やっと、「サンクスコンサート」のご報告まで、たどりつきました。
新橋演舞場公演・千秋楽の翌日は、恒例の「サンクスコンサート」です。14時開演の1公演だけなので、チケットをとるのも、大変なのですが、それだけに、質・量ともにしっかりと聴きごたえがあって、いつまでも心に残る素晴らしいコンサートです。
演舞場の特別公演では、先ず、昼と夜のコンサートが別構成、しかも今回は「日本の名曲」が昼と夜それぞれに、公演の序盤、中盤、終盤と曲の入れ替えもありました。そして、千秋楽の昼と夜も別メニュー、最後がサンクスコンサートです。公演中のコンサートは、60分の一部構成ですが、サンクスコンサートは、シ
アターコンサートスタイルですから、二部構成となっています。一部が60分、二部が80分の計140分です。途中に25分の休憩がありますが、全曲合わせると、なんと27曲!
アターコンサートスタイルですから、二部構成となっています。一部が60分、二部が80分の計140分です。途中に25分の休憩がありますが、全曲合わせると、なんと27曲!
24日間にもわたる長期公演の後に、まだ、これだけの余力を残していらっしゃる舟木さんのパワーとパッ
ションには、本当に驚かされます。驚いてるばかりじゃダメなので、遅ればせながらですが、レポをさせて
いただきますね(笑)
舟木さんのトークを中心にご報告します。 ピンク文字は舟木さんのトークです
プレゼントタイムは、白地に前身ごろは木の葉模様、後ろ身ごろは、大きめのベーズリー風のような模様に見えました。ジーンズに白の布製のようなシューズ。
5月31日の演舞場シアターコンサートでも、女装でプレゼント受け取りのアシスタントとして登場なさったよっちんさんが、今回も、脚線美?を見せて下さった客席がわきました(笑)
明日からちょっと休んで、10月の12、3日から、もう稽古ですからネ。ああいう再演もの(「いろは長屋の用心棒」)は、あんまり決まっちゃうとオモシロくないから変わるんですよね。半年間に3本(長期公演が)だと稽古時間も含めると、芝居づけですよね。コンサートは(今年は)もう何回も残っていないですもんネ。来年は、ちょっと夏休みをもらわないと……
第一部 バンドメンバーとスタッフのリクエスト「WHITE系」
14:00~15:00 (60分)
14:00~15:00 (60分)
白の麻素材のジャケットスーツ、ジャケットの下は、黒地にゴールド文字「DG」と入ったVネックの半袖Tシ
ャツ( ドルチェ&ガッバーナ)胸にはゴールドのペンダント。ジャケットの袖口は折り上げてカジュアルに・・
ャツ( ドルチェ&ガッバーナ)胸にはゴールドのペンダント。ジャケットの袖口は折り上げてカジュアルに・・
写真集で見つけました。こんな感じです↓
(kazuyanさん動画)
思いがけず 夢にはぐれ
人はいつも 人にすがり
街角は 冷やかに
逝く春を 見つめる
揺れないで 泣かないで
うつむかないで
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい
想い出して 母の胸に
顔をうずめ 泣いた頃を
遠い日の 木もれ陽は
おだやかに よみがえる
季節ごとに 風は変り
季節ごとに 人はめぐり
あのひとも このひとも
振りむけば ゆりかご
出逢いにも 別離(わかれ)にも
ぬくもりはある
いたみ溶かす 愛があれば
ほほえみはくる
人はいつも 人にすがり
街角は 冷やかに
逝く春を 見つめる
揺れないで 泣かないで
うつむかないで
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい
想い出して 母の胸に
顔をうずめ 泣いた頃を
遠い日の 木もれ陽は
おだやかに よみがえる
季節ごとに 風は変り
季節ごとに 人はめぐり
あのひとも このひとも
振りむけば ゆりかご
出逢いにも 別離(わかれ)にも
ぬくもりはある
いたみ溶かす 愛があれば
ほほえみはくる
人はいつも 人にすがり
陽炎の日々の中
とまどいを くりかえす
揺れないで 泣かないで
うつむかないで
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい
ゆだねればいい
1986年の「ふれんどコンサート」のタイトルにもなっている「蜃気楼」、おそらくはこの時に初めてステージで歌われたのだろうと思います。一般向けの音源となって発売されたのは、約15年後の2000で「さよならの朝に」とのカップリングです。
中学生、高校生の頃、大人(の男性)が、夏は麻のスーツを着てるのがカッコイイなぁとあこがれてた。麻
は見た目は、涼しそうですが、そうでもない……でも夏は、人の目にも涼しげなものを着るというのがいい
ですから…
今日は、バンドメンバーのリクエストで「WHITE」系。さすがに御客様が、何を聴きたがっているかよく知っ
てると感謝してます。「WHITE」系は、一部で歌います。昨日は、千秋楽でした。ありがとうございました。
ポケットに右手を入れて・・「みんな旅人」から
みんな旅人 作詩・作曲:上田成幸
「WHITE」収録
http://www.youtube.com/watch?v=kyR5ILf9V_s (kazuyanさん動画)
http://www.youtube.com/watch?v=kyR5ILf9V_s (kazuyanさん動画)
人と話すだけで 疲れるなんてことが
別に不思議じゃない バカな話じゃないか
何気なく笑うほど 俺は大人じゃないし
くちびるをかむほど 若くもないさー
人と人が今日も 息をひそめすれ違う
許しあえるはずの わずかな過去を抱きしめ
「WHITE」収録
胸をふさぐものを
ひとつ重たいものを
抱いて歩く 生きる
そう……誰もがきっと
にぶい都会の陽ざし
つかれはてた愛
ゆれて男と女 ~糸車~
止める恐さ 若さ
立ちつくして負けて
ひとつ重たいものを
抱いて歩く 生きる
そう……誰もがきっと
にぶい都会の陽ざし
つかれはてた愛
ゆれて男と女 ~糸車~
止める恐さ 若さ
立ちつくして負けて
鉄の扉あけて
旅に出ようと決めて
軽いめまいの中
立ちあがれば夜明け
明日という字を掴む
時をかけのぼる
弾むこころが戻る ~糸車~
まるでうそのように
透きとおって止まる
旅に出ようと決めて
軽いめまいの中
立ちあがれば夜明け
明日という字を掴む
時をかけのぼる
弾むこころが戻る ~糸車~
まるでうそのように
透きとおって止まる
好きなレコード廻す
シャツをぬぎすてる
白いこころが戻る ~糸車~
シャツをぬぎすてる
白いこころが戻る ~糸車~
「蜃気楼」は誰のリクエストだったかというと、舞台監督とミキサー、「みんな旅人」は、サコちゃんとリカ子、「~糸車~」は・・・・とそれぞれ、リクエストされた方を発表。
「WHITE」は、イイ・ワルイじゃなく、作っておいてよかった…時期的に前のめりで、早すぎた感じもするんですが…今、歌う方がいいかも…と思うので・・
私、昨日までで、くたびれ果てました、今日は時間を忘れて歌わせていただきます(大きな拍手)
さて、この「29小節の挽歌」は、作ってから、ちゃんと歌えるまで10年か15年かかった歌…と
(1980年アルバム「29小節の挽歌」収録/1997年シングルCD「君へ心こめて」カップリング)
どんなに呼んでも とどかぬ昔へ
もう遅いと知りながら 口ずさむ挽歌
追いつめてつかみきれず 死なせた幸せ
立ちつくすだけの 二人に出来た事は
せめてさよならに 愛を込めて泣いて
もう遅いと知りながら 口ずさむ挽歌
追いつめてつかみきれず 死なせた幸せ
立ちつくすだけの 二人に出来た事は
せめてさよならに 愛を込めて泣いて
想い出とぼとぼ すまなさばかりで
ただ寒々時をうつ 夜更けが背中で…
もう夜明けとほぞを噛む 空箱ふやす
冷えた唇にのせる つぶやきはひとつ
俺だけのために 生まれてくれたひとへ
たとえ浅くとも 冬よりは春を
祈りを集めて 燐寸をかざせば
ただ細々影をひく 出逢いと別離と…
過去に裁かれて生きる 俺はそれもいい
何よりも今は はるかなひとの胸に
二度と苦しみの ないことを願う
何も見えない どこへも行けない
ただはるばる投げあげる なみだと残り火
何よりも今は はるかなひとの胸に
二度と苦しみの ないことを願う
何も見えない どこへも行けない
ただはるばる投げあげる なみだと残り火
たかが涙だろ さわぐこともない
生まれた日から 男だよ
女はつらい はやりうた
ひとりの俺に 似合うのは
つっぱり1/2(ハーフ) 斜-me-節
くやしいね あいつ気がかりだよ
れ・く・い・え・夢 作詩・作曲:上田成幸
「WHITE」収録
~スタンディング~
嘘も真実(ほんと)も 見えないまま
若さに酔いつぶれ
うつら・うつらと揺れて ゆりかご
ーー帰らぬむかし
流れてひとつ はしゃいでひとつ
なくしたものと 手にしたものと
つなぎ合わせてみる
淋しさついでの夜明け
最終便にこぼれた乗客(きゃく)へ
とどくのは……寒さ
「日本の名曲」というのを、このところ歌っていますが、いつも来てくださるお客様ではない一般のお客様に、さりげなく聞いていただくためには、多少の説明もしないといけない…色んな歌を、最近歌ってますが
いいですよネ。間違いない…お客様の耳は確かです。
こんなしんどいリクエスト、誰だろう?…えっ、ミキサーチームのボスです!(笑)
けどね、この歌がいいというのはカオに似合わない、イヤんなっちゃうよな、まァ、いいや(笑)
けどね、この歌がいいというのはカオに似合わない、イヤんなっちゃうよな、まァ、いいや(笑)
END-FIN-FINE(ラストシーン) 作詩・作曲:上田成幸
「WHITEⅢ」収録
「WHITEⅢ」収録
わたしひとり 旅の果て
醒めたまなざし 冷えた愛
空の碧さ つきぬける
見つめすぎたと気づくのが
求めすぎたと気づくのが……遅すぎて
求めすぎたと気づくのが……遅すぎて
あの人ごしに 春は逝き
わたし ぽ・つ・ん 海の果て
見知らぬ異国(くに)の 潮風(かぜ)の中
肩の陽射し 昼さがり
わたし ぽ・つ・ん 海の果て
見知らぬ異国(くに)の 潮風(かぜ)の中
肩の陽射し 昼さがり
End・Love 作詩・作曲・上田成幸
「WHITE」収録
「WHITE」収録
http://www.youtube.com/watch?v=7JXy8jtGKZA (kazuyanさん動画)
俺は 大人になった
さよならなんて そんな言葉で
愛を過去には できない
風は五月 うしろ姿の
春は哀しく 遠く
出逢ったことを 悔やみきれない
二人だけが 揺れる
できることは 尽きたよ
終わりなんだね
今は君に夢を ひとりぶんの希望(のぞみ)を
ここで、ジャケットを脱いで、半袖のTシャツになって「つばさ」を…
つばさ 作詩・作曲:上田成幸
「WHITEⅡ」収録 /1983年4月シングルEP発売
http://www.youtube.com/watch?v=jck3fj8mKKo(kazuyanさん動画)
何を夢みて 俺は今旅立つ
ざわめきに消えた 春の短さ
にぎりしめて 涙 ぬぐえば
空は 空は ただーー夕やけ
時のままに 人は流れて
過ぎた季節を 花をふといとしむ
あのひとに友に 告げたさよなら
にぎりしめて 涙 ぬぐえば
空は 空は ただーー夕やけ
過ぎた季節を 花をふといとしむ
あのひとに友に 告げたさよなら
にぎりしめて 涙 ぬぐえば
空は 空は ただーー夕やけ
”欲しいなァ つばさ”
つばさ深く 抱いてとびたい
高く 遠く ただーーはるばる
なつかしい歌も 友の笑顔も
つばさ深く 抱いてとびたい
高く 遠く ただーーはるばる
つばさ深く 抱いてとびたい
高く 遠く ただーーはるばる
では、一息入れてください!
少年のような清々しい笑顔の舟木さんでした。
~休憩 (25分)~
一旦、幕が降りて休憩になりました。「WHITE」は、私もそうですが、ずっと舟木さんから離れてしまっていた「復活組」の多くが、舟木さんと再会して、存在を知って、最初にズッポリとハマってしまう舟木さんご自身の作詩・作曲の「作品集」ですから、その離れてしまっていた時間、歳月を、おそらくどなたもご自分なりに埋めようとする気持ちで聴くのだと思います。私も全く、そうでした。それぞれが自分の琴線に触れる「お気に入りWHITE」という作品があるのですよね。
私の場合は、どれもこれもステキで、甲乙つけがたい中で、「れんげ草」に惹かれました。人並みに恋をした女性なら誰もが、身に覚えのある切ない想いが、これほど繊細な言葉の世界で描ける舟木さんの想像力に驚かされ、女の私にもかけないような女性の心の奥底を見透したような詩がかける舟木さんを、ただものではないと思いました(笑)女性としては、「悔しい」という気持ちもおぼえたほどです。
バンドの皆さん、スタッフの皆さんが、「お客様の聴きたい歌をよく知っている」と感謝の気持ちをこめておっしゃった舟木さんですが、本当に、客席の、ことに女性ファンは、どなたも喜ばれたことと思います。
「君へ心こめて」「つばさ」についての質問に答えて、「WHITE」系の曲について、「写真集 瞬華愁透」の「華」(2010年7月刊)で、以下のように話していらっしゃいますのでご紹介させていただきます。
~その歌に限らず<WHITE>系の作品というのは……アルバムに入っているいないかは別として、その時期に作った作品群は、そのときの自分に対する苛立ちとかね、”だからさ、違うんだよ”という想いというのがベースになっている。じゃなきゃ、自分で書いたりしないよ(笑)
だけど、年月が経つほど響く歌になっていくと思えるのは、何もこの2曲だけじゃなくてね。「End・Love」だってそうだし、あの歌詞は40歳のときより、50歳、50歳のときより今……の方が響くに決まってるんだよ。先がなくなればなくなるほど、響く。そういうところは……ほかの作品も含めて、実は40代ではあんまり唄っていないんだよ~
だけど、年月が経つほど響く歌になっていくと思えるのは、何もこの2曲だけじゃなくてね。「End・Love」だってそうだし、あの歌詞は40歳のときより、50歳、50歳のときより今……の方が響くに決まってるんだよ。先がなくなればなくなるほど、響く。そういうところは……ほかの作品も含めて、実は40代ではあんまり唄っていないんだよ~
聞き手:痛すぎてですか?
~うん、ちょっと……生すぎるよな、と~
聞き手:距離を置けない?
~唄ってて、歌い手が先に潰れちゃうだもん。「29小節の挽歌」なんて、その代表選手だけど、それじゃダメだよな。作ってステージに乗っけたはいいけど、最後まで辿り着けた試しがない。こりゃダメだ……と。
俺がそうだということは、お客さまは辛過ぎて聴いていられないだろ。だから、”ちょっと置いておこう”と。
俺がそうだということは、お客さまは辛過ぎて聴いていられないだろ。だから、”ちょっと置いておこう”と。
ま、何年モノになるか……という感じで(笑)
聞き手:熟成させる…
~それで、10年くらいかなァ…経ってから、あるステージでポツッと乗っけてみたら、どうやら踏ん張れるようになってきた。最後まで辿り着けるようになったということは、あとはいかに軽くしていくかという作業になっていく。そのくらい、あの頃の作品たちというのはね。レベルが高い・低いの問題じゃなくて(笑)想いが強いんだよ~
舟木さんの「WHITE」への想いを、こうして、あらためて確認させていただくと、舟木さんが「作っておいてよかった」とおっしゃったことの本当の意味が、いくらかでもわかるような気がしてきます。
「WHITE」は、舟木さんの青春の軌跡でもあり、ある意味、ご自身の歌い手としての成長を確かめる教則本のような位置づけでもあるのかも知れないと、私なりに感じとりました。
「最後まで辿り着けるようになった」段階から、「いかに軽くしていくか」という作業・・・こういう感覚は全ての芸能者、表現者に共通する「願い」「目標」なんだろうと思います。
噺家さんの落語のネタひとつでも、同じことが言えると、思います。噺を覚えて、人様の前で演じるレベルにまで精進する。そこまででやっと、スタート地点に立ったということでしょう。それからが、プロにしかわか
らない苦しい葛藤や闘いが始まるのですね。あくまで「聴く側=受け手」があっての舞台人なのですから、自己満足に終わってはいけないのですね。常に、受け手の耳目、心をセンターに置いて舞台に立つ心がけというものが、舟木さんの言葉から、伝わってきます。
写真の素晴らしいお花は、公演中に、毎回、プレゼントをなさった舟友さんの花束です。
第二部のご報告は後ほど・・・