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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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「今はー風の中」~~舟木一夫自作曲によせて その8

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半年ほど前に、「舟木一夫自作曲によせて」というテーマで「その7」まで掲載したのですが、ずいぶん間が空いてしまいましたが、「思いだしたように」今回は「その8」です(笑)
 
                         10月10日の日没頃の散歩の途中で撮った夕焼け空です
 
イメージ 1

 
舟木さんがコンサートのトークで、「作っておいて良かった」とおっしゃるいわゆる「WHITE」系の作品には棘のように心に刺さったまま、年月を重ねても、痛みと共にしか想い出すことのできない、青春時代の1ぺージが、舟木さんならではの、ペンタッチで描かれているものがたくさんあります。
 
これらの曲のほとんどが、「メロ先」だそうですが、曲作りの際の構想そのものは、例えば、ふるさとであったり、友情であったり、恋であったりという、大きなくくりのイメージというのが、一番先にあるのかな?と想像します。
 
イメージ 8
 
詩はともかくとして、曲を作る時の感覚とか基本的な手順というのは、私には、全くわからないのですが、多分、曲の冒頭から作っていくのではなくて、核になる部分のメロディーが先ず、浮かんできて、そこから広げていくのかな?などど想像しています。メロディーを作っていくプロセスで、詩となるキイワードも並行して出てくるのかもしれません。

今回、ご紹介する「今はー風の中」・・・先ずは、kazuyanさんの動画でお聴きくださいね。

今はー風の中  作詩・作曲:上田成幸 
(アルバム「WHITE」収録 1982年6月)
http://www.youtube.com/watch?v=758SzPF7fMM
 
イメージ 2もしも今 ひとつだけ
おもいで 消せるなら
あいつから もぎ取って
投げ捨ててしまった 愛の日々ー
笑顔のかげりにも
気づいて 振りむかず
歩みの速さが すべてといのちだと
激しさばかりを かざして
俺は 生きていた
もしも今 逢えたらと
男の想い……風の中

もしも今 ひとつだけ
おもいで 嘲笑(わらう)なら
あなたには 僕以外
もう見えないはずだと 言ったことー
ひろがる青空の
深さに とまどって
二人は翔びたつ 真似(しぐさ)を繰り返し
うわずる言葉を 頼りに
肩をよせあった
もしも今 逢えたらと
男の想い……風の中
 
ゆるしてくれとは言わない あの頃を
忘れてくれとは言えない
あれはーあれは青春さ
LA・LA・LA・LA………
LA・LA・LA………
 
 
イメージ 4この詩の中身を読み取ろうとすると、ちょっと難しいなぁ・・・
私が、ひっかかってしまったのは、一番の「あいつ」って誰?男性なのか女性なのか・・・です。

そこで、私が想像する、3つのパターンをちょっとまとめてみました。あくまで独断と偏見と勝手な想像にすぎませんので、「お遊び」感覚で、軽く読み流してくださいね(笑)

 
 
 
 
~読み解き、その1~
 
二番の「あなた」は、ほぼ確実に女性なんだと思うのですが、ナチュラルに読み取るなら、一番の「あいつ」も同じ女性かな?呼び方を変えただけ?・・・となると、あるひとりの女性との青春時代の苦い恋を詠ったものですから、そのまま、読み取って、ひっかかる必要はないってことになりますね。
 
 
~読み解き、その2~
 
イメージ 5あるいは、一番の詩と二番の詩とで歌われている内容は、「ひとつのことがら」を違うアングルから詠ったものなのかな?
例えば、私が想像したのは、「男性ふたりと女性ひとり」の物語・・三角関係で「勝者」となった側の男性が、過去の自分を省みて、若い日の自分の「歩みの速さが すべてといのちだと 激しさばかりを かざして」いたことで、親友や恋人を自分でも気づかないうちに傷つけていたのかもしれないという苦い想い。
一番が、恋のライバル(設定は親友とします)の男性へ向けて、二番が恋人である女性へ向けて・・・
そして、「あなたには 僕以外 もう見えないはずだと 言ったことー」って自信満々です。若いなぁ(笑)「おもいで 嘲笑(わらう)なら」と自分自身でもその頃の自分の自信過剰に呆れているんですね。
 
 
イメージ 6~読み解き、その3~
 
みっつめの読み解きは、一番の詩と二番の詩は、オムニバスのように、異なったことがらをそれぞれに詠ったもの?という解釈です。「もしも、今逢えたらと」・・青春時代に出逢った、彼、あるいは彼女に、逢うことがあるならば・・・あれはーあれは青春さと「未熟さ、情熱、愚かさ」など全てひっくるめた「僕たちの青春」だったんだと、せめて伝えたいという、ラストのフレーズが、テーマになっているという意味では、その3の読み解きでいいのかな?などど思ったりします。
 
 
 
イメージ 7
 
 
ワンコーラス目、ツーコーラス目で、過去の自分の若さゆえの傲慢さや性急さ、多分、男性なら誰しも思い
当たる悔恨の想いを詠っているのですが、ラストで、思いがけず意表をついてくるフレーズがくるのが鮮烈
な印象を与えます。
「ゆるしてくれとは言わない あの頃を 忘れてくれとは言えない あれはーあれは青春さ」と・・・
こういう結び方をする舟木さんってスゴイなぁ!と思わずにはいられません。
どこまでも「青春」のシンボルなのですね。
 
 
イメージ 3

~オマケです~
 
あなたへと 束ねた愛を
  胸深く 埋める午後は
    高々と 季節風(かぜ)
 
晩秋(あき)の空 思い出のいろ
 この腕に 揺れた黒髪
 さらさらと こぼれた吐息
 ただ熱く はるかなばかり
  恋しいと たどれば
          おぼろ
あなたへと 今日もひとすじ
 くちびるを つたう恋歌

            KAZUO
 
(2003年 「風 アダルトに」パンフレットより)
 
 
 

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