンケンで、5名様に舟木さんのサイン入り色紙プレゼント。
私のお隣の方がget!されました。いいな、いいな・・・ってことでお写真だけ撮らせていただきました。
9月19日 高島屋友の会 アフタートーク
高島屋友の会のお食事は、トーク開場の地下食堂 東(あずま)でいただきました。
朝の楽屋入りの時のスタイルで登場。
石川:早いものでもう残りわずかになりましたが、どうですか?
お芝居が面白くて、お客様がいっぱい入って下さると、早いんですよね。どっちかっていうと関西向けのお芝居ではないですし、道具も難しいです。
石川:「八百万石・」を選んでよかったですか?
御客様が入って下さるという、目に見えない無形の後押しが力になります。このお芝居を認めて下さってい
ることが、一発でわかる。どんどん良くなってくるのが、わかります。お芝居でも落語でも昔から芸人を育
てるのは御客様であると言われていますから・・
お芝居は気障な部分がないと、「人畜無害」っていうのは、よくない、良くも悪くもとんがっていないと・・
ることが、一発でわかる。どんどん良くなってくるのが、わかります。お芝居でも落語でも昔から芸人を育
てるのは御客様であると言われていますから・・
お芝居は気障な部分がないと、「人畜無害」っていうのは、よくない、良くも悪くもとんがっていないと・・
~「気障」という言葉、通常は、悪い意味にしか使われませんが、舟木さんが、ハッと思わせるインパクト
を与えるような意味合いで「気障」という感覚がお芝居には大切な要素であると説明しようとなさったのかな?と私としてはここが一番印象的でした。~確かに「人畜無害」のお芝居より、多少「気障」なお芝居が娯楽作品の醍醐味かな~
を与えるような意味合いで「気障」という感覚がお芝居には大切な要素であると説明しようとなさったのかな?と私としてはここが一番印象的でした。~確かに「人畜無害」のお芝居より、多少「気障」なお芝居が娯楽作品の醍醐味かな~
年齢を重ねていくと・・もう充分に重なってますが(笑)、娯楽時代劇と立ち回りとはきってもきれないですからね。チャンバラ物は誰がやろうが立ち回りが出てこないとおさまらない。大屋根の場で降りる時はいいんですが、登る時は袴の裾が踵にひっかかるんです。股立ちを取っているので前と横は上がるんですが、後ろは踏んづけちゃう。袴の裾裁きが大切ですね。
石川:松也さんの天一坊は?
大正解です。松也君は声がいい。古い言葉を使えば歌舞伎界の時代を担う責任を背負っている人。遠慮なく芝居をしてくれるからいい。
石川:松也さんの50才くらいになった声が楽しみと舟木さんが言われたのを松也さんが喜んでましたが?
でも、僕は、50才になった松也君をみれませんけど・・(笑)
石川:舟木さんの印象を聞いたら「とっても大きな人」だと、裏方さんなどスタッフ全員にまで目配り気配りできる方だと・・
若い頃から座長公演をやってましたから・・でも僕も若い頃は、気がついてませんでしたよ。50才くらいからです。お芝居でたくさん、若い捕り方さんが出てくる場面があって、大屋根の場面などでも、みんなに怪我がないように大道具さんがどれくらい気を配っているか、舞台監督さんも舞台から目を離さず見守っているわけですから、そういうことを全員に話しています。
松也君が、それを感じとってるってことは自分がいずれ座を組んでいく日のことを思ってるから、感じとるわけですから、松也君の意識があってのこと。演舞場スタッフさん含めてのチームの中で、自分のポジショ
ンはどうかということを意識することを知ってほしいから、若い人に伝えています。
石川:舟木さんの台詞が飛んだ時の松也さんは?
~松也さんが、なんとか舟木さんの台詞を引き出そうとあれこれ喋っているうちに自分の台詞もとちってしまったということなどの話の後に~
お芝居で台詞をとちると、その場面に出ていた人全員に、とちり蕎麦をふるまうというお芝居の世界の倣いから、「とちり焼酎」をふるまうんですが、彼には生クリームが大好物ということで、生クリ―ムを乗るだけのっけた一個まるごとのケーキを・・・
石川:松也さんが大先輩とフランクに会話させてもらえてうれしいと言ってましたが・・
若い人には余計な心配や負担をかけたくない。舞台で、どんどん自分のやりたい芝居をやってほしいというだけのこと。松也君と僕の立場を除けて言うと芝居のテイストが似てるので互いに負担がない。変に上っつらだけ気を遣うなんて言うのは無駄なんですよ。毎日、叮嚀に楽屋に挨拶に来ても、舞台で「オイオイ・・」っていうんではね・・
石川:プライベートな話もされますか?
プライベートなことは話しませんよ。(尾上)徳松さんがうちの奥方と同級生なんで、そっちからの情報が
あるんじゃないですか?徳松さん、喋り出したらとまらないんですから・・(笑)
~松也さんのいろんな噂のことには、ムニャムニャ・・~
石川:来年の演舞場があるとしたら出し物は?
御客様が楽しめるというのが大前提、お金を払って観る側の御客様のご都合を第一に考えれば演目は尽きることなく出てくると思うんです。御客様がどういうものを御覧になりたがっているか。映画で言えば、錦之介さん、橋蔵さんを観ていらっしゃる御客様は時代劇を楽しむベースを持っていらっしゃる。でも、それができづらくなってきている。何であろうと昭和の初期までのものは、時代劇と言ってもいいでしょうね。
演舞場の空間は、自分でも不思議くらい合っている。場所にもよりますが商業演劇の劇場としては格が違う。新橋演舞場が好きだから出ていたいという感じですね。劇場もですが、ある世代の方にとっては、例えば、大学野球は早戦という時代のムードっていうものがあるんですね。
舟木さんにとっては、「新派」の本舞台でもあった新橋演舞場は若い頃から憧れの劇場ということかな~
石川:コンサートは見るたびに時間が短いって感じますが・・
せっかちなんで、お芝居でもコンサートでもゆるむのがイヤなんですよ。やっぱり頭からの流れなのでダレ場があるのはねぇ・・最近の僕の喋りはコワレテるって言われるんですけど、御客様が許してくださる空気を感じるからです。(某放送局について)言っちゃいけない言葉が多すぎますよね(笑)だから面白くないですもん。僕の場合、御客様との共有感が独特なんですよ。元々の流行歌手の範疇からハミ出ているんですよ。
一言でいえば「お互い、色々あったね」ってことなんですよ。流行歌を聴いてくださる御客様がいらっしゃるということを確認しながらやっていく、どちらが欠けても成り立たない。僕は、ある時期「しらふ」に戻った時期があったから良かった。
石川:空白ですか?
そんなことありませんよ。ちゃんと仕事やってましたよ!(笑)
石川:ある日突然元気になった舟木さんがあらわれたのを見て・・
今日は言葉にトゲがありますね(笑)御客様とは、男であろうと女であろうと「色気」のお付き合い、3つの子でも、90歳の大先輩でも・・・お互いのキャッチボール、特に男性の御客様の気持ちというのはよくわかりますし・・ずっと自分がやってきた仕事を次の世代に渡していくという気持ち・・・例えば、すし屋のおやじさんが息子に仕事を譲ってレジにすわるとか・・
石川:舟木さんの場合はレジに座ることはないでしょ?
この年になって来ると半年ずつ繋いでいくしかない。一年だとアブナイ。半年の単位で考えて繋いでいく。
石川:この楽日が終わるとどのくらい休みがあるんですか?
休み、ないです。仕事を御受けしてるってことは、自分で大丈夫だと思っているからですね。多分大丈夫だと自分で思っているんでしょうね。
石川:今日は勝たなきゃいけない?(夜の部がないから、パチンコに行くのかと言う意味?)
今日はパチンコは行けないですよ。千秋楽とサンクスの構成をやらなきゃいけないですから・・
やっぱり仕事が「趣味」の舟木さんのようですね。