舟木さんの55周年に向けてエールを!アルバム10枚組「限りない青春の季節」(1977年発売)
収録内容について随時掲載中です。今回は「その4」
歌手生活15周年記念 限りない青春の季節 舟木一夫大全集
デビュー15年という区切りを迎えるのに際して、舟木さんがデビュー当時からの15年間に歌ってこられた主だったオリジナル曲の再録音はじめ、未発表曲、自薦曲など、舟木さんの15年のあゆみが、ぎっしり詰まったアルバムから、なんとなく、今、聴いてみたい曲を選んでみました。
歌手生活15周年記念 限りない青春の季節 舟木一夫大全集 より
~ヒットパレード5~ 収録曲
~ヒットパレード5~ 収録曲
噂めぐり
心のロベリア
風信子だより
レマンのほとり
日曜の恋人
想い出通り
一葉舟
恋唄
友よ
流氷祭り
西海岸
このアルバムが出された頃に、シングルとして、あるいはアルバムの中に収録されて発売された曲の中から先ず2曲御紹介します。2曲に共通するキイワードは「駅」です。ふたつの曲をつなげて聴いてみるとひとつのストーリーが目に浮かびます。
フォーク調、あるいはニューミュージック系という感じで、いずれも1970年代の青春という香りがしますね。舟木さんの歌声も、爽やかさと透明感にあふれていて気持ちのいい歌唱になっていて素敵です。
この大全集には72Pにもわたる冊子(一番上の写真左が表紙です)が付いているのですが、ただの歌詩集というのではなく、当時の舟木さん担当のプロデューサーだった日本コロムビアの文芸部、矢部公啓氏の詳細な解説を中心に、芸能・音楽関係者の方々から寄せられた文が、見事な編集力で掲載されています。以下に、その中の一文を転載させていただきます。
舟木一夫、彼には”青春歌謡”がよく似合う。加えて、これもデビュー以来、耐え忍ぶ感じを与える風格があった。このふたつが微妙なバランスを保って、彼をスター歌手に仕立てた。
彼の中に、その二つが無理な形で入り込んでいたとは思わないが、彼自身、それにひたりきれることのここち良さを覚えていたように思う。しかし、若さと智慧で、これをはねのけてしまったことがある。
年令相応、当たり前に無理なく呼吸する。スター歌手が一度はくぐり抜けるトンネルを、彼は彼らしい方法でしか抜け出せなかった。デビュー十五周年。今の彼には、さわやかな風格が芽生えた。あとは”青年歌謡”とでもいうべき新しいジャンルを作ってほしい。
彼の中に、その二つが無理な形で入り込んでいたとは思わないが、彼自身、それにひたりきれることのここち良さを覚えていたように思う。しかし、若さと智慧で、これをはねのけてしまったことがある。
年令相応、当たり前に無理なく呼吸する。スター歌手が一度はくぐり抜けるトンネルを、彼は彼らしい方法でしか抜け出せなかった。デビュー十五周年。今の彼には、さわやかな風格が芽生えた。あとは”青年歌謡”とでもいうべき新しいジャンルを作ってほしい。
神山氏が、ここで言われている言葉に、私は共感を覚えました。物書きらしい、とてもデリケートでナイー
ブな表現をされていますが・・・行間を読み取っていくと、舟木さんの想いに寄り添った温かさを感じます。
ブな表現をされていますが・・・行間を読み取っていくと、舟木さんの想いに寄り添った温かさを感じます。
「さわやかな風格」・・私たちが現在の舟木さんを拝見して、感じる佇まいそのものを見事に表現してくださっています。デビュー15周年の頃の舟木さん、50周年を過ぎて55周年に向かっていらっしゃる現在の舟木さんも、「さわやかな風格」そのままというのが、なんとも嬉しいです。
”青春歌謡”と”青年歌謡”ふたつの言葉についても、私がいつも思っている青春前期と青春後期というイメージと重なる感じがして、なるほど・・と思います。
二十代半ば過ぎあたりまでを「青春前期」、三十代にさしかかった頃から四十代手前までが、私自身の心象や、あるいは様々な出来事に遭遇した時の感覚などに引き付けてみると、「青春後期」と思えるので、神山氏が言われる「青年歌謡」は、「青春後期」にある者にしかわからない感情が詠われた歌であるように思うのです。
二十代半ば過ぎあたりまでを「青春前期」、三十代にさしかかった頃から四十代手前までが、私自身の心象や、あるいは様々な出来事に遭遇した時の感覚などに引き付けてみると、「青春後期」と思えるので、神山氏が言われる「青年歌謡」は、「青春後期」にある者にしかわからない感情が詠われた歌であるように思うのです。
まだ、「青春」と訣別しきれてはいないけれど、もっと幼く、未熟だった頃の自分を「弟か妹」を見るようなまなざしで振り返ることのできる時期・・それが「青春後期」あるいは「青年時代」と言えるような気がします。
15周年の頃の舟木さんの歌声は、そんな「青春後期」にある、心のゆとりがかもしだすぬくもりとか、過ぎ去っていく「青春の後ろ姿」をじっと佇んで見つめる一抹の淋しさとかが、深い地中から地上に向かって湧き出る泉のように豊かな表現力となって、私たちの心を揺さぶります。
それは、神山氏の言葉を借りて「青年歌謡」と云ってもいいのかも知れません。
日曜の恋人 作詩:石坂まさを 作曲:竜崎孝路
http://www.youtube.com/watch?v=0EGGf-yHPqo (舟友のkazuyanさんの動画です)
(1976年 シングル「レマンのほとり」カップリング曲/アルバム「レマンのほとり」収録)
朝の改札口で 待った僕なのさ
遠くからふたり 目と目でそっと
あいさつを 交わしあったね
僕のアパートをあの人は
手ぎわよく片づけ
上手にコーヒーなんかを
わかしてくれたっけ
意味もなく ある日別れたけれど
今も僕の 恋人さ
あの人はいつでも 歌ったね
僕のギターにあわせ フォークソングを
黒髪が揺れて この腕の中
あの人は ふと泣いたっけ
*名残つきないで
夜のホーム帰すのがつらくて
何度も下りの電車を見送らせた僕さ
意味もなく ある日別れたけれど
今も僕の 恋人さ
夜のホーム帰すのがつらくて
何度も下りの電車を見送らせた僕さ
意味もなく ある日別れたけれど
今も僕の 恋人さ
*くりかえし
一つ一つの思い出を 街のすみに埋めました
愛の訣別(わかれ)にふさわしい
きれいななにかが欲しかった
花の名前はロベリアで 君に似てる花でしょう
愛のかたちは壊れても 花は芽生えて咲くでしょう
やがて記憶は薄れても やはり花は咲くでしょう
とても虚しくおもえても
きれいななにかが欲しかった
花の名前はロベリアで 君に似てる花でしょう
秋はこころの陽かげりか 風さえ気弱に吹いてゆく
花の名前はロベリアで 君に似てる花でしょう