祝!デビュー53年目スタート
「月刊 歌の手帖」ブログにも「春はまた君を彩る」オリコンランキング「演歌チャート2位」の情報がアップされています
舟木さんは「月刊 歌の手帖8月号」の表紙・巻頭に登場とのことです。発売日は7月21日
「祝・デビュー53年目 その1」では、舟友のkazuyanさんのお祝いエール動画「風」「少年いろの空」(1974年ライブ音源)をご紹介しました。
「その2」では、舟木さんのデビュー5周年記念に発売された写真集(近代映画社)の中から、当時の舟木さんが「歌」への熱い想いを綴られた詩「わが愛 わが歌」と「特別手記」(一部抜粋)をご紹介します。
デビュー5周年記念写真集
わが愛 わが歌 舟木一夫
なぜときかれても
ぼくには答えようがない
幼い日 神様と交わした
ちいさな約束
運命がぼくの未来に
置き忘れていった贈りもの
ぼくには答えようがない
幼い日 神様と交わした
ちいさな約束
運命がぼくの未来に
置き忘れていった贈りもの
歌の中に ぼくのすべてが在る
ひとにぎりの愛
――そのよろこび
ひとにぎりの命
――そのかなしみ
ひとつのメロディーが
大空に吸いこまれていくとき
ぼくの人生は
キラキラと風に走るメルヘンだ
雲が描いた恋文のように
遠い過去の思い出は消えても
この世に太陽がある限り
けっして滅びないもの
――それは愛
――それは歌
特別手記の一部を抜粋して掲載します。
仕事に対する ボクのファイトだけは 信じて下さい~ 特別手記 舟木一夫
3か月ほど前のある日のことだった。
「歌い手になってから5年間の出来事や、考えたこと、感じたことを自分の手で書いてみないか」とまったく突然に、そして半ば強制的に近代映画社のイジワルなS氏がボクに言った。
「しまった!」
おだてられて、へたくそな詩などをあれこれと書いたりしなければ、こんなハメにはおちいらずにすんだのに…と悔やんだがもう遅い。~中略~
「歌い手になってから5年間の出来事や、考えたこと、感じたことを自分の手で書いてみないか」とまったく突然に、そして半ば強制的に近代映画社のイジワルなS氏がボクに言った。
「しまった!」
おだてられて、へたくそな詩などをあれこれと書いたりしなければ、こんなハメにはおちいらずにすんだのに…と悔やんだがもう遅い。~中略~
昭和38年6月5日ボクはレコード歌手として、またテレビタレントとして芸能界にスタートをきった。
まず、この世界に入って驚いたことは、常識的な年齢差別があまりないことだった。10年前からこのこの世界にいようが、昨日、今日、デビューしようが、いったんステージに上がったら、そんなことはおかまいなし。一番お客様に喜ばれたものが勝ちである。
うすうす、そうしたことは判っていたが、これほどキビシイものだとは思っていなかった。デビューの日から、ある時は楽しく、ある時は悲しい一種の戦いがはじまった。
うすうす、そうしたことは判っていたが、これほどキビシイものだとは思っていなかった。デビューの日から、ある時は楽しく、ある時は悲しい一種の戦いがはじまった。
ボクは男だ。戦いには勝たねばと思った。そして、この戦場で半年が過ぎたころ、ある先輩から「新人賞」と名づけた大きな「槍」を贈られた。一目、この「槍」を見たとき、ボクは「しめたッ!」と思った。素手よりは武器を持っていたほうが戦いは有利に決まっている。
しかし、それは、まさに一瞬の歓びにすぎなかった。うやうやしく受け取ったその「槍」は芸能界に誕生してまだ半年のボクが持ち歩けるほど軽くはなかったのだ。
重荷だとわかったが、捨てるわけにはいかなかった。この時から、ボクにとっての戦いの相手は他人ではなく「新人賞」の対象になった「高校三年生」というヤツが「テキ」になったのである。
デビューして1年たったころ、ボクはマスコミというとてつもない大きな力をもった台風に出っくわした。いや、最初からその台風の中で自分が育っていたということに、1年たってから気がついたといったほうが当たっているかもしれない。
とにかくボクは、この台風に息もできないほどの苦しさを感じた。そんな状況の中で「高校三年生」という大きな「テキ」を倒す「体力」と「気力」をはぐくむのに丸3年間かかった…
そう「絶唱」の歌と映画のヒットまで3年という長い時間が…
やっと宿敵を倒してホッとしたところへ、また先輩から贈りものが届けられて来た。包装紙に「歌唱賞」と書いてある。開いてみると、3年前に手渡された「槍」に勝るとも劣らない立派な「楯」が入っていた。正直言ってゾッとした。
「槍」よりもはるかに重いに決まっている。そして、それから2年がたった。残念ながらこの「楯」は今だに持ち上げることが出来ずにいる。
それのみか、「楯」を手にした瞬間、今度は「高校三年生」よりも強い力を持った「絶唱」という、新たな「テキ」が出来てしまった。
この「テキ」にも、まだ勝つことが出来ていないし、いつ勝てるかもはっきりとは判っていない。
以上がボクが歌手として純粋に仕事の上で感じてきたことで、5年間にたったこれだけしかない。
この文章を書かれた当時は、まだ23歳。その時点で、デビュー当時の心境や「新人賞」を受賞された時のこと、そして「絶唱」で当時最年少記録の歌唱賞を受賞された時の気持ちを回想して書かれた文面ですが、拝見していて、今の舟木さんとなんら変わることのない全く浮かれたところのない悲しいほどにひたむきな胸の内であることに驚きと感動を覚えます。
今の舟木さんの御活躍と進化し続けるステージを拝見している私たちファンの目には、舟木さんがご自身の中で「テキ」という言葉で、歌い手として「それを超えることを」目標となさってきた「高校三年生」も「絶唱」も含めて、今は、既に、その懐にすっぽりと包み込んで、「歌の旅路」をさらに遠くへと、またその高みへと、邁進し続けていらっしゃる姿がはっきりと見えていることは間違いありません。
シャクナゲが朝まで降っていた雨の露を宿してきれいでした。近くの神社の境内にて
地元一宮での映画「高校三年生」のロケ風景
同じく映画「高校三年生」ロケの合間のスナップのようです
映画「絶唱」の西河克己監督と撮影スタッフとの記念写真
映画「絶唱」の奥多摩ロケの休憩中
明日6月5日のデビュー記念日は神戸こくさいホールでのコンサートです
関西では初の2015 舟木一夫コンサート 大盛況を祈ります