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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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舟木一夫 CONCERT「ー風 アダルトに」2016年11月3日 メルパルク東京 レポート

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あっという間に日々が過ぎ去って、「ー風アダルトに」のご報告をしなくてはと、焦ってるうちに、なんと、今日は「中野ファイナル」の開催日となってしまいました。
遅れ馳せながらの、ご報告です。通常コンサートとは、ひと味ちがう、舟木さんのお喋りもたっぷり楽しませていただき、昭和の香りにどっぷりと浸かってきました。

昭和と一口で言っても、60年余りの期間があります。しかも「戦前・戦中・戦後」という激動の時代を貫いた昭和です。その「昭和」と共に歩み、大衆の暮らしや、心と隣り合わせにそこにあった流行歌。

舟木さんは、「流行歌の黄金期」と表現なさっていましたが、セレクトしてくださった21曲は、まさに、その黄金期のほんの一部にしかすぎないことを思うと、昭和の歴史の中で「流行歌」の担ってきたものの特殊性であったり、逆に普遍性であったりを、あらためて感じた時間でした。

そして、また、舟木さんが歌い手になる夢を、現実のものとするために、十代の頃から「流行歌」というものが、日本人の暮らしや心にどう関わってきたのか、ということを深く思索なさっていたことも、今回、初めて私なりにそこそこキャッチできたような新鮮で嬉しいコンサートでもありました。
私のグダグダした感想はともかく、舟木さんのトークをメインにしてコンサートの模様をご報告します。

ピンク文字は、舟木さんのトークです。


プレゼントタイム/幕前トーク 昼

舟友さんのプレゼントの花束

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イメージ 3ベージュにクジャクの羽根のような形の黒い模様のシャツ、小豆色系のパンツ
本日はお日柄もよく…(笑)
ついに秋深くなってきましたね。私はもう12月の稽古ですから気分はほとんど年末です。
リハーサルの時、決定稿が届きまして、これから一気に作っていくわけです。まだ歌の構成を全然してない…こないだの浮舟で2ヶ月遅れの分で書いたんですが、この時期はタイヘンなんです。(お芝居の)稽古に入る前に来年の予定のことを済ませておかないといけない。
最近、顔は変わってないですが、どうも1kgか2kg増えたような…量ってはないんですよ、量ってないですがジャケットを着るとボタンの位置が遠ざかったみたいです。ジムへでも通ってない限り70過ぎたら(肩から胸のあたりを触って)このへんはおちてくる、これは当たり前なんです。確かに身体は硬くなりました。昔は柔らかかったんですが最近はアブナイ。これから寒くなると朝ベッドから起きる時、気をつけてね。友だちなんかによくいるんです。朝、歯を磨こうとして前かがみになったらそのまま起きられなくなった。でも最近はひどい寒さや底冷えはなくなった気がしますが…

今日は前もって申し上げときますが皆さんの気持ちっていうのを一切無視した形ですから…。なんで今ごろ、まとめてこんなの歌うの?っていうのばかり。今聴いたらアレンジも歌詩も古いんですが、なんか急に歌いたくなったんですよ。懐かしの流行歌。私だって結構懐かしいです。そのオレだって懐かしい歌(「高校三年生」のことかな?)ちょっと着替えてまた出てきます。

夜の幕前トークは…
昼聞かれた方が、知ってる歌が2、3曲しかなかった…って(笑)
昼に聞かれた、記者の方は、僕より若いんですが、いつもは奥さんといらっしゃるんですが、今日はお母さんと来られて「ドンピシャ!」だったと…
比較しちゃいけないですが、昔の流行歌はよくできてますね。
僕でも、小さい頃に、巷で流れていたのは三橋さん、春日さん、村田さん、三波さんですからね。田端さんはナマでは一回くらいしか聴いてない。小畑さんとは一緒に仕事したことあるんですけど…。今日お聞かせするような歌は日本語の良さっていうのをつくづく感じます。
急に冬に近づいたので念のためにジャケットは持ってきたんですが、寒いよ~ッ!
では、今日は皆さんのほとんど知らない個性豊かな先輩の歌を!

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2016 舟木一夫 CONCERT   ー風 アダルトに  『嗚呼!!懐かしの流行歌』

開幕です。チャコールグレーのスリーピース。白のシャツ。胸にモノトーンのポケットチーフで登場!

( )内は昭和年号


イメージ 5~活きのいい歌~

銀座カンカン娘  1949年(24年) 
作詩:佐伯孝夫   作曲:服部良一 (原曲:高峰秀子)

https://youtu.be/ZVYpdBcso3A

今日は「嗚呼懐かしの流行歌」っていうことで…。
やっぱりね、この時代に生まれて歌い手になっても良かったかなっていう想いもあって。バックバンドのドラムの方を振り返って~20曲ぐらいあるの?~バンドの皆さんに向かって~頑張りましょう!
活きのいいやつからつなげました。

夜は…
今日は、久しぶりに「懐かしの流行歌」を急に歌いたくなった。僕の親父からおじいちゃん、おばあちゃん、その辺を…「銀座カンカン娘」は昭和24年。「一つグラスにストローが二本…チュウチュウ♪」思いきった歌詩ですよね。「フルイ時代」って野暮なことを言わず、昭和黄金期の流行歌を楽しんでいただけたらと…


イメージ 6東京ラプソディ  1936年(11年) 
作詩:門田ゆたか   作曲:古賀政男  (原曲:藤山一郎)

https://youtu.be/coyjHBe4MjE


夢淡き東京  1947年(22年)
作詩:サトウハチロー  作曲:古関裕而  (原曲:藤山一郎)
*舟木さん歌唱「ひとりぼっち 懐かしの歌 1969年」収録/思い出アルバム」にも収録
https://youtu.be/ShzYIAimxAg


昭和の流行歌というのがまた見直されてきて、いいなぁ…という人が増えてる。ニューミュージックで育ってきた人がそのへんの音楽にも飽きてきてBSとかで聞いて目を向けてるみたいですね。言葉はわかりにくい…カガヤクセイロカか…あれは(「夢淡き東京」の中の歌詩)聖路加病院のこと…当時の近代的な建物だったんですね。
「夢淡き東京」なんかは、「下町の太陽」につながってる感じかな…

夜は…
メロディーラインは耳に残ってる部分があると思うんですが、「♪かがやく 聖路加(せいろか)か」… 昭和22年に聖路加病院ができて~前の年かも知れませんが(笑)~「♪誰を待つ心」…「誰」という字が出てくるんですが、「だれ」「たれ」…この時代に生まれた歌はバリエーションが豊かです。

ここはハッピーソングというところで3つ繋げて。

イメージ 7~ハッピーソング~

星影の小径 1950年(25年)
作詩:矢野亮   作曲:利根一郎  (原曲:小畑実)

https://youtu.be/Ir-CDMhYbXo


港が見える丘 1947年(22年)
作詩:東辰三    作曲:東辰三(原曲:平野愛子)

https://youtu.be/7K_EuScGmgU



憧れは馬車に乗って  1951年(26年)
作詩:清水みのる    作曲:平川浪竜  (原曲:菅原都々子)

https://youtu.be/P3Lohs-FcjM

    1968年7月「明治座座長公演」で共演

イメージ 83曲目なんかはアレンジ、メロディーの雰囲気はチャイナ・メロディーというか…これは菅原都々子さん。歌が巧い方で僕はご本人のナマの歌が聴きたくて明治座でゲストに来ていただいて歌ってもらいました。
今歌ったのは原盤よりツーテンポ遅い…ちょっと原盤で歌ってみます。客席はもちろん大拍手…ところがバンドの皆さんは次の楽譜のスタンバイされてたようでしばし待って舟木さんが今度は菅原さんの雰囲気でさっきより可愛く歌われました(笑)
この速いテンポでこんなに巧くよく歌えるなぁと中学時代に聴いて思ってたんですが…

夜は…
3つ目は菅原都々子さんの歌ですが、これを小学生の時に聴いた時は、スゴイ巧い歌い手さんだと思ったんですね。この元歌はとてもテンポが速いんですよ。昔、歌が巧いと思った歌い手さんは、菅原都々子さんと、田端さんと「親子舟唄」を歌った白鳥みずえさんていう人です。この方はいつの間にか主婦業に行っちゃったんですが…。元歌のテンポでも昼はやったんで夜もやらないと…(笑)歌い終わてから、ビブラートをきかせたんで思い出したでしょ?巧かったですねェ。

イメージ 9今度はハッピーソングから怨み節です。

~怨み節~

裏町人生 1937年(12年) 
作詩:島田磬也    作曲:阿部武雄  (原曲:上原敏&結城道子)
https://youtu.be/IOWYLi6LfZk


かりそめの恋 1949年(24年)
作詩:高橋掬太郎  作曲:飯田三郎  (原曲:三条町子)

https://youtu.be/oTIpx67YP4Q


星の流れに  1947年(22年)
作詩:清水みのる  作曲:利根一郎 (原曲:菊池章子)

https://youtu.be/n2zA0cxabc0

申し上げるまでもなく、このへんが「演歌ブルース」の源流でしょう。
今日歌ってる中で一番古いのは昭和11年。こうやってみてくるとトータルで時代がわかる。歌い手の皆さんしつこく歌ってません。サラッと歌ってます。「酒は涙か溜息か」なんかも藤山一郎さんが歌うとサッパリ!
♪ま~ぼろ~しの~♪と歌マネしてみて~悲しくもなんともない(笑)イイ、ワルいじゃないんですね、今の歌い手さんはツッコンじゃうんですよね。しつこい歌い方…一般論(笑)こういう時はお客さまの目を見ないで話しますが(笑)

夜は…
ぜんぶ「女唄」ですけどね。「演歌ブルース」っていわれるものの源流になるんでしょうね。僕が歌い手になろうと思わなかったら、触れてもいない歌ですね。そう思ったもんですから、流行歌ってどこからどう流れてきたのか?って調べる~っていうと何ですが~大学ノートに流行歌の流れを書き溜めていって高校一年の頃にはノートが2冊になってましたからね。ですから、根本的にマジメなんでしょうね私は…(笑)って言ってからちょっとテレちゃったのか、ほっといてください!ってひとりツッコミされてました。そして、まあマジメで歌い手になるヤツはいない…とまたまたテレ隠し?(笑)


~あちこちでいろんなもの売っちゃいます~

イメージ 10上海の花売り娘 1939年(14年)
作詩:川俣栄一    作曲:上原げんと (原曲:岡晴夫)
https://youtu.be/86C0WmnUy0Q

この曲、夜の部では、2回、仕切り直しされましたので、とってもトクした気分でした(笑)
同時代の流行歌って、どれもよく似ていて、イントロを聞いただけではみな同じに聞こえる私。舟木さんが違うメロディーで歌っちゃったのもさもありなん…と納得でした。
聴いてる側の私は、メロディーを間違えたと自己申告されなきゃサッパリ気づいてない(笑)3回目にはバッチリで、歌い終わった後に小さくガッツポーズっぽい仕草をなさってとってもカワイイ舟木さんを拝見できてウレシイ…なんて不謹慎?(笑)

日本が(戦争に)勝ってた頃の歌ですね。
当時はこういう歌がいっぱいあった。何を売ってたかっていうと花を売ってた。銀座なんかでも酔っぱらって帰る代わりに奥さんに買っていくんでしょうね(笑)
僕も銀座なんかでは昔、まだ実際に花を売ってるのを見てますし何回か買ったこともあります。

ここはいろんなものを売っちゃおうと…

イメージ 11長崎のザボン売り 1948年(23年)
作詩:石本美由紀    作曲:江口夜詩 (原曲:小畑実)
*舟木さん歌唱「あのころの歌 今日の歌 石本美由起作品集 1970年」収録
思い出アルバム」にも収録

https://youtu.be/eVOJibuZdL4




ミネソタの卵売り 1951年(26年)  ~スタンディング~
作詩:佐伯孝夫    作曲:利根一郎 (原曲:暁テル子)

https://youtu.be/FFSe0XRfJG8


イメージ 12ドラム(辻田さん)、サックス(小林さん)、女性コーラス(シャイニーリップ)の皆さんの演奏、コーラスも、とってもステキでした。
ラストはココココッ、コーッ!と羽ばたいてほっぺに指をツッコンでポコン!といい音を出して卵まで産んでくれた舟木さんがキュート過ぎて目がハートマークになった私(笑)

それこそ、野暮な蛇足ですが…(笑)
*雌鶏は雄鶏のように時を告げることはほぼ無いが産卵直後には「コッコ、コーコー」と多少は鳴く。


ロンドンの街角で 1952年(27年)
作詩:佐伯孝夫  作曲:吉田正 (原曲:小畑実)
https://youtu.be/hIicKCyTB8U

イメージ 13これリハーサルの時、融チャンと話したんですが上海もロンドンも同じなんですよね。流行りなんですね。
「浮かれ節」という流行歌があるんです。歌詩は悲しいけどメロディーはバカに陽気ですね。こうやって歌ってると流行り廃り(はやりすたり)もよくわかりますね。
ここは説明に困る…演歌と言われるとどうかな?流行歌特有のジャパニーズ・メロディーというか…3つばかり大ヒット曲を並べました。

夜は…
流行歌の黄金期の特徴は、やたら変調する。「修学旅行」もそうですね。昔は楽器の種類も少ないし、そういうところで凝ってたんでしょうね。
ここで並べたのは演歌の中にはどうも入らないカルイ流行歌としかいいようがない。この三つの歌の後、いろんな流行歌が生まれてきた。大ヒットした3つを並べてみました。


イメージ 14~大ヒットした曲~

湯の町エレジー 1948年(23年)
作詩:野村俊夫    作曲:古賀政男 (原曲:近江俊郎)

https://youtu.be/5x5UiWHABgg


イメージ 15啼くな小鳩よ 1947年(22年)
作詩:高橋掬太郎    作曲:飯田三郎 (原曲:岡晴夫)

https://youtu.be/yGO4ky5TEF8


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高原の駅よさようなら 1951年(26年)
作詩:佐伯孝夫    作曲:佐々木俊一 (原曲:小畑実)

https://youtu.be/nXp90pns1hc


実のところ今日選んだ歌はいろんな想いも入っていて、親父やおふくろ、おじいちゃん、おばあちゃんが歌ってたとか…
「高原の駅よさようなら」の二番の歌詩、昔は、わからなかったんですが♪旅のお人と恨までおくれ♪…旅の人を裏まで送れ?(笑)
このへんは歌ってるとおばあちゃんを思い出したり、親父のことを思い出したり…クソ親父でしたけどね(笑)わが家はとんでもない家で…私がとどめを刺した(笑)
この頃から映画と流行歌が親密にセットになって来た…
「君の名は」「愛染かつら」…「愛染かつら」は三部作あるんですが、「愛染夜曲」「愛染草紙」…、「月よりの使者」月光仮面か?(笑)「新妻鏡」は、お千代姉さんが好きで歌ってましたが、メロドラマのハシリですね…
主人公の女性はたいがい看護婦さん(笑)清純なイメージがあるんですかね。それも時代でしょう。
ここはメロ・ドラマまでいってないというかメロ・ドラマより甘いメロ・ロラマを中心に歌ってみましょう。

夜は…
この辺は、三橋先輩、岡晴夫さん、小畑実さん、田端さんに一番ヒット曲が多い。
「啼くな小鳩よ」を歌った岡さんは、ブレスしないで全部つなげる(笑)小畑さんは、ネバルんですよ。「♪しぃ~ばしぃ わぁ~ぁかぁれぇ…♪」とまたまた歌マネで、客席は拍手喝采。美声でしたよ、あの方は。
この頃に、流行歌と映画が緊密に結びつくようになった。三度笠ものや、「愛染かつら」を代表とするメロ・ロラマ(笑)映画がモノクロ・スタンダード、この時代が捨てがたい。
メロ・ロラマのテーマソングを…

~メロ・ドラマまでいかない、メロ・ドラマより甘い「メロ・ロラマ」の主題歌~

イメージ 17純情二重奏  1939年(14年)
作詩:西條八十    作曲:万城目正 (原曲:霧島昇&高峰三枝子)

https://youtu.be/RbyF0yam3wk
*舟木さん歌唱「ひとりぼっち 懐かしの歌 1969年」収録/思い出アルバム」にも収録


目ン無い千鳥 1940年(15年) 
作詩:サトウハチロー  作曲:古賀政男 (原曲:霧島昇&ミス・コロムビア)

https://youtu.be/fBfqRM1UR8k


人妻椿  1936年(11年)
作詩:橋掬太郎  作曲:竹岡信幸 (原曲:松平晃)

https://youtu.be/3zo7Lb--oYs
*「竹岡信幸作品集 1972年」収録/「思い出アルバム」に舟木さん歌唱収録


三百六十五夜 1948年(23年) 
作詩:西條八十    作曲古賀政男 (原曲:霧島昇&松原操)

https://youtu.be/vMD0bfmMFNs

*「ひとりぼっち 懐かしの歌 1969年」収録/思い出アルバム」に舟木さん歌唱収録



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*松原操さんは戦前はミス・コロムビアとして活躍し後、霧島昇さんと結婚。

 ~アンコール

旅の夜風  1938年(13年) 
作詩:西條八十    作曲:万城目正 (原曲:霧島昇&ミス・コロムビア)

https://youtu.be/Fb91k68Ch5c



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今年のシアターコンサート「ひばりが翔んだ日々」も、ステージ・シンガーとしての舟木さんの大仕事という印象を持ちましたが、今回の「ー風アダルトに~嗚呼!!懐かしの流行歌」もまた、歌が大好きで、その歌で生業を立てて行こうという覚悟を決めた若い頃の舟木さんの歌い手としての原点を示していただいたようで、私の心に残るコンサートになりました。「昭和の流行歌、バンザイ!」です。


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