演舞場公演が終わって、早くも、3日が過ぎましたね。私は、というと、なかなか、時間がとれずに、今回の演舞場公演の観劇(=感激)のまとめもできないでいます。すみませ~ん!
今年のお芝居のすばらしさには、本当に感動の連続でした。まず、脚本がいい、演出も、もちろん、ツボを心得たもの。笠松さんの音楽も、とっても冴えていて、何より、劇中で「春はまた君を彩る」が、なんとも新鮮にアレンジされて流れてきたのには、舟木さんのプロデュース・センスの良さに脱帽。時代劇に使いたいとずっと考えていた…という舟木さん。ライトで美しいメロディーラインの「春はまた君を彩る」を、ややハード・ボイルドな「天保六花撰」に、織り込むとは…どこから、そんな自由な発想が生まれるのかしら?…と、その柔らかでみずみずしい感性に、驚くばかりでした。72歳とは名ばかり。脳細胞は、まだ十代かも…(笑)なんて、あらためて、外見のみではない、その精神の若さに気づかせていただいた心持です。
外見のみではない…と言えば、あの140手(里見さんが、千秋楽のコンサートの時に、話してくださったのは、これまでの僕の立回りで一番多かったのが120手、それよりも多い140手…だと)もあったという長時間の大立ち回りです。舟木さんの、あのビジュアルの若さは、決して見掛け倒しではないということが、本当によくわかりました。
私が、演舞場公演を拝見したのは、まだ、今回で四回目。「花の生涯~長野主膳ひとひらの夢」、「天一坊秘聞~八百万石に挑む男」「気ままにてござ候~巷談・勝小吉」、それぞれに舞台俳優としての舟木さんの力量と魅力を満喫させていただいたことに間違いはないのですが、今回ほど、「全身全霊」という大立ち回りの気迫、そして、また、しみじみとした「情感」あふれる舟木さんらしさあふれるセリフの数々に、金子市之丞という「心優しい無頼漢」が、舟木一夫という人そのものと、重なり合って見えたことは、なかった気がしました。
「柔と剛」「理と情」「静と動」…などなど、全く正反対のものが、混在する魅力を兼ね備えた舟木さんに、これ以上ない「ハマり役」じゃないの!と胸のすくような思いがし、少なくとも私がナマで拝見した近年の舞台作品中の最高傑作だと感じました。
年を重ねるとともに、徐々に立ち回りも抑え、主人公の年令も、やや中年という設定になっていくのだろうな…などど失礼なことを想定していた私の推測は、見事に覆され、歌舞伎作品の白波物のような、いわゆる「不良少年」たちが、思う存分に暴れ回るような「活劇」っぽい作品を、まだまだ…とばかりやってのける舟木一夫…って、何者?そうなんだ、やっぱり只者ではないんだ!
舟木さんファンにとっても、そうでない一般のお客様にとっても、掛け値なく、そう感じさせた2016年12月の舟木一夫公演だったと思います。
もっと、いっぱい、書きたいことがあるのですが、今日のところは、この辺で…
お正月あたりは、少しは、落ち着いてパソコンの前に座れるかな…と願っているのですが。
そいういうワケで、どこかで、舟木さんの舞台についての劇評など、書いてくださっているプロのもの書きさんがいないだろうか…とネットの海を漂流していたら、嬉しい記事を見つけましたので、こちらを、ご紹介させていただいて、また、おいおい私自身の、観劇の感想などは、日記に記していきたいと思っています。
大島幸久の「何でも観てみよう。劇場へ!」
http://mety.org/company.html
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アイドル夢の世界
舟木一夫は今もアイドル NEW!
新橋演舞場で12月2日開幕した「舟木一夫特別公演」を6日にじっくり観劇。芝居「華の天保六花撰・どうせ散るなら」と「シアターコンサート」で見せた舟木の魅力の神髄に目を凝らしたのだった。
芝居で彼の役は剣客・金子市之丞。小悪党六人衆の一人で、まず、舟木の演技。着流し、黒羽織に袴など5回着る和服姿が実に板に付いていた。それは袖と裾のさばきが巧いからだ。
次は“演技する目”である。その目付き、特に流し目になると台詞とのバランス、逆にアンバランスを使い分けた。間合いのいい台詞術では台詞をあえて切ってしゃべり、メリハリを付けるやり方。仕種では腕組みをしたり、右手を腰に話したり、懐手にして花道を去っていく。
そして化粧。白粉を多めにした顔化粧だから、その色白の顔が若く見える。
以上3点。長谷川一夫、大川橋蔵からの直伝か、大先輩を注意深く観察して身に付けたのだと思う。大詰の大立ち回りでは「どうせ散るなら、ここらで潮だ」と派手に散った。
「シアターコンサート」では昼公演での全16曲。この日は25人の女性ファンからプレゼントを一人一人握手しながら、歌いながら受け取った。トークでは「今年はピピッと寒くなりませんね」「大立ち回りでは立っているのがやっとでした」「2、3日前に風邪を引いた。咳が止まらない今年の風邪。気を付けてくださいね」「先輩歌手は整然と歌っていましたが、ボクたちの世代は坂本九さんあたりから一緒に楽しもうという風になった」と実に面白く話す。途中、テニスラケットでサインボールを客席に打ち返すサービス。そして当方が大好きな「学園広場」になった。「高校三年生」では手拍子が起きた。「学園広場」は静かに聴きながら上半身を左右に揺らすファンが多かった。いつもの光景だが、芝居といいコンサートといい、舟木のステージは華があり、艶があり、色気がある。12月12日には72歳になると自己紹介した。おっと、当方は12月13日生まれ。昭和30年代に青春時代を送った歌手と観客の一体感。だから、歌手舟木一夫は今もアイドルなのである。
ちなみに公演限定の「舟木ごのみ御膳」がある。八寸は玉子焼き、ローストチキンバジル風味など。御造りは鯛と鮪。煮物は豚の角煮や揚げ豆腐蟹餡かけなど。御飯は梅ちりめん雑魚、香の物、そして吸い物だった。
(平成28年12月7日)
芝居で彼の役は剣客・金子市之丞。小悪党六人衆の一人で、まず、舟木の演技。着流し、黒羽織に袴など5回着る和服姿が実に板に付いていた。それは袖と裾のさばきが巧いからだ。
次は“演技する目”である。その目付き、特に流し目になると台詞とのバランス、逆にアンバランスを使い分けた。間合いのいい台詞術では台詞をあえて切ってしゃべり、メリハリを付けるやり方。仕種では腕組みをしたり、右手を腰に話したり、懐手にして花道を去っていく。
そして化粧。白粉を多めにした顔化粧だから、その色白の顔が若く見える。
以上3点。長谷川一夫、大川橋蔵からの直伝か、大先輩を注意深く観察して身に付けたのだと思う。大詰の大立ち回りでは「どうせ散るなら、ここらで潮だ」と派手に散った。
「シアターコンサート」では昼公演での全16曲。この日は25人の女性ファンからプレゼントを一人一人握手しながら、歌いながら受け取った。トークでは「今年はピピッと寒くなりませんね」「大立ち回りでは立っているのがやっとでした」「2、3日前に風邪を引いた。咳が止まらない今年の風邪。気を付けてくださいね」「先輩歌手は整然と歌っていましたが、ボクたちの世代は坂本九さんあたりから一緒に楽しもうという風になった」と実に面白く話す。途中、テニスラケットでサインボールを客席に打ち返すサービス。そして当方が大好きな「学園広場」になった。「高校三年生」では手拍子が起きた。「学園広場」は静かに聴きながら上半身を左右に揺らすファンが多かった。いつもの光景だが、芝居といいコンサートといい、舟木のステージは華があり、艶があり、色気がある。12月12日には72歳になると自己紹介した。おっと、当方は12月13日生まれ。昭和30年代に青春時代を送った歌手と観客の一体感。だから、歌手舟木一夫は今もアイドルなのである。
ちなみに公演限定の「舟木ごのみ御膳」がある。八寸は玉子焼き、ローストチキンバジル風味など。御造りは鯛と鮪。煮物は豚の角煮や揚げ豆腐蟹餡かけなど。御飯は梅ちりめん雑魚、香の物、そして吸い物だった。
(平成28年12月7日)
■大島幸久メモ
東京生まれ、団塊の世代。ジャイアンツ情報満載のスポーツ新聞(スポーツ報知)で演劇を長く取材。演劇ジャーナリストに生まれ変わったばかり。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。何でも見ます。著書には「新・東海道五十三次」「それでも俳優になりたい」。鶴屋南北戯曲賞、芸術祭などの選考委員を歴任。毎日が劇場通い。
私も、12月4日の昼の部で、お昼に「舟木ごのみ御膳」をいただきました。
ボンビー・ガールの私としては大奮発。初めての桟敷席にて観劇。そして御馳走もお席にて…。