「速報!」でも、お伝えしましたが、12月11日の夜の部、一部のお芝居終了後、二部のコンサート開演までの休憩時間にアクシデントが発生し、一時間遅れで開演となりましたが、その間の「つなぎ」は座長である舟木さんご自身の軽快でユーモアあふれる楽しいトークタイムになりました。
既に、前半のステージ衣装、(タキシードの上衣は脱いだスタイル)に着替えたステキな舟木さんが登場!
緞帳前で、20分余りだったかな、次から次へと、長い舞台経験ならではのエピソードをご披露下さいました。ちょっとした「トークショー」並の、図らずもファンにとっては「サプライズ」でした。
開演時刻を15分くらい過ぎた頃に舟木さんが緞帳前に登場。いつものように、メモをせっせととらせていただきましたが、聞き漏れ、いくらかの聞き違い部分も多々あるとは思いますのでご了承ください。プレイバック?させていただきます。
舟木さんの幕前トーク 12月11日 夜の部 70歳最後のステージ直前のレアなお喋りです
舞台の機材トラブルがありまして、長らくお待たせしております。 日頃の行いがワルいからでしょうか…たまにあるんですよね。過去二回ほどありましたね。たまには緞帳の前もいいものです。
まあ、今日の公演はちょうど中日辺りになるのですが、明日は71、デビューした当初は、50何年も歌を歌っているとは思っていませんでしたから、 高校三年生もえらいことになってますが…私はこうやって明るい客席見ることがないので…年齢層がわかるんですね(笑) たまに覗くと、舞台の横から覗いてるんですが面白いですよ。眼鏡かけてパンフレットを見ていても、開演のブザーがなるとサッと眼鏡を外してと、すましていらっしゃる(笑)
我々の世代のお客さまの間の共通の話題が歌とか芝居になるんですよね。これは言葉でいくら言っても伝わらないこと。
他の歌手の方は、何回も「ありがとうございます」と言いますが… 昔、よく言われました。シゲちゃんのステージはそっけないからね…でもそのそっけないのがシゲちゃんのステージなんだよね…と(笑)
当時はステージではテープが何百本も飛んでくる…紙ですから受けるのに、手が切れるんですよね。お千代姉さんの目に当たっちゃって失明寸前にまでなったことがありました。それから芯を抜いて投げるということになりましたが、芯を抜いたら飛ばないんで、お客さんもつまらなくなってイヤになったんでしょう、自然になくなった…
僕らが気をつけることは、どんなステージもナマで歌うこと。二十代の頃には公開録音、スタジオでやるときは口パクというのもあった… スタジオで「高原のお嬢さん」なんかだと白樺のセットの間からカッコよく出てくる…ワイヤレスも無くて、原盤を使っていますからで何回もリーフ、リーフと歌ったりして(笑)テープというのはひとつの手段なんですが外国のタレントさんが来た時に使い始めたんです。
20代の時に明治座でやっているときに舞台のセット転換のために花道七三で二曲テープで歌ってくれといわれました。明治座は当時、飛行機が飛ぶとその音で聞こえなくなる…突然音が無くなってしまった。拍数を数えながら歌ってましたが半拍違いで音が戻って…何とか合わせて歌いました。
いろんなことがありましたが…歌詩を忘れることはあるんですがメロディを忘れたことがあるんですよ。20代のとき、国際劇場で日本調の歌でしたが、よっぽど疲れてたんですね、まあいいやと思ったら口が勝手に歌って四小節でつながりました。
吉衛門さんは、立ち回りで刀を払って切る時に刃が当たるのがいやなんだそうです。「鬼平犯科帳」なんかで刃が折れたのを見た時はよほどレアなんですね。
さっきのせんべいじゃありませんが~「気ままにてござ候」でおのぶさんががおやつに持って来たおせんべいを食べたら、かけらが座敷牢の外に落ちてしまったので舟木さんは手を伸ばして牢の外のせんべいを拾って食べました(笑)~せんべいが勝手に違うところに落ちるんだもん…こういうのを「消えもの」というんですが…せんべいは咽喉に粉が入るとむせるんです。せんべいが割れるとせんべいツー…餞別の洒落?(笑)
せんべいを拾って食べたら、葉山葉子ちゃんの目がニヤッとしてました(笑)
せんべいを拾って食べたら、葉山葉子ちゃんの目がニヤッとしてました(笑)
この間、八重子姉さんがセリフ忘れちゃって「ゴメンネ、ちょっと停電しちゃった」なんて言ってました。
舞台はナマモノですから色々あるんです。さっき出てた坂西さんが南座の「月形半平太」の舞台の時にいきなりセリフを忘れた。月形(舟木さん)は後ろに出てる。袖で「 倒幕、倒幕…」 と言っても本人は頭が真っ白になっているから聞こえない。そしたら一番前のお客さんが「 倒幕、倒幕」と(笑)お客さんのほうがセリフを覚えていたんですね。これ実話ですよ。
今回も箒の首が飛ぶんですが、そこに~客席一列目を指さして~転がりまして。でもご迷惑を掛けなくて良かったです。
喧嘩安兵衛の舞台では「鯨のひと吹き」と言って口に水を含んで霧を吹く場面があってそれが判ってからそこの席の方が売れる(笑)
昔、たまたま明治座で大川橋蔵さんの舞台を後ろの方で見てた。二丁十手の銭形平次~カッコいいポーズを真似する舟木さん~をなさっていたときグレーの和服をお召しになった年配のお客様が花束を持って橋蔵さんの動く方に合わせて右左に動かれる。とうとう橋蔵さんは十手を納めてその花束を取りにいって、舞台の床間に置いてからまた続きをやった(笑)
ナマの舞台はレアな部分でお客様に喜んでいただけるんですね。
地方巡業に行ったとき、当時は雑誌の付録に「歌本」というのがあってそれを見ながら聴いているお客さんがいるんですね。歌詩を間違うと「歌本」見ながらニヤッとなんて…
デビュー当時はあの髪型が客席にズラッと並んでる…あれは不気味でしたね。
頂きものは1ヶ月公演なんかでは、お米も…昼メシにしろ…ということですかね(笑)一番困ったのは、3年くらい前の中野サンプラザで山芋を頂いたとき。デカイし新聞紙に包んであるのをどうやって持とうかと(笑)持ったら真ん中から折れてしまって…
かれこれ20分くらい経って、舞台袖から舟木さんにお知らせが耳打ちされて
それでは、7時15分から開演できるそうです。
と引っ込まれました。さすが舟木さんの話術はスゴい!普段から自在にステージでおしゃべりされていますから見事な繋ぎでした。
このトークのあとの、19時15分からのシアターコンサートのプレゼントタイムの舟友さんの花束
~新橋演舞場公式HPより転載させていただきました~
2015.12.11
【お詫び】11日、新橋演舞場で発生した事故につきまして
【お詫び】11日、新橋演舞場で発生した事故につきまして
本日12月11日(金)、弊社新橋演舞場の夜の部に発生いたしました事故につきまして、ご来場のお客様には心よりお詫び申し上げます。
17時50分頃、新橋演舞場12月公演「舟木一夫特別公演」幕間に、舞台スタッフ1名が奈落に転落する事故が起こりました。負傷したスタッフは直ちに近くの病院に搬送し、現在療養中ですが、命に別状はございません。
警察・消防立会いのもと現場検証が行われ、舞台スタッフを救出・搬送、その後、所轄警察の了解を得、開演予定時刻より1時間遅れ、19時15分に舞台を再開、先ほど終演いたしました。
今後につきましては、明日以降も予定通り上演をいたします。
弊社といたしましては、原因を究明したうえで、このような事態が二度と発生することの無いよう、万全の対策を講じて参ります。
このような事故を起こしてしまいましたことに対し、深くお詫び申し上げます。
松竹株式会社 新橋演舞場
新橋演舞場「舟木一夫公演」大道具スタッフ、奈落4メートル転落
2015年12月12日6時0分 スポーツ報知 (転載させていただきました。)
「舟木一夫特別公演」を上演中の東京・新橋演舞場で11日午後5時50分ごろ、大道具を担当する男性舞台スタッフが深さ4メートルの舞台の奈落に転落する事故が起きた。
同劇場によると、事故は夜の部の第1部時代劇と第2部コンサートの合間の休憩時。一時は騒然となったが、落ちた男性について「現在療養中だが命に別条はない」と軽傷という。警察、消防立ち会いのもと現場検証を行い、1時間遅れて公演を再開。この間、舟木が幕前トークを買って出て観客を沸かせ、場をつないだ。同劇場宣伝部は「事故が二度と発生しないよう万全の対策を講じます。深くおわび申し上げます」と謝罪した。
- 新橋演舞場には消防車両が駆けつけた