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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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55th シアターコンサート 新歌舞伎座 レポート(2月27日)

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わが家の玄関に飾っている蛤のお雛様

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新歌舞伎座のシアターコンサート、3日間のうちの中日にあたる2月27日開催のご報告遅ればせながらご紹介させていただきます。昼夜とも拝見しましたが、夜は、体調が万全ではないため途中退出しました。一応、昼夜のトークごちゃまぜですが、メモをたよりにレポさせていただきます。メモがグッチャグチャで自分でも解読不能なところもあって、おぼつかないかぎりですがそこは御勘弁を!

舟木さんのトーク部分はピンク文字

2月27日(月) 55th シアターコンサート in 新歌舞伎座


一部

~オープニング
イメージ 14初恋(1971)  作詩:島崎藤村 作曲:若松甲

ブルーグレーのアンサンブルの和服。演舞場の時はお着物と同系色の帯でしたが、今回は、羽織の紐と兵児帯はベージュ系でした。

2月も終わりですね。もうすぐクリスマス(笑)
お日柄の良い中ようこそおいでくださいました。
昨日、今日とあったかいですね。とっくりセーターしか持ってきてないので暑くて…

ひとくちに55年といっても18才の高校三年生が70ン才、ここまできたらもうにっちもさっちもいきません…
こんな着物で歌を歌うことはめっきり減りました。日本の男の子の着物はいいもんですね。

55周年といったところで逆立ちみたいなことをするわけではなく持ち歌の虫干しを…


まだみぬ君を恋うる歌(1964)  作詩:丘灯至夫 作曲:山路進一


あゝりんどうの花咲けど(1965) 作詩:西沢爽  作曲:遠藤実


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こういう歌は僕らの世代のお客さんまでで、あとがない…。古き良き時代の歌「人妻椿」「月よりの使者」…昭和40年代に入るとこんなタイプの歌はなくなりました。

デビューがあれでしたからかえって色んな方向にいけたんでしょう。僕はありとあらゆるジャンルの歌を歌わせてもらいました。「火消し若衆」「右衛門七討入り」…

ここから並べた歌はちょっと唱歌のような歌曲系のもの、3曲とも民話の世界を思わせます。どうぞお楽しみください。


イメージ 13貝がらの唄(1964)  
作詩:西村益子(「平凡」懸賞当選詩) 作曲:遠藤実
https://youtu.be/aeQsFQMGRRs

夕月の乙女 (1964) 作詩:西沢爽 作曲:遠藤実

木挽哀歌(1965) 作詩:安部幸子 作曲:遠藤実
https://youtu.be/OuoZrRaD0iI




日本の四季がはっきりしていた時代にできた歌詩。風景が浮き上がってくる。
さっきから歌ってるのは全部19の時の曲。12、3年前です(笑)
こういう仕事をしていると年のことは考えません…こうして拝見してるとお客さんのほうも結構キテるみたいですし(笑)
デビューした頃はこんなに長くお付き合いできるとは思ってなかったんですが…
私がデビューした頃は東海林さんが55才でした…東海林さんと言ってすぐにわかるなんていうのがスゴい(笑)
ここからは同じように抒情歌と言ってもちょっと艶っぽい色っぽい世界に…
三つ繋げます。

あゝ荒城の月哀し(1973) 作詩:石本美由起 作曲:遠藤実
石本美由起作品集収録

夕笛(1967) 作詩:西條八十 作曲:船村徹

イメージ 12恋唄(1977) 自作詩  作曲:浜圭介
https://youtu.be/xUgAc_zcPLg

おもいでつもる ふるさとに
昔あずけた 恋ひとつ
ただなつかしく たずねれば
涙のあとを 見るばかり

あなたがとても 好きだった
竹の葉末の 露の色
ふるえながらも この腕に
こぼれて落ちた 夢のいろ

しみじみ胸に よみがえる
忘れたはずの 歌のふし
今は はるかな恋唄の
おぼろにけぶる うしろ影

全部四拍子の世界ですね。短い詩というのはツボにハマると大きな世界になります。「悲しい酒」「旅の夜風」も四拍子の世界。
われわれの世代はこういう歌を聴くとホッとしますね。つくづく自分は昭和の歌い手なんだと思います。「昭和の風」がぽっと吹く。落語なんかも巧い下手というより「江戸の風」が吹いてくるようなのが大事なんだといわれますが…
いい時代に、いい作品を歌わせてもらった…という幸せを、しみじみと感じていらっしゃる舟木さんの想いが伝わってきました。

ラストは、羽織を脱いで…威勢のいい歌で…

銭形平次 (1966) 作詩:関沢新一 作曲:安藤実親



舟友さんのプレゼントの花束

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二部

~オープニング
水色の人(1963) 
作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
https://youtu.be/t_a1veoW_50

これもデビュー曲です。「高校三年生」のB面。ずいぶんとタイプの違うAB面にしたもんですね。「高校三年生」が特殊なのでB面をオーソドックスな曲にした…そうもいえるでしょう。
デビュー曲があれでしたから、その分、いろんな方向にいけたというか、色んなタイプの歌を歌わせてもらいました。二部の方では、通常コンサートではあまり歌わないムシボシをしようかと…
昭和の流行歌から平成になって変わってきたのは詩と楽器、アレンジでしょう。基本的な旋律部分はそんなに変わらない。

ここは「センチメンタルボーイ」から

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~プレゼントタイム



センチメンタルボーイ(1967) 作詩:川端茂 作曲:山屋清
東京映画「君に幸福を」主題歌




東京は恋する (1965) 作詩:丘灯至夫 作曲:山路進一





北国の街(1965) 作詩:丘灯至夫 作曲:山路進一
https://youtu.be/Xd3Fe4uzgx4


くちなしのバラード(1968) 作詩・作曲:万里村ゆき子





花咲く乙女たち(1964) 作詩:西條八十 作曲:遠藤実


イメージ 10こうやってステージで歌っていると、ずいぶん色んなタイプの歌を歌わせてもらった…
流行歌のステージも軽音楽の一部ですね。聴いてて疲れてくるのをたくさん並べない方がいいと…

僕の声はあんまりクセのないのが特徴。コロッケさんに言われました「銭形平次」の歌マネをしておもいっきりスベッたから二度と舟木さんの歌マネはやらない…(笑)
三橋美智也さんと僕はクセがないんですね。
例えば首をかしげながら唄うとか(笑)さらに。お千代姉さんみたいに…と「からたち日記」を「♪コ・コ・ロ・デ ス・キ・ト♪」…と歌マネでご披露。とっても巧いんで会場、いつものように大ウケでした。

デビューした頃は、歌えるのは、還暦、せいぜい60歳までが目途だと思ってました。こんなに長く歌えるとは歌い手冥利に尽きるわけです。どんなにお礼を言っても言い尽くせない。目標は…あくまで目標ですが…60周年です。その時、私は77歳ですが…。

僕は、デビューした頃はシティ・カントリーという感じの曲が多かった。ここは、その後、出てきたシティっぽい歌を並べてみます。


哀愁の夜(1966)  作詩:吉野哲哉 作曲:戸塚三博

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高原のお嬢さん(1965) 作詩:関沢新一 作曲:松尾健司
 ~バラード風バージョン




たそがれの人(1965) 作詩:安部幸子 作曲:山路進一


*夜の部は、ここで退出させていただきましたので以下のトークは昼の部の聞き取りです。


舟友さんのプレゼントの花束

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今年はシアターコンサートだけバイオリンのお姉さんにお願いしています。
向島ゆり子さん。きっと私の娘くらいの年だと思うんですが…
高校三年生もあと3年で後期高齢者(笑)
でもお客様も…(笑)
どちらが欠けても成立しない一対のもの…どうぞお大事に(笑)
単純明快なことなんですが若い時には気がつかない。
互いにお付き合いが長いと大変密接な関係ということになるでしょう。
同じ時代を過ごしてきた同士だから歌い手とお客様という立場の違いを超えて安心できる関係ということを舟木さんが今、あらためて感じていらっしゃるのが伝わってきました。

イメージ 18軽音楽をお聞かせする時はお客さんが疲れないように…歌い手があまり迫って唄うのは…(笑)このへんで歌い手と一緒に手など打って騒いでいただいて…
ジャケットを脱いで

~スタンディング&サインボール
君よ振りむくな (1999) 
自作 詩・曲








ジャケットお着替え。
これなんて言ったらいいんでしょうね。若草色でもなく黄色でもなく…ふと思いついたんですが「青いリンゴ色」(笑)


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その人は昔のテーマ(1966) 作詩:松山善三 作曲:船村徹

イメージ 5この歌は通常の流行歌の中には入りきらない…松山善三作詩、船村徹作曲の組曲です。
当時は「絶唱」の撮影とテレビドラマ「雨の中に消えて」の撮影の仕事を並行してやっていたところへ、「その人は昔」のアルバムの吹き込みを夜中にやっていた。3日間で収録するスケジュールでしたが、さすがに3日目にはオタマジャクシが動くんですよ(笑)とんじゃうんですね。でも丸々3日間で完成した時には、オレは天才なんじゃないか!…と思った…と言ってから天災は忘れた頃にやってくる…(笑)」即、おちゃらけてしまう舟木さん。歳を重ねても少年のように初々しくキュートなテレ屋さんですね。

5月にこちらで1ヶ月間お世話になります。面白くておかしい威勢のいい芝居ですから楽しんでいただけると思います。

ここからは後半戦。新しく1月に出た新曲「みんな旅人」と一昨年出た「春はまた君を彩る」の間に詰め込んでドドッといってみます。


みんな旅人(1982「WHITE」/2017シングルCD) 自作 詩・曲

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高校三年生 (1963) 作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
https://youtu.be/zjEmCdXDN28


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あゝ青春の胸の血は (1964) 作詩:西沢爽 作曲:遠藤実
https://youtu.be/-6Ab-mPmCfo


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君たちがいて僕がいた (1964) 作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
https://youtu.be/0SleP4YhqF4



学園広場 (1963) 作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
https://youtu.be/BMBCZd5BlGI

新橋演舞場ではなかったスタイルですが、通常コンサートの「高校三年生」のように「学園広場」のワンコーラス目が舟木さんの誘導で、客席全員での合唱となりました。しみじみとした、やさしいコーラスが劇場を包んで、またまたウルウルしてしまいました。



春はまた君を彩る(2015) 作詩:松井五郎  作曲:南こうせつ


~アンコール  
アカペラの吉野木挽唄が流れて、通常コンサートで入った「小雪~ぃ!」の声も…
新橋演舞場のシアターコンサートでは、入ってませんでしたから新歌舞伎座からのスタイル。とってもうれしい演出です。

幕が上がって、黒のジャケットの舟木さんが登場

イメージ 3絶唱 (1966) 作詩:西條八十 作曲:市川昭介
https://youtu.be/L6A4PT6kh_4

愛おしい 山鳩は
山こえて どこの空
名さえはかない 淡雪の娘よ
なぜ死んだ ああ 小雪

結ばれて 引き裂かれ
七年を 西東
いのち短く 待つ日は永く
泣きぬれた ああ 小雪

山番の 山小屋に
春が来る 花が咲く
着せて空しい 花嫁衣裳
とこしえの ああ 小雪

ルルル…
なぜ死んだ ああ 小雪


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55th 通常コンサートでも、シアターコンサートでも「絶唱」が、締めくくりの曲になっていて、一昨年あたりから、フルコーラスで歌われているなど、ここへきて、ステージでも「絶唱」を大切に歌ってくださっているのが、私としては、本当に嬉しく感激しています。

「高校三年生」「学園広場」などは、また意味合いとしては別格の曲だとしても、「絶唱」は舟木さんにとって、歌い手としての栄誉を授かり、また同時に、その後の歌い手としての苦悩の始まりともなった歌ですが、長い歳月の中で、磨いて、磨いて、育てあげて、これだけ深みのある世界を築き上げてこられて、今に至ったことに心からの感動を覚えています。

「高校三年生」とそれに続く学園ソングのヒットが一過性のものだったのか、そうでなかったのかを確認したかったと舟木さんは、よく言われていますが、「絶唱」という映画と曲のヒット(レコード売上枚数では、「高校三年生」を上回るヒットだったと聞いています。)は、作品の完成度といいテーマの「普遍性」といい、同じように一過性のものではなく、まぎれもなく芸能史の中での金字塔だと言っても過言ではないと思います。

「抒情歌」の香りを湛えつつ「抒情歌」を超えている…精神性という意味でも、これほどの品格を備えた作品が、昭和の庶民に広く受け入れられたのは、舟木さんの纏った真摯さ、誠実さ、一途さというオーラの力だったと思います。

大江賢次原作「絶唱」と舟木さんとの出逢い、そしてそれに続いて、市川昭介氏が舟木さんのために書いておいたという曲を映画の封切り直前に主題歌を作ろうということで急遽、西條八十先生に持ち込んで詩をつけていただくように依頼したという経緯。さらに、大江賢次作「絶唱」と市川氏の曲と舟木一夫という素材の魅力の三つを限られた短い時間で、コーディネートし、見事に四行詩の世界に収斂させた西條八十という詩人の才能。

何十年経っても、私の心にある感性の泉として枯れずにある「絶唱」という作品に心からの感謝と賞賛をあらためて送りたい想いでいっぱいです。




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