わが家の裏の庭つづきのお宅のシャクナゲ
シャクナゲは、ツツジの仲間ですが、ひとつの枝の周囲にぐっるっと球状に数輪の花をつけます。
「女学生の友」(1964年2月号)
本誌独占対談 きんぴらごぼうでとった新人賞/舟木一夫・三沢あけみ
「舟木さんは、誠実ね、ふんいきもココロも清潔で・・・。」
「三沢さんだって気どりがなくて、サッパリしてて」
とお互いに尊敬しあっている新人賞受賞者対談です!
「三沢さんだって気どりがなくて、サッパリしてて」
とお互いに尊敬しあっている新人賞受賞者対談です!
「女学生の友」(1964年2月号)独占対談 きんぴらごぼうでとった新人賞/舟木一夫・三沢あけみ
18日にアップした前半のつづき後半です。
☆歯医者と美容体操の先生★
三沢:舟木さん、小学校のころは学芸会なんかで活躍したんでしょ?
舟木:なにしろ、歌うことしかノウがなかったから。(笑)はじめて歌ったのは、小学校三年生のとき独唱でね、スキーなんてしたことなかったけど、山はしろがね、朝日をあびて・・って、スキーの歌を歌った。
三沢:そのころは、八重歯だけでなく、みそっ歯ものぞいてて、かわいかったでしょうね。
舟木:今はかわいくない?
三沢:てきとうにおとなっぽくて、てきとうにかわいいわ。
舟木:ありがとう。
三沢:ほんのお志だけで・・・。(笑)
舟木:三沢さんは、ほんとは女優が目的だったんでしょう?
三沢:そうじゃないの。私も、舟木さんと同じ、小学生のときから歌手志望で、上原げんと先生について歌の勉強してたのよ。東映のニューフェイスに応募したのは、おばにすすめられたからなの。中学二年のとき。
舟木:映画じゃぼくの大先輩だね。
三沢:いやだわ、オーバーね。ほんとは中学二年じゃ、ニューフェイスの資格ないのよ。でも、合格したのは、私がフケてるからね。
舟木:フケてるだって、おイモみたい。(笑)
三沢:まッ、失礼。(とかるく舟木さんをニラむ)
舟木:ゴメン、ゴメン。
三沢:でも、ダイコンっていわれるよりいいわ。おイモもふっくらしてて、ちょっとあまくて―女性的だわね。(笑)
舟木:東映では、何本出演したの?
三沢:テレビ映画の「笛吹童子」「猿飛佐助」なんかに出たあと、京都撮影所に所属になって時代劇に五本ぐらい。お姫さま役だけど、せりふもろくにない、は役ばかりだったわ。ぜんぜん、つまらなかった。
舟木:・・・(だまってうなずいている)
三沢:京都には友だちもいないし、すごくさびしかった。ひとりで嵐山へ自転車で行って、一日中ボンヤリしてたこと、よくあったわ。これじゃいけないって思ったときに、私に歌をすすめてくれたのが里見浩太朗さんのマネージャーだったの。だから、歌に転向したのも、最初の志望にかえったっていうことね。
舟木:でも、ぼくなんかより苦労してるからえらい。スクナクトモ、ぼくはまだ苦労がたんない。ラッキーすぎてむしろ不安なこともある。
三沢:そりゃ、若いうちは苦労したほうがいいなんていうけど・・しないですむなら、なにも苦労、苦労ってすることないと思う。苦労しても、それが身に付かなければなんにもならないし、苦労しなくたって人間的に豊かな人はいるものよ。(自分のことばに急にあわてて)あら、私、イッパシのことを言っちゃってる。
舟木:そんなことない、たしかにそのとおりかもしれない。ぼくもね、人間的な人間でありたいっていつも思うよ。人気や虚名にあやつられて自分のココロを失ったりはしたくないと思うよ。
三沢:舟木さんは、誠実ね、ふんいきもココロも清潔だわ。
舟木:三沢さんだって、気取りがなくてサッパリしてて、ぼく、話がしやすいんだ。
記者:お互いに、もし、歌手にならなかったらどんな職業にむいていると思う?
三沢:そうねえ、舟木さんは、やっぱり誠実で清潔な職業・・・だから、お医者さんなんてどうかしら?
お医者さんなら、まず、自分の八重歯からなおしたらいかがでしょう?
お医者さんなら、まず、自分の八重歯からなおしたらいかがでしょう?
舟木:(思わずニッコリして八重歯をのぞかせる)ひどいなあ。
三沢:あ、でも、舟木さん八重歯はトレードマークだから、ぬくわけにはいかないわね。
舟木:三沢さんは、そうだな、美人だし、スタイルがいいから、テレビの美容体操の先生なんてどうだろう?
三沢:ヤだァ、ふとってるのに。
舟木:ゴリゴリにやせてたら、美容体操なんてできないよ。骨のキシむ音がして。(笑)
1963年「平凡」12月号の表紙となったおふたり
こちらは1964年5月号「平凡」の付録・歌本表紙
☆ふたりの理想の異性★
三沢:舟木さん、今度、引っ越すんですって?
舟木:ウン、二月ごろ。今のアパートの近くだけど、鉄筋のアパートが建ったから。
三沢:やっぱり、マネージャーの人たちといっしょ?
舟木:そう、まだ、おヨメさんをもらう年ごろでもないからね。(笑)
三沢:年ごろでなくても、理想のおヨメさんはどんな人?それを聞きたいな。
舟木:(鼻の下をなでながら)本質的に女らしい人。お料理が、じょうずとか、おしゃれがじょうずとかいう外見の女らしさでなく、ココロが女らしい人がいいな。
三沢:なあるほど。
舟木:すなおで、思いやりがあって、細かいことによく気がついて――でも、そういうのが押しつけがましくなく、自然ににじみ出てくるような感じの女性。なあんてね、言わせた以上、三沢さんの理想のおムコさんも聞かせてもらわなくちゃ。(笑)
三沢:私は「ふられ上手にほれ上手」だからね。フフフ・・・。パッと会って、パッと好きになった人なら、その人が理想だわ。だけど、相手が私を好きになってくれなくちゃ話にならないけど。
舟木:まず、美人だから心配ないでしょう。(笑)ほんと、お色気もあるそうだから。
三沢:なあに、いやーね。(笑)
舟木:みんながそう言ってる。ぼくにはまだお色気なんて見わける目がないけどさ。
三沢:もっぱら食い気のほうね?
舟木:ウン、やせてるけど食い気たっぷり。
三沢:自炊してるんですってね。
舟木:忙しいからたいてい外で食べるけど、たまに、鍋料理なんかをね。
三沢:ろくに洗わないで、ザクザク、鍋につっこんで煮ちゃうんじゃない?(笑)
舟木:ちゃんと洗いますよォ。ていねいに、ライポンなんとかいうので。(笑)ぼく、わりとマメなんだ。スクナクトモきんぴらごぼうなんてとくいだな。
三沢:(ポンと両手をうち鳴らして)それきいたわ。芸能記者の人に――舟木さんがまだデビューした当時、アパートへ行くと、舟木さん、よく、きんぴらごぼうをジージー(手つきをいれて)油の音させてやってたって。(笑)
舟木:ごぼう、ちゃんとケズって売ってるからありがたい。
三沢:私も、きんぴら大好きよ。
舟木:三沢さんのあだ名、きいたよ。
三沢:フフフ・・・イカのくんせい、通称”イカクン”でしょ?
舟木:よっぽど好きなんだね。イカクンが。
三沢:ちがうのよ、私が笑うとね、くちもとが、イカのくんせいの輪切りに似てるからなんだって。
舟木:へえ、ちょっと笑ってみて。(笑)
三沢:や―だ。(と手で口もとをおおって笑う)
三沢:やっぱり、レコードが売れることだけど、でも、ファンの純粋な支持っていうか、いっしょうけんめい応援してくれる気持ちはありがたい。いちばんうれしいことね。いつだったか日比谷公園へ行ったときファンの人たちが、「島のブルース」って書いた風船をいっぱいの木につけてくれてるの。とてもうれしかったわ。
舟木;ぼくもね。アパートにね、小ちゃな女の子おばあさんといっしょに千羽づるを持ってきてくれたことがあるんだ。おじいさんとおばあさんと、おかあさんと、女の子で作ったんだっていって―感激しちゃった。
三沢:そうねえ。
舟木:この間は学生服を送ってきて、一度でいいから上着だけでも着てテレビに出てください。着て出られなかったら、一度でいいから手を通してって書いてあるの。
三沢:それで、手を通した?
舟木:ウン。でも、学生服ったって安いもんじゃないでしょ。ぼくのためにそういうお金を使わせるのはすごく悪いなって気になる。
三沢:その気持ちは、私も忘れたくないわ。
舟木:ぼく、芸能界にはいるとき、父からこんなことをいわれた。いつでもどんな場合でも、だれに対しても人間対人間で通せ。
三沢:人間対人間、つまり、自分がスターであるという意識をふりまわすなってことね。
舟木:ウン、有名人が人間としてえらいとは言いきれない。有名になったって、裏町に住む無名の人だって、人間にかわりないんだ。
三沢:私もよ、よくおぼえておきたいわ。
舟木:なんだか、生意気なこといっちゃったけど、とにかく、がんばりましょう。
対談の中で、「ふられ上手にほれ上手」と三沢さんがおっしゃってますが、これは、三沢さんのデビュー曲。あまりにお色気がありすぎて「放送中止」の憂き目にあったそうです。この対談でも、舟木さんが、三沢さんの「お色気」について話してますが、当時の私は小学生だったので、鼻に抜ける歌い方は強く印象に残ってますが、三沢さんの「お色気」の印象はあまりありませんでした(笑)。
面影あわく しのばせて
ポプラにかかる 夕月よ
この丘で いつの日か
野バラの歌を うたってた
君いずこ 君いずこ 夕月乙女
愛しむように 夕月が
ならんだ 影を 照らしてる
名も知らぬ おたがいが
さよならとだけ 云ったけど
この丘で いつの日か
野バラの歌を うたってた
君いずこ 君いずこ 夕月乙女
愛しむように 夕月が
ならんだ 影を 照らしてる
名も知らぬ おたがいが
さよならとだけ 云ったけど
いまいずこ いまいずこ 夕月乙女
青春悲し 今宵また
心にうるむ 夕月よ
露草の 花咲けど
はかなきものは 花のみか
夢いずこ 夢いずこ 夕月乙女
露草の 花咲けど
はかなきものは 花のみか
夢いずこ 夢いずこ 夕月乙女