舟木一夫コンサート2013 7月26日・27日 中日劇場(12:30/16:30)
二部構成で休憩30分はさんで115分。全28曲という、舟木さんらしいギッシリと歌とお喋りが詰め込まれた中身の濃さでした。
7月26日昼の部をメインにしてれぽします。以下舟木さんのMCはピンク文字です。
一部(45分 12曲)
黒のタキシード、パンツのサイドにはシルクサテンのようなライン入り。蝶ネクタイ、黄色のバラ。
オープニング
~燦めく星座
~燦めく星座
もう夏もド真ん中、一年の真ん中の土用で一番大きな土用。明日も土曜です(笑)土用に「ウナギカズオ」を見る!!(爆笑)今日は、一部、二部通して抒情歌系、B面っぽいものなどを・・
あゝ青春の胸の血は
仲間たち
君たちがいて僕がいた
あんまり細かくジャンルを分けなくてもいいんですが、この3曲は「学園もの」よりちょっと先をいってる。「赤い夕陽」「汽車はゆく」とか具体的な言葉は出てこない。「学園広場」までで、ひと区切りだったんでしょう。デビュー当時の歌はローカルな歌。都会の高校ではない。フォークダンスも都会の高校ではあまりやってなかったような・・・こういう機会に、名曲なのになぜか、A面でなかったり、他の歌い手さんとのカップリングの片面だ
ったりで、なかなかステージにあげられなかったものを・・と『貝がらの唄』から3曲続けてといずれもみっちりスリーコーラスでした。
ったりで、なかなかステージにあげられなかったものを・・と『貝がらの唄』から3曲続けてといずれもみっちりスリーコーラスでした。
貝がらの唄
(雑誌「平凡」懸賞当選作詩)
(雑誌「平凡」懸賞当選作詩)
夕月の乙女
http://www.youtube.com/watch?v=ALar_d-HlLs 舟友さんの動画でお楽しみ下さい
木挽哀歌
木挽哀歌
詩もメロディーも美しく情景や景色が見えてくる。こういうタイプの歌は、今だともうできませんね。特にもうこんな詩の世界はできない。・・・詩はお姉さん、曲は妹と昔から言われてきたように・・と舟木さん。
これらの3曲はデビュー1年目から2年目の頃のB面の曲ですが、当時の音源を聴いてみても舟木さんの繊細さや清潔さが生かされている名曲だと思います。『貝がらの唄』は波音がハープのような響きで聞こえてくるようです。愛唱歌の『椰子の実』(名も知らぬ遠き島より流れよる 椰子の実ひとつ)を想わせる世界です。『夕月の乙女』は初恋とも名づけられないほどの淡い仄かな想いを互いに胸に秘めたまま、名も告げあわずに、「さよなら」という言葉だけを交わしあったという幼いふたりの姿が夕月の薄明かりに照ら出されている美しい光景が目に浮かびます。『木挽哀歌』はひなびた山里の寂寥感とそこにつつましく生きている若者たちの暮らしの中で芽生えた素朴な恋心を歌った秀作です。
50年もやってると喋ることがなくなってくる。時事問題は歌い手はどうもねー・・新聞も楽しい記事は書いてないでしょ。だからあまり新聞は読まない。新聞で正確なのは日付だけ(笑)今、喋りながら思ったんですが、このホールの親会社は中日新聞!(笑)出入りキンシになる(笑)(後ろのバンドを振りかえって)次は何歌うの?まぁイントロが出ればわかります。(イントロが流れる)イントロ聴いても全然わかんないよ!・・・とちょっと遊んでから『今日かぎりのワルツ』へ・・
今日かぎりのワルツ
たそがれの人
前の3曲よりも都会的というか、同じ青春を歌っていても全く別の風景・・・『たそがれの人』は20歳の時の歌。あの頃は「♪君の横顔 素敵だぜ♪」・・・と歌ってみて・・・こんなの言ってみたかった(笑)
あたしは女になったことはないので、女の子が夢みるものもわかりませんが、男の子は~僕なんかおふくろが9人も変わってる、その変わり目の空白の間、親父が僕を連れて遊郭へ・・・7つ8つの頃は、しょっちゅうキャバレーへも連れていかれた。煙草の煙が朦々としてて・・と煙草についてのエピソードを・・映画『北国の旅情』の中で咥え煙草で原稿を書くシーンがあって、その時から11年前までヘビースモーカーでした。・・・と・・「嫌煙家」の私としては、今はやめられて本当に良かったと思ってます。舟木さんとの「再会」が煙草を止められてからで、私にとってはいい時期だったかもです。かなりなヘビースモーカーだったそうですから、よく喉をつぶされなかったことだ
と思っています。よぼど恵まれた喉(声帯)をお持ちなのでしょうね。
あたしは女になったことはないので、女の子が夢みるものもわかりませんが、男の子は~僕なんかおふくろが9人も変わってる、その変わり目の空白の間、親父が僕を連れて遊郭へ・・・7つ8つの頃は、しょっちゅうキャバレーへも連れていかれた。煙草の煙が朦々としてて・・と煙草についてのエピソードを・・映画『北国の旅情』の中で咥え煙草で原稿を書くシーンがあって、その時から11年前までヘビースモーカーでした。・・・と・・「嫌煙家」の私としては、今はやめられて本当に良かったと思ってます。舟木さんとの「再会」が煙草を止められてからで、私にとってはいい時期だったかもです。かなりなヘビースモーカーだったそうですから、よく喉をつぶされなかったことだ
と思っています。よぼど恵まれた喉(声帯)をお持ちなのでしょうね。
東京は恋する
くちなしのバラード
花咲く乙女たち
くちなしのバラード
花咲く乙女たち
休憩(30分)
二部(70分 16曲 )
渚のお嬢さん
夏子の季節
~スタンディング(「夏子の季節」でサインボール打ち)
夏子の季節
~スタンディング(「夏子の季節」でサインボール打ち)
二部の幕開けは、黒のベスト付き風のシャツに黒のパンツというジャケットなしの軽装で登場。最初っから『渚のお嬢さん』でスタンディングでした。この日は『銭形平次』ではなくって『夏子の季節』でサインボール打ちでした。ボール打ちが終わると・・・
あ~、もう十分疲れたから 二部はこれで終わりましょうか・・・オープニングにこの曲は真夏しかできない。日本の四季はいいです。でも近頃は四季がないというか年中なんでも食べられて季節感がなくなった。僕はそういうのはダメ!何でも旬がいい。舟木一夫なんか今が旬です(笑)と云ってから「どうも すんずれいしました。」(ペコリ)と頭を下げてみる舟木さん、なんてキュートなの!
体力の衰えはどうしようもない。特に健康のための運動もなにもしてません。歩くのも遅い「テレンコ軍団」パチンコに行く時もブラブラ歩くのでみんからひとりだけ遅れる。歌い手も年がら年中「一生懸命」は気持ちが悪いですよね。何十年もやってる人が、あんまり年がら年中、一生懸命は聴いてる人も疲れるでしょ・・イントロ聴いても曲がわかんないって・・(『今日限りのワルツ』の時のこと・・・そろそろ危ない(笑)まあ高校三年生が、来年は70(才)になるんですから・・こんなおじいちゃんをようこそ見物に(笑)・・・と言葉とはうらはらにとってもいい笑顔の舟木さん。この幸せそうな笑顔に何度でも逢いたくなって来ちゃうんですよね。
暑いけどガマンして着ます。可愛らしいピンク・・と淡いサーモンピンクのジャケットをはおる舟木さん。上品なピンクがとってもお似合いです。どう見ても70才のおじいちゃんには見えません。ご本人だって、内心はそう思ってますよ、きっと(笑)
北国の街
ブルートランペット
友を送る歌
こんなにコンサートをやっているとメニューが・・もう歌う歌がない!来年からは以前から云っているようにぼちぼち「日本の名曲」を~色っぽいところでは『宵待草』、硬派では『荒城の月』、『月の沙漠』などどいうものもワンコーナーで入れていこうと・・3.4年歌っていったら結構な数を歌えるかな・・とせっかくの「日本の名曲」だから誰が歌ったっていい・・・「日本の名曲」を歌い継いでいきたいという舟木さんの意思は素晴らしい。きっと舟木一夫にしかできないライフワークだと云う自負がおありなのではないかと思います。
歌手は「この歌がいい」と思う歌がたくさんあればあるほど嬉しい。ヒットした歌がパワーがあるとは言えない。ステージにのせるとパワーが出る歌というのがある。この2曲は5本の指に入る名曲。「柔」はひばりさんでなくちゃ雰囲気出ないでしょという歌もある。これは舟木一夫だろうと歌をふたつ並べて・・・と『哀愁の夜』『高原のお嬢さん』を・・
哀愁の夜
高原のお嬢さん
高原のお嬢さん
フルコーラスもたまにやらないと忘れちゃう。TVは一番、三番。でも『君たちがいて僕がいた』の三番は「大人になるのはこわいけど」って、今あたしが歌えば「こわすぎるだろ、オマエ!!」(笑)
30代半ばくらいになってきた時、できてくる歌が自分の気持ちの寸法に合わないようになってくると自分の詩やメロディーを書き始めた。歌い手としての自分を追いつめていたんでしょうね。こんなタイプの歌も歌っていたんだなぁというところをふたつ・・・と・・『浮かれ笛』はポケットに手を入れてラフな感じで・・この2曲は舟木さんのアダルトな渋みがとっても素敵に感じました。
浮かれ笛
斜-me-節
斜-me-節
ワケのわかんない歌を2曲お聴きいただきました。こういうコンサートではヒット曲だけ並べればパワーが出るという訳ではない。歌い手の時期(年令)とお聴きいただく側のキャリアによって構成が変わってくる。昔の舟木一夫の声ってたまに聴くと丸っこい甘ったる声で今聴くと気持ちが悪い。え~っこんな声で歌ってたの!?昭和42年の紅白の『夕笛』の録音を聴いて「ヘタクソ!」と思った。『高校三年生』なんていうのは、18才の時がいいに決まってる。18才のを超えられるわけがない。歌っていけばいくほどよくなるというものではなくて、若い時のほうがいいに決まってるものもある。今はこんなになっちゃったというところの歌を・・
高校三年生
修学旅行
学園広場
修学旅行
学園広場
・・歌い終わってから・・さっき(「今はこんなになっちゃった」というところで)笑ったお客様、御自分の状況をわかってらっしゃるんですか(笑)ハ・ハ・ハ・・とにかく行けるとこまで行くしかない。70才でこれだけの分量を歌っているのがヘンなんです。流行歌は時代を背負ってる。業界の噂によるとあたしは60代のアイドルなんだそうです。納得ができるところまでトボトボといきます。こんな歌い手にここまでお付き合いいただいんたんですから、もうあきらめて、これからも付き合っていただけたら・・ラスト3曲は「涼やかな」という表現でまとめられた、舟木一夫抒情歌の世界の決定版でした。
絶唱
夕笛
夕笛
初恋
アンコール (淡いバイオレットのジャケット)
~恋唄
~恋唄
私にとってこれらラストの3曲とアンコールの『恋唄』のラインは最高に嬉しいものでした。しかも『初恋』がラストというバージョンは私には初体験。堂々たる抒情美の世界。西条八十作詩の『絶唱』『夕笛』に島崎藤村作詩の『初恋』、そしてアンコールに自作詩の『恋唄』を置かれたのです。八十、藤村の詩歌の世界と並べても決して遜色のない名詩『恋唄』だと思います。
舟木さんは抒情歌を歌える最後の流行歌手としてその地位を不動のものにしていらっしゃることは明白です。舟木一夫にしか描き出せない「日本の抒情美」・・今回のコンサートでラストにこれら4曲を並べられたことで、これから55周年に向けた舟木さんが歌に託した願いのようなもの希望のようなものを示唆しているように感じた私でした。
舟木さんのMCは思っていらっしゃることを飾り気なく率直におっしゃるので気持ちがいいです。今回の舟木さん語録として印象に残ったのは、理想とするステージを「ノーガードで出ていって、ノーガードで終わる」と・・これほど私たちファンを信頼して下さっている言葉はないと思います。聴く側と歌う側の壁はとっぱらって、フラットに一緒に空間を共有して共同作業でステージを作っていくというのが舟木さんの基本姿勢なのだと感じます。
50年歌い手を続けてこられた大スターのポリシーとしてこれほど謙虚でしかも真摯なスタンスが他にあるでしょうか?このスタンスはデビュー当時からの舟木さんの変わらない想いなのだと思います。また、「生きてる」ということは「生まれて死ぬまでの時間つぶし」とも云われました。舟木さんらしい洒脱で一件乱暴な言葉の中に「いかに時間つぶしをするか」という一途で真摯な人の在り様の哲学を感じさせます。私にとって照れ屋で粋な舟木さんの言葉の中から「人生の本質」を拾い出すのも、ナマのコンサートに通う醍醐味でもあります。「舟木語録」これから、どんなお宝名言が飛び出すか楽しみです。
50年歌い手を続けてこられた大スターのポリシーとしてこれほど謙虚でしかも真摯なスタンスが他にあるでしょうか?このスタンスはデビュー当時からの舟木さんの変わらない想いなのだと思います。また、「生きてる」ということは「生まれて死ぬまでの時間つぶし」とも云われました。舟木さんらしい洒脱で一件乱暴な言葉の中に「いかに時間つぶしをするか」という一途で真摯な人の在り様の哲学を感じさせます。私にとって照れ屋で粋な舟木さんの言葉の中から「人生の本質」を拾い出すのも、ナマのコンサートに通う醍醐味でもあります。「舟木語録」これから、どんなお宝名言が飛び出すか楽しみです。
中日劇場へは来年の3月28日、29日にコンサート、10月の終わりから11月にかけては特別公演のスケジュールが入っているそうです。舟木さんがご無理をなさらないようご健康だけをひたすらお祈りするばかりです。