シアターコンサートは1日、2日ともに大盛況で3公演すべて満員御礼の看板が出ていました。
立ち見席も昼の部は一列でおさまらないほどタイトに詰まっていて長時間立ちっぱなしの皆さんはお疲れだったことと思います。
立ちっぱなしと言えば舟木さんはもちろん立ちっぱなしでワンステージ32曲を歌われるんですから、あらためてその若さとパワーに驚かされますね。
私は、2日目の昼と夜を楽しませていただきましたので10月2日のコンサートのご報告となります。
近鉄特急で大阪上本町まで約2時間。残念ながら舟木さんの楽屋入り直後くらいに到着したので「お出迎え」には間に合いませんでしたが今回もkazuyanさんはじめ舟友さんたちが長時間待機されてお出迎えされ舟木さんのお元気なナイスショットを届けてくださり感謝感謝です。
立ち見席も昼の部は一列でおさまらないほどタイトに詰まっていて長時間立ちっぱなしの皆さんはお疲れだったことと思います。
立ちっぱなしと言えば舟木さんはもちろん立ちっぱなしでワンステージ32曲を歌われるんですから、あらためてその若さとパワーに驚かされますね。
私は、2日目の昼と夜を楽しませていただきましたので10月2日のコンサートのご報告となります。
近鉄特急で大阪上本町まで約2時間。残念ながら舟木さんの楽屋入り直後くらいに到着したので「お出迎え」には間に合いませんでしたが今回もkazuyanさんはじめ舟友さんたちが長時間待機されてお出迎えされ舟木さんのお元気なナイスショットを届けてくださり感謝感謝です。
舟友のkazuyanさんの「お出迎え」ナイスショットはこちらでご覧くださいね。
10月1日
10月2日
ここでは、それぞれ、ほんの2枚だけセレクトしてアップさせていただきました。
この日は、先日のふれこん行の時に続いて、近鉄特急のビスタカーの二階の席になり、ちょっと嬉しいラッキー気分で上本町に向かいました(笑) 特急券にビスタカーの「V」というマークが入っています。
7月25日開催の新橋演舞場のシアターコンサートには行けず残念だったんですが大感激した5月の中日劇場シアターコンサート以来の新歌舞伎座でリベンジとばかり、老化現象気味の目と耳ですが、集中力だけはまだまだ大丈夫のようで、昼夜2ステージを存分に堪能いたしました。
新歌舞伎座 シアターコンサート 美空ひばりスペシャル~ひばりが翔んだ日々
2016年10月2日 12時半/16時半
一部:ヒットパレード 35分(7曲) 二部:ひばりが翔んだ日々 90分(25曲)
舟木さんのトークをメインにコンサートの模様をレポートさせていただきます。
聞き間違いとか、聞き漏れなど多々あるかと思います。腱鞘炎は相変わらずで手も痛いのでただでさえ悪筆がさらにヒドくなって、後で自分で見ても解読不可能(笑)という点もご了承くださいね。
実際は、やはり、昼夜ともに、二部の終演時刻が10分ほどオーバーしました。
昼の部の舟友さんのプレゼント
開幕前の緞帳前でのプレゼント受け取りタイムのトーク
舟木さんのトーク部分はピンク文字
白いシャツに、同じ白の刺繍糸で刺繍が入ってるようでした。
モスグリーンのパンツ。白の運動靴
下の写真はイメージです(笑)
暑くなく寒くなく、これから1ヶ月が一番過ごしやすいですね。
最近いっぺんに(プレゼントのこと)持つと腰にくるんです…さすが71…71なんて言ってる場合じゃない、12月で72。もうすぐ80(笑)
最近いっぺんに(プレゼントのこと)持つと腰にくるんです…さすが71…71なんて言ってる場合じゃない、12月で72。もうすぐ80(笑)
一部と二部で32曲。昨日と今日で100曲…数歌やいいってなもんじゃないですが…、
ひばりさんの歌は、世界観が広いから、どの歌を歌うのか、失礼するのか、むつかしいんですが、お許しを願えれば…と
ひばりさんが、デビューした頃はまだSPの時代で、せえのォ!でバックバンドも歌い手も一斉に録音が始まるんですが、あの完成度はスゴイです。僕が、同時録音の最後の歌い手ですから経験しといてよかったと…
なにしろ、ひばりさんは、こんな頃から歌ってたんですから、落ち着いた感じがあるんですね。
ひばりさんの歌は、世界観が広いから、どの歌を歌うのか、失礼するのか、むつかしいんですが、お許しを願えれば…と
ひばりさんが、デビューした頃はまだSPの時代で、せえのォ!でバックバンドも歌い手も一斉に録音が始まるんですが、あの完成度はスゴイです。僕が、同時録音の最後の歌い手ですから経験しといてよかったと…
なにしろ、ひばりさんは、こんな頃から歌ってたんですから、落ち着いた感じがあるんですね。
梨か…あ、新米ですか…1ヶ月公演の時には餅がドサ~ッと(笑)餅は好きなんで毎日食べてますが…
拝まないでくださいね、僕はまだ生きてますから(笑)~プレゼントを渡すときに思わず舟木さんに向かって手を合わせたファンの方がいたのでしょう。舟木さんが、こんな風にリアクションされました。
拝まないでくださいね、僕はまだ生きてますから(笑)~プレゼントを渡すときに思わず舟木さんに向かって手を合わせたファンの方がいたのでしょう。舟木さんが、こんな風にリアクションされました。
時々、二階、三階を見上げて、すみません、どうも。5年くらい前までは握手する時に女性の力は強いと思ったんですが最近は弱くなってきた。トシとってきたのは私だけじゃない…(笑)
西郷輝彦さんが手首を骨折されたということ、西郷さんと三田さんが今年70才になられたことなども話されました。
西郷輝彦さんが手首を骨折されたということ、西郷さんと三田さんが今年70才になられたことなども話されました。
いつものようにコンサートの模様を舟木さんのトークをメインにご報告します。
舟木さんのトーク部分はピンク文字
一部 ~ ヒットパレード
舟木さんらしい、やや控えめの上品なラメ入りパープル系のタキシードスタイル。襟は黒サテン生地。黒の蝶ネクタイ。パンツは黒で脇にサテンのラインが入ったもの
こちらの写真もイメージです
~オープニング
高原のお嬢さん
高原のお嬢さん
ようこそ、おいでくださいましてありがとうございます。
久しぶりにヒカリ物ですが(笑)デビュー当時からの歌の質もあってヒカリ物はあまり着ない…
一部、二部で32曲歌います。70過ぎたヤツがやるこっちゃない(笑)
一部では、なんだかだとつないでいきますのでどうぞよろしく!
一部、二部で32曲歌います。70過ぎたヤツがやるこっちゃない(笑)
一部では、なんだかだとつないでいきますのでどうぞよろしく!
初恋
絶唱
このへんの歌は最近なくなりましたね。四季の香りがするものはなくなってきた。
絶唱なんてのは実話ですからね。実話がなかったら、この歌も映画もないわけですからね。
映画の企画が先で、当初、歌は要らないと、でも撮影が始まったらやはり主題歌がほしいということで西條先生に頼み込んだんです。
映画の企画が先で、当初、歌は要らないと、でも撮影が始まったらやはり主題歌がほしいということで西條先生に頼み込んだんです。
コンサートでは明るい歌も入れてワアワア騒ぐんですが、二部ではそうもいかないんで、ここで早くすませておきます(笑)
~スタンディング&サインボール
銭形平次
コンサートの時の会場は、二階、三階が遠いので届かないんですが、その分、届きそうなところでは上に打ちたくなる(笑)一階に行く分が少なくなってすみません…。
テレビドラマの銭形平次は18年続いたんです…ずいぶんお世話になりました。橋蔵先輩の次男の丹羽貞仁さんとよく一緒に舞台をやってますが最近、体つきが橋蔵さんに似てきた、首から下が似てきた(笑)これはお母さんが言ったんですよ。似てきましたね、と言ったら「うちの人はもっと目元が涼しい…」(笑)
ここは歌っとかないと何がとんでくるかわからないので…
高校三年生
学園広場
今のがあの頃の僕らの今を歌った歌、この新曲は、まさに僕らの今を歌ってると言っていいでしょう。
春はまた君を彩る
舟友さんの夜の部のプレゼント
二部 ~ ひばりが翔んだ日々
緞帳が上がる前、「東京キッド」原盤が流れ、次に、舟木さんのナレーションが流れました。
東京キッド とってもカワイイひばりさんの映像
https://youtu.be/7_JBAwu8n5U
https://youtu.be/7_JBAwu8n5U
遥かな暗闇をやっとふりきった灰色の空に
ある日一羽のひばりが翔びたった
その声は人々の心に色さまざな灯をともし夢とやすらぎを運び続けた
前半~ベージュのスリーピース、黒のシャツ
~オープニング
〈前半〉
ひばりさんを歌うとなるとべらぼうにバリエーションがある。皆さんがお思いになってるひばりさんをやろうとすると何日もかかるので僕なりのチョイスで…なにがなにして、そんなこんなで…(笑)
それと、今日だけはというお客さまへのお願いなんですが…
前から、5、6列目で双眼鏡でご覧になってるらっしゃる方、いつもは、どこをどうご覧になってくださってもかまわないんですが、レンズが光って気になって歌詞を間違えるといけないので今日だけはご勘弁を願います。(これは夜の部での舟木さんからのお願いでした。)
前から、5、6列目で双眼鏡でご覧になってるらっしゃる方、いつもは、どこをどうご覧になってくださってもかまわないんですが、レンズが光って気になって歌詞を間違えるといけないので今日だけはご勘弁を願います。(これは夜の部での舟木さんからのお願いでした。)
前から5、6列目でも、寄る年波で、大好きな舟木さんのお顔が見えにくいから双眼鏡を使われるお気持ち私もわかります。また、ひばりさんの歌をしっかり心を込めて気持ちを集中させて歌いたい舟木さんのお気持ちも、それ以上によくわかります。
なにしろ軽い歌を小気味よく歌ってくださるひばりさんが僕は好きなんです。
そんな軽いマドロスものから海景色の方へ
~マドロスもの
ひばりのマドロスさん/港町十三番地/あの日の船はもう来ない/君はマドロス海つばめ
~海景色
ひばりの佐渡情話/みだれ髪
ひばりの佐渡情話/みだれ髪
マドロスものの曲名を紹介する舟木さん、「君はマドロス海つばめ」を言う時にちょっと間があったのを、ご自身で補足説明…なんで考え込んだかというと三橋(美智也)さんの歌に「君は海鳥渡り鳥」という歌があるので…(笑)
ひばりのマドロスさん
https://youtu.be/PmQL996Jxqg
https://youtu.be/PmQL996Jxqg
あの日の船はもう来ない
君はマドロス海つばめ
「みだれ髪」に歌われている福島県いわき市の塩屋岬と「みだれ髪」の歌碑
今のは、ひばりさんのヘビーな部分の世界、こういうのを聴いて、ヘビーな歌い手さんだと思われてるようですが…
僕が、初めてひばりさんとお会いしたのは、デビューして間もなくの頃の雑誌の対談企画。弟(香山武彦)さんも一緒でしたが、その頃、僕は、ひばりさんを30歳くらいだと思ってたんですが、あとで担当の記者の方にまだ25歳だと聞かされて…落ち着いていらしたんですね。それを後でひばりさんが知って「あら、ずいぶんね…」とおっしゃったそうです。と、ひばりさんの声色を使う舟木さんでした。
夜の部では、ちょっと大人になって少しは女心が歌えるようになったかと…と言われた舟木さんです。
「ひばりの佐渡情話」は、今回の「ひばりが翔んだ日々」以前にも何度かステージで聴かせていただいていますが、以前にも増して、心に沁みいる情の細やかさを感じ、舟木さんの歌は、まだまだ進化しつづけていらっしゃると感じましたし、「みだれ髪」にいたっては、ギュッと胸がしめつけられるような女心の哀切、また情念が、見事に迫ってきて、女性であるひばりさんが歌うものとは、また異なった趣を感じ、流行歌の世界に「おんな唄」を男性が歌うというある種特殊なジャンルがかなり高度なテクニックを求められるものとして位置づけられていることをあらめて考えさせられました。この後の「悲しい酒」と、併せて舟木さんの歌い手としての50数年のキャリアの中で培った力量の総括のように感じた印象深い歌唱でした。夜の部の「悲しい酒」では、右手を左胸のあたりにあてて目を閉じて歌われる場面もあり、「歌にいのちを吹き込む」という図を形としてしっかり見せていただけたような想いがして、こちらまで胸がふるえるようでした。
ここで単独でおいたのは、ほかのものとはつなぎようがない…ということで
~一転して、のどかなヒバリのさえずりが入って…
舟木さんが上手そでに入ってお着替え。その間、アバウト9と女性コーラスの皆さんで賑やかにつないで、同じく上手から豊藤美さん、お弟子さんの豊藤かおりさんがスタンバイ。
後半のお衣装は、紫がかった藍色の着流し。襦袢は白。 帯は白地にグレー系などの縞の博多帯、雪駄姿の舟木さんが上手から登場。
〈後半〉
天竜母恋い笠(*7/25新橋演舞場シアターコンサートより追加))
https://youtu.be/L3t0TUEUoWc
https://youtu.be/L3t0TUEUoWc
ひばりさんは、女性ですから三尺物の世界といっても「切った張った」というのではないです。女性で股旅ものを歌う人は、ひばりさんの他にはいないんですね。東映でたくさん映画を撮ってらして、歌が先か、映画が先か…ここから先はのどかな感じの道中ものを…
ひばりの渡り鳥だよ
https://youtu.be/qpN0K4fwntY
https://youtu.be/qpN0K4fwntY
花笠道中
舟木さんのおっしゃる「風景」…映画の一場面でお楽しみください
https://youtu.be/bKNbEOPDBaw
https://youtu.be/bKNbEOPDBaw
のどかというか、次々に風景が浮かんでくる歌は懐かしいですね。
←映画「花笠道中」では里見さんとの共演
さて、後半のステージで、ご一緒してくださるおねえさん、豊藤美おねえさん、お弟子さんのかおりさん。♪かおるちゃん 遅くなって ごめんね♪~と唄ってから、アレはかおるちゃんか…。プレゼントが置いてある舞台のテーブルの上に、かなり大きな字で「かおりさん」と書いた紙が載ってました(笑)お名前を間違えないようにと、用意してあったのでしょうか?
いつまでたってもおねえさん。ズルい!でも、デビュー当時から、変わってない…
いつまでたってもおねえさん。ズルい!でも、デビュー当時から、変わってない…
ひばりさんの歌を歌っていくときにはずせないのが、江戸前の歌…「お祭りマンボ」から
都々逸の部分を、ひばりさんの歌マネでしっかり楽しませてくださった舟木さんでした。
プロの歌い手は、それぞれのクセや個性が魅力になるわけですから、その個性を無理に直そうとしない方がいいんです。僕らの頃は奔放な時代で、いい時にデビューしたとつくづく思いますが…。ついでに?耳に手をあてる鶴田浩二さん、ギターを胸の高いところに抱える田端義男さんの物マネもチラリとほどよくご披露してくださるサービスに、お客さまは大爆笑でした。
いいとかわるいとか、好きとかキライとかの前に、僕らの中に入ってたというのがひばりさんの歌。それぞれのお客さまの中にそれぞれのひばりさんがいるワケですが、ここから先は、僕が自分勝手に僕の中の思うところのセンターを選んでみました。どどーんとつないでいきますので楽しんでみてください。
~舟木さんの思うひばりさんの「ど真ん中」
ひばりのさえずり~舟木さんのナレーション
いくつもの空を駆け抜け
いくつもの虹を渡り
華やかなひばりは突然に去った
数えきれない日々を翔んで
映画「東京べらんめえ娘」主題歌
コンサートが終わった後で気づいたのですが、新歌舞伎座・シアターコンサート初日の10月1日という日は、奇しくも、ちょうど50年前の、同じ日である1966年10月1日が舟木さんの新歌舞伎座の初座長公演をなさった初日にあたる日でした。当時とは、場所も難波から上本町に移転していますが、同じ新歌舞伎座という大舞台での「ひばりが翔んだ日々」という企画のコンサート。私の手元にある古い週刊明星に、その美空ひばりさんとも深く関連のある、以下のような記事が掲載されています。
特報 舟木一夫が堂々美空ひばりと大勝負!
ひばりさんは梅コマ、舟木さんは新歌舞伎座で、とそれぞれの座長公演がバッティング。
以下は、新歌舞伎座初座長公演のパンフレット掲載の舟木さんの初出演のことば
新歌舞伎座 初出演のことば 舟木一夫
僕が「高校三年生」でデビューしてからちょうどことしは三年目です。その秋に初めてのお芝居を一ヶ月もこの新歌舞伎座の舞台でやらせてもらえることになったのですから、ひと口に行って感慨無量といったところです。これもファンのみなさんのおかげだと感謝していますが、それだけにこんどの公演にはぐっと責任を感じています。不安と云えば不安なんですが、本を書いて下さった村上元三先生と安藤鶴夫先生が、僕のことをよく知っていてくださるので、余計なことを考えずに与えられたものを一生懸命にやればいいと考えています。二本とも時代ものになりましたが、僕自身としては時代ものの方が好きですし、何かはいりやすいんじゃないかと思っています。テレビの「赤穂浪士」の矢頭右衛門七や「源義経」の敦盛なんかで、いくらかでもその雰囲気に親しんできましたから…。
「絶唱」の撮影で少しばかりやせましたから、スタミナの点でちょっと心配です。これまで歌と歌の間にはさまったサンドイッチみたいなお芝居は、ちょいちょいやりましたが、こんどのようにまとまった作品に出るのはもちろん、一ヶ月という長期公演も初めてですから体力と仕事との調子が自分でよくわからないんです。すべて熱と若さでやり抜きたいですし、またやり抜かなければいけないと思います。
新歌舞伎座にこれまで出演された歌手の方の舞台構成などをプログラムでみせてもらって勉強しました。
この8月に同じ新歌舞伎座に出演された橋さんを意識するかという質問をよく受けますが、僕は別にこだわりません。大先輩の三波さんの舞台も、美空ひばりさんの舞台も、いろいろうかがってこんどの公演の参考にしました。とくに今月は美空さんが梅田コマ劇場に出演されているので、とかくいわれますが、美空さんと僕ではぜんぜんキャリアが違いますし、ヘタに背のびせずに、僕は自分のカラーを出してやればいいという信念を持って舟木一夫の芝居を見ていただくだけです。まだまだ未熟な僕にはそれ以外に何もないんですから…。
この8月に同じ新歌舞伎座に出演された橋さんを意識するかという質問をよく受けますが、僕は別にこだわりません。大先輩の三波さんの舞台も、美空ひばりさんの舞台も、いろいろうかがってこんどの公演の参考にしました。とくに今月は美空さんが梅田コマ劇場に出演されているので、とかくいわれますが、美空さんと僕ではぜんぜんキャリアが違いますし、ヘタに背のびせずに、僕は自分のカラーを出してやればいいという信念を持って舟木一夫の芝居を見ていただくだけです。まだまだ未熟な僕にはそれ以外に何もないんですから…。
この記念すべき新歌舞伎座・初座長公演からちょうど50年、半世紀という時を経て、舟木さんが同じ新歌舞伎座で渾身の歌唱を届けてくださった「ひばりが翔んだ日々」
舟木さんは、流行歌の歌い手としてひばりさんの歌の世界を受け継いでいく…という立場は、もちろん十分におありかと思いますが、なにかそれ以上に「ひばりさんを聴いて歌って育った、私たち世代の代表」という、立ち位置で、今回の「ひばりが翔んだ日々」のステージに臨んでいらしたような気がします。
デビュー3年目のまだ新人の舟木さんが、既に芸能界のクイーンともいうべき地位にいらした美空ひばりさんに「勝負を挑んだ」という趣旨の当時の週刊明星の記事ですが、初座長公演のパンフレットで舟木さんご自身が語っていらっしゃるように、その舟木さんの姿勢は、今も少しも変わらず、舟木さんの個性とカラーで、ひばりさんの唄われた数々のヒット曲、名曲に心からの敬愛を捧げて歌っていらしたのだと感じます。掛け値なしに、どの歌も、甲乙つけがたく、素晴らしいものでした。終わってしまったのが、とってもさみしい気がしています。ナマのステージで、また歌っていただけるのを楽しみにして、今のところは、10月19日に発売となる、新橋演舞場収録のDVD、CDを楽しみに待つことにしましょう。