2014 新橋演舞場シアターコンサート
毎年恒例になっている開場時に配られるカードです
私が、初めて「新橋演舞場シアターコンサート」を拝見したのは2012年12月26日のことでした。この
時は、まだ舟木さんと「再会」してから3ヵ月でした。そして、今回が、私にとっては三度目の「新橋演舞場
シアターコンサート」です。12月14日の中野サンプラザ・ファイナルの余韻を残したまま上京しました。
お天気も上々で新幹線から見える富士は、山の中腹あたりまで雪を戴いて、くっきりと姿を見せていました。幸い、行きも帰りもお天気に恵まれた、2014年最後の「舟旅」を締め括る事ができ感謝です。
時は、まだ舟木さんと「再会」してから3ヵ月でした。そして、今回が、私にとっては三度目の「新橋演舞場
シアターコンサート」です。12月14日の中野サンプラザ・ファイナルの余韻を残したまま上京しました。
お天気も上々で新幹線から見える富士は、山の中腹あたりまで雪を戴いて、くっきりと姿を見せていました。幸い、行きも帰りもお天気に恵まれた、2014年最後の「舟旅」を締め括る事ができ感謝です。
それでは、できる限りですが、公演中に、コソコソととったメモを頼りに、舟木さんのトークを中心にして報告させていただきます。トーク部分は、昼夜、ごちゃ混ぜです。雰囲気だけでも伝われば幸いです。ピンク文字は舟木さんのトークです(聴きもらしたところがたくさんあります。記憶の糸をたぐりよせてなんとか文字おこしていますので、録音の「テープおこし」のように正確にはいきませんことをご諒承下さいね)
昼の部 第一部2時~2時45分(45分) 休憩(35分) 第二部3時20分~4時45分(85分)
夜の部 第一部6時~6時45分(45分) 休憩(35分) 第二部7時20分~8時45分(85分)
夜の部 第一部6時~6時45分(45分) 休憩(35分) 第二部7時20分~8時45分(85分)
一昨年、昨年のシアターコンサートでは、開演してからプレゼントコーナーが設けられていましたが、今年は開演5分ほど前に、舟木さんが幕前に登場されて、プレゼントを受け取るというスタイルでした。
では、幕前でのプレゼントタイムの模様から報告します。
舟友さんの昼の部の花束です。ロマンチックな色合いですね
黒の比較的ロング丈の長そでシャツにブルージーンズ、黒の運動靴で登場。例によってアメ玉を口に入れてラフな感じの舟木さん。年々、オフィシャルのコンサートでも佇まいやお喋りの中身がリラックスしているように思います。舟木さんとファンとの絆、信頼関係が見えるとってもいい距離感で客席の雰囲気もなごみます。
今日は中身がアレなんで、先にいただきものをいただいて……どうやら70(才)というのが重く肩にのしかかってきてヘッピリ腰になってますが…(中腰でたくさんのプレゼントを次々に受け取るのは大変でしょうね)でも、年末としては、あったかいですよね。あまり冷える所にいないようにしています。こないだNHKの「歌謡コンサート」に出て、思ったのは、僕も含めてみんな老けた…(笑)一番ラストの「学園広場」あれは、NHKの演出なんです。若い女性とウデ組んで階段を下りる……仕方ないからVサインして出ました。まともには出られませんよね(笑)あのくらいの女性の年齢からすると、親父じゃないです。オレなんかおじいちゃん(笑)
夜の部では、どうしてこんなにいっぱいお菓子がくるんでしょうか?とプレゼントタイムのお手伝いをされてるコーラスの女性の方に「重いよ!おもちがいっぱい入ってるよ、しっかりおもち(お持ち=お餅)よ!ハ・ハ・ハ……出ましたダジャレ(笑)羊羹かな?最中かな?とお菓子の中身を話題にしたりして、なめらかお喋りが続きました。
爆笑モノのお喋りもありましたが、ここでは、一部オフ・レコにしてます。何とぞ御容赦を!
プレゼントがたくさんあったので昼の部の開演時間は2時5分となりました。
プレゼントがたくさんあったので昼の部の開演時間は2時5分となりました。
第一部
ベージュ系というか淡いブラウン系というか落ち着いた色合いのタキシード、衿部分とパンツの脇のラインは黒の光沢のあるサテンのような素材、白のシャツに黒の蝶ネクタイ、胸ポケットにモノトーンのチーフ。
(舟友のkazuyanさんの動画です)
今年も一年どうもありがとうございました。一年の最後に新橋演舞場というのが、一番落ち着きます。今年一番大きな出来事は70になったということ。カズオちゃんもついに大台に…こうなったらいけるとこまでいくしかない! (拍手) 今日は僕自身も楽しみながら仕事納めです。
東京は恋する
https://www.youtube.com/watch?v=j5JGg6EKfbA (kazuyanさんの動画です)
https://www.youtube.com/watch?v=j5JGg6EKfbA (kazuyanさんの動画です)
「哀愁の夜」なんていうのは、ツーコーラスからフルコーラスにせざるを得なくなった。歌に力があると、その歌の大切さに還っていくんでしょうね。
今年嬉しかったことは…今までは、もう68とか69とか云われてイヤだったんですが、70になってスッキリしました。
それと、「八百万石に挑む男」が演れたこと。若い頃にはできない役、座ってセリフを言って、それがちゃんと納まる…若い頃には、若い頃の匂い(旬)があり、年齢がいくとその年齢の匂いがある。
今年嬉しかったことは…今までは、もう68とか69とか云われてイヤだったんですが、70になってスッキリしました。
それと、「八百万石に挑む男」が演れたこと。若い頃にはできない役、座ってセリフを言って、それがちゃんと納まる…若い頃には、若い頃の匂い(旬)があり、年齢がいくとその年齢の匂いがある。
ここは、何?…とバックのバンドを振り返って…オレが一番テレくさいやつ、いくのね!…アイよ!!…っと
(NHK「歌謡コンサート」2014年12月23日放送)
「高校三年生」「学園広場」は、10年くらい前からセットになってるんですが、これは例えば1時間半のステージでオープニングに「高校三年生」で、エンディングが「学園広場」という風にバラしちゃうとアキマヘン!これは、あくまでワンセット、こないだ(NHK[歌謡コンサート」)は、二十代の女性に囲まれて……ム・フ・フ・フ(拍手)しょうがないからVサインしながら……
学園広場
https://www.youtube.com/watch?v=YBFOosU1A1c (1977年「限りない青春の季節」音源)
「学園広場」の時には、NHKのときのようにステップからVサインをして両手を左右に動かしながら満面の笑みで、下りてくるお茶目な舟木さんでした。唄い終わってから、やっぱり一人じゃサビシイね(笑)…と
https://www.youtube.com/watch?v=YBFOosU1A1c (1977年「限りない青春の季節」音源)
「学園広場」の時には、NHKのときのようにステップからVサインをして両手を左右に動かしながら満面の笑みで、下りてくるお茶目な舟木さんでした。唄い終わってから、やっぱり一人じゃサビシイね(笑)…と
あのNHKの「学園広場」の風景は、舟木さんが本当に楽しそうで、それでいてチョイ・テレで可愛らしくて私もまた見てみたいです。でも、この日の舟木さんは嬉しすぎてこういったコンサートの時より唄う時はキンチョーしてたかも(笑)
このへんの歌は52年前の歌でですからね。この頃、大先輩の歌が聴きたくなってきたんですよ。三波春夫という方は口が大きい、あの方は口の中の容積が大きいから、あの明るい、ワァ~ッという声が出るんですよ。たくさんの、いい先輩に出逢えました。
あまり長く喋ってると時間が予定よりのびる…200円くらい余計にいただきます…ずいぶん安いなァ(笑)
あまり長く喋ってると時間が予定よりのびる…200円くらい余計にいただきます…ずいぶん安いなァ(笑)
一部の最後はラブソング系を並べてみます。
高原のお嬢さん
バラードバージョン
End-love 作詩・作曲:上田成幸
https://www.youtube.com/watch?v=7JXy8jtGKZA (kazuyanさんの動画)
https://www.youtube.com/watch?v=7JXy8jtGKZA (kazuyanさんの動画)
休憩 35分
第二部 前半
二部は85分もありますから、途中で「お色直し」が入りました。まず前半は、白というかシルバーのような
光沢のあるヒゲ紬の着物、チャコールグレーの襦袢、帯は白地にチャコールグレー系の縞、足下(もと)は、雪駄で、鼻緒はやはり光沢のあるチャコールグレー。
光沢のあるヒゲ紬の着物、チャコールグレーの襦袢、帯は白地にチャコールグレー系の縞、足下(もと)は、雪駄で、鼻緒はやはり光沢のあるチャコールグレー。
オープニング
~浜の若い衆
http://www.dailymotion.com/video/x24vkon_%E8%88%9F%E6%9C%A8%E4%B8%80%E5%A4%AB-%E6%B5%9C%E3%81%AE%E8%8B%A5%E3%81%84%E8%A1%86_music
(1965年)
二部は、ふだん唄わない歌、いい歌なのにステージに入り込めないものを中心に…
「浜の若い衆」は二十歳の時に、NHK「今月の歌」だったかな?サッパリした歌で未だにこの歌は好きです。ふだん全然唄ってないので、歌詩がアブナイですが、ま、いいか…久しぶりに聴くんでお客様の方もわかんない(笑)江戸っ子の歌をふたつ…
「浜の若い衆」は二十歳の時に、NHK「今月の歌」だったかな?サッパリした歌で未だにこの歌は好きです。ふだん全然唄ってないので、歌詩がアブナイですが、ま、いいか…久しぶりに聴くんでお客様の方もわかんない(笑)江戸っ子の歌をふたつ…
このへんの歌は今はありません。言葉っていうのが変わってきたというのが大きいんでしょうね。お寿司屋さんの代々とか天ぷら屋さんの代々とか銀座近辺にはあるんですがそれも今はむつかしくなってきましたからね。日本調というのでくくるのか演歌とつかまえるのか…線引きはむつかしい…ひばりさんの「大川ながし」…♪月は東に 月は東に 陽は西に…ちょっと唄ってみる舟木さん。あのへんは演歌なのか日本調なのか…ここに置いた二曲は、新橋演舞場で唄うには、これ以上ピッタリなものはないという新派の曲…
白いうなじに ふたすじみすじ
映える黒髪 濡れる指
ひびく柝(き)の音にいのちをのせて
廻る舞台に 咲かせる華は
意地も哀しい 女形
映える黒髪 濡れる指
ひびく柝(き)の音にいのちをのせて
廻る舞台に 咲かせる華は
意地も哀しい 女形
役者ぐらしを ふとふりむけば
眉もはかない 柳腰
好きで重ねた苦労のかげに
散ったつぼみの 夢抱きしめて
かざす 新派の舞扇
眉もはかない 柳腰
好きで重ねた苦労のかげに
散ったつぼみの 夢抱きしめて
かざす 新派の舞扇
泣いておどけて 芝居がはねて
流す白粉(おしろい) にじむ紅
足袋の小鉤(こはぜ)に涙を留めて
薄い灯りの楽屋を出れば
湯島見るよな おぼろ月
流す白粉(おしろい) にじむ紅
足袋の小鉤(こはぜ)に涙を留めて
薄い灯りの楽屋を出れば
湯島見るよな おぼろ月
鶴八鶴次郎 作詩・作曲:舟木一夫
(公式音源はないと思います 1999年後援会発足35周年のコンサート資料より聴きとり)
(公式音源はないと思います 1999年後援会発足35周年のコンサート資料より聴きとり)
水に鴛(おしどり) 月には桜
幼なじみは 番い(つがい)鶴
生まれついての 芸人かたぎ
糸と撥とが 好かれて好いて
流す浮名も江戸育ち
幼なじみは 番い(つがい)鶴
生まれついての 芸人かたぎ
糸と撥とが 好かれて好いて
流す浮名も江戸育ち
意地と意地とが からんで燃える
桧舞台の 三味の音
今日も今日とて ねじめの陰に
泣いて身をもむ 思いのたけを
知らぬふりする 馬鹿どうし
桧舞台の 三味の音
今日も今日とて ねじめの陰に
泣いて身をもむ 思いのたけを
知らぬふりする 馬鹿どうし
芸が荒れては その身の恥と
さとす心の すきま風
やぶれ障子の どぶ板長屋
徳利枕の ごろ寝の夢に
今日も他人の 花を見る
さとす心の すきま風
やぶれ障子の どぶ板長屋
徳利枕の ごろ寝の夢に
今日も他人の 花を見る
さえて悲しい 鶴八月夜
酒の苦さを また誘う
流す新内 未練じゃないか
惚れて乱れの 鶴次郎さんの
情の切れ間に 棹をさす
酒の苦さを また誘う
流す新内 未練じゃないか
惚れて乱れの 鶴次郎さんの
情の切れ間に 棹をさす
*三番は唄っていらっしゃいませんでした
「英もよう」は二代目の英太郎(はなぶさたろう)さんに頼まれて三十代まん中あたりに、僕でよければ…と作った歌。「鶴八鶴次郎」は二十四、五(才)の時に作った……「鶴八鶴次郎」という芝居が好きで、いつかやりたいと思っていた、まさかやれるとは思ってなかった。どこまでも、演舞場というのは根っから縁が深いということでしょうね。
「すみだ川」(♪銀杏返しに)とか「十三夜」(♪河岸(かし)の柳の 行きずりに)とかはステージに欲しいラインです。あるんですよね…「WHITE]に来るまで、結構いたずらしてるんですね。トンデモナイ奴ですね(笑)
本当にとんでもない才能です!二十代で「鶴八鶴次郎」の世界を、これだけコンパクトに的確に詩の世界だけで描けるのですから、驚きです。
こないだ中日劇場の千秋楽に唄いましたが、時間の関係で入りきれなかったのをやってみようと思います。ひとつめ「江戸の淡雪」、ふたつめ「総司が行く」、花柳喜章さんが近藤勇、内田良平さんが土方、僕が沖田総司…寝ててもオキタ……また、いたずらっぽい笑顔でダジャレです(笑)
みっつめが、田村正和さんが初めてテレビで主役をやる時の主題歌を僕にというお話が来て、僕が19の時に、TBS近くの喫茶店でお会いして、~~と(正和さんのボソボソした喋り方をマネる舟木さん)
「江戸の淡雪」といい「総司が行く」といい、二十代の半ばの作品ですが、驚きですね。その若さで、これだけの時代物への理解力と知識と、それにもましてこれらの「時代性」を感受し、イマジネーションを広げることのできる力は、やはり天分としかいいようがないのかも知れません。
江戸の淡雪 作詩:すずきじろう 作曲:山路進一 「忠臣蔵」もののお芝居、毛利小平太もあったんでしたよね
(1972年 大阪・新歌舞伎座「悲恋!毛利小平太」主題歌)
~1977年 アルバム「限りない青春の季節」収録~
(1972年 大阪・新歌舞伎座「悲恋!毛利小平太」主題歌)
~1977年 アルバム「限りない青春の季節」収録~
女心の 哀れに負けて
武士の意気地も 乱れがち
毛利小平太 はぐれて一人
赤穂浪士の
影をゆく 影をゆく
毛利小平太 はぐれて一人
赤穂浪士の
影をゆく 影をゆく
群れを離れた 一羽の鳥が
迷う心を もてあます
恋の情けか 忠義の道か
胸の痛みを
誰か知る 誰か知る
迷う心を もてあます
恋の情けか 忠義の道か
胸の痛みを
誰か知る 誰か知る
死ぬを覚悟の 道ゆき悲し
とけてはかなき 夢いくつ
江戸の淡雪 泣け降れ積れ
響く無情の
勝鬨に 勝鬨に
とけてはかなき 夢いくつ
江戸の淡雪 泣け降れ積れ
響く無情の
勝鬨に 勝鬨に
総司が行く 作詩:すずきじろう 作曲:山路進一
(1973年 明治座「沖田総司」主題歌)
~1977年 アルバム「限りない青春の季節」収録~
(1973年 明治座「沖田総司」主題歌)
~1977年 アルバム「限りない青春の季節」収録~
草葉の上の玉露か……
若き生命(いのち)の灯がゆれる……
人が怖れる 三段突きは
沖田総司の 剣の冴え
胸の病を 知りつつひとり
生きる”誠”の旗の下(もと)
沖田総司の 剣の冴え
胸の病を 知りつつひとり
生きる”誠”の旗の下(もと)
壬生の若獅子 一番隊の
剣の鬼だと 風が言う
笑い流して 京洛の夜を
今日も総司の 影が行く
剣の鬼だと 風が言う
笑い流して 京洛の夜を
今日も総司の 影が行く
二十余才の 生命の丈が
小倉袴の裾に舞う
孤剣ひとすじ 菊一文字
ゆくは幕末 修羅の道
小倉袴の裾に舞う
孤剣ひとすじ 菊一文字
ゆくは幕末 修羅の道
新吾十番勝負 作詩:植田梯子 作曲:安藤実親
https://www.youtube.com/watch?v=nWb3dzG0nus
(1966年 4曲入17cmLP収録/田村正和さん主演のテレビドラマ主題歌)
https://www.youtube.com/watch?v=nWb3dzG0nus
(1966年 4曲入17cmLP収録/田村正和さん主演のテレビドラマ主題歌)
さびしかろうと 涙は見せぬ
耐えて育った 山と河
抜いた刀に 抜いた刀に
涙かくして
新吾強いぞ 一人旅
水に捨てよか 儚い恋は
いずれ一夜の 忘れ草
若いいのちを 若いいのちを
勝負にかけて
葵の剣は きょうも舞う
誰が吹くのか 横笛遠く
風に流れて 消えてゆく
今宵新吾の 今宵新吾の
十番勝負
なぜかさびしい 月明り
耐えて育った 山と河
抜いた刀に 抜いた刀に
涙かくして
新吾強いぞ 一人旅
水に捨てよか 儚い恋は
いずれ一夜の 忘れ草
若いいのちを 若いいのちを
勝負にかけて
葵の剣は きょうも舞う
誰が吹くのか 横笛遠く
風に流れて 消えてゆく
今宵新吾の 今宵新吾の
十番勝負
なぜかさびしい 月明り
舟木さんが、新吾十番勝負を唄いながら、舞台下手から花道へ寄っていき、花道七三、スッポンから消えていくと、次は舞です。
舞/右衛門七討入り
(林啓二、長谷川かずき、川上彌生、真木一之)敬称略
(林啓二、長谷川かずき、川上彌生、真木一之)敬称略
第二部 後半
「絶唱」のイントロで、再び、舟木さんがスッポンからせり上がってきて第二部後半のはじまり。
後半のお召し物は、着流しではなくシルキーなチャコールグレーのようなダークブラウン系のようにも見えるアンサンブル(羽織付着物)、羽織の紐も同系色、履物は黒鼻緒の下駄、黒足袋。帯は柔らかい素材の兵児帯。
後半のお召し物は、着流しではなくシルキーなチャコールグレーのようなダークブラウン系のようにも見えるアンサンブル(羽織付着物)、羽織の紐も同系色、履物は黒鼻緒の下駄、黒足袋。帯は柔らかい素材の兵児帯。
愛おしい 山鳩は
山こえて どこの空
名さえはかない 淡雪の娘よ
なぜ死んだ ああ 小雪
山こえて どこの空
名さえはかない 淡雪の娘よ
なぜ死んだ ああ 小雪
結ばれて 引き裂かれ
七年を 西東
いのち短く 待つ日は永く
泣きぬれた ああ 小雪
七年を 西東
いのち短く 待つ日は永く
泣きぬれた ああ 小雪
山番の 山小舎に
春が来る 花が咲く
着せてむなしい 花嫁衣装
とこしえの ああ 小雪
春が来る 花が咲く
着せてむなしい 花嫁衣装
とこしえの ああ 小雪
なぜ死んだ ああ 小雪
*この日はツーコーラスでした。ちょっと残念!
ちょっとここでひと休みしましょうか、バンドメンバーも踊りっぱなしで(先ほどの「舞」が結構ハードな演奏
でしたから)アブナイ…とバックバンドを気遣う舟木さん。
2、3日前に、小雪から電話がありました。太っちゃった小雪…(笑)「ゴメンネ、北海道に来てるから26日
行けないの、お客様に宜しくね!」だって、一応伝えときます(笑)
行けないの、お客様に宜しくね!」だって、一応伝えときます(笑)
ここは抒情歌系で…
あゝ荒城の月かなし 作詩:石本美由起 作曲:遠藤実
https://www.youtube.com/watch?v=pUn_9iKGQHk
(1973年 LP「オール・スター演歌の花道 石本美由起作品集」収録)
https://www.youtube.com/watch?v=pUn_9iKGQHk
(1973年 LP「オール・スター演歌の花道 石本美由起作品集」収録)
約束もない 恋ならば
また会うことも かなうまい
しあわせいずこ 荒城に
春高楼の 歌かなし
みどりの髪に 矢絣の
紫似合う君はなく
崩れて残る 荒城に
おもかげ草は 今も咲く
おもかげ草は 今も咲く
月日はうつる 人の世に
かわらぬ姿 月ばかり
待つ人もない 荒城の
草笛さびし 恋かなし
かわらぬ姿 月ばかり
待つ人もない 荒城の
草笛さびし 恋かなし
恋唄 作詩:すずきじろう 作曲:浜圭介
https://www.youtube.com/watch?v=6EiCib4_kOU
(kazuyanさんの動画です。1977年/2004年 二つの音源でどうぞ)
https://www.youtube.com/watch?v=6EiCib4_kOU
(kazuyanさんの動画です。1977年/2004年 二つの音源でどうぞ)
舟友さんの夜の部の花束です。カードも付けて…
おもいでつもる ふるさとに
昔あずけた 恋ひとつ
ただなつかしく たずねれば
涙のあとを 見るばかり
昔あずけた 恋ひとつ
ただなつかしく たずねれば
涙のあとを 見るばかり
あなたがとても 好きだった
竹の葉末の 露の色
ふるえながらも この腕に
こぼれて落ちた 夢のいろ
竹の葉末の 露の色
ふるえながらも この腕に
こぼれて落ちた 夢のいろ
しみじみ胸に よみがえる
忘れたはずの うたのふし
今ははるかな 恋唄の
おぼろにけぶる うしろ影
忘れたはずの うたのふし
今ははるかな 恋唄の
おぼろにけぶる うしろ影
来年は12月に演舞場で一ヶ月お世話になります。なぜか、ここでいきなり新派の「婦系図」湯島境内の場の名セリフを…「お蔦、月は晴れても心は闇だ…」と男前の声で早瀬主税になりきったかと思うと、次は「別れろ切れろは、芸者の時に云う言葉…」と女形の声色までしちゃいました(笑)
昭和の流行歌っていうのは詩やメロディーの世界がどこか丸いっていうかあったかい…
春日さん、三橋さん、フランクさんまでが第三期黄金時代、次が三波さん、村田さん第四期黄金時代、そして橋さんの「潮来笠」ご自分の「高校三年生」、三田さんの「美しい十代」、西郷さんの「君だけを」どれも歌
マネでちょっとだけ唄ってみて「昭和の流行歌」の流れをコンパクトにレクチャーするところはやっぱり舟木
さんらしいですね。
春日さん、三橋さん、フランクさんまでが第三期黄金時代、次が三波さん、村田さん第四期黄金時代、そして橋さんの「潮来笠」ご自分の「高校三年生」、三田さんの「美しい十代」、西郷さんの「君だけを」どれも歌
マネでちょっとだけ唄ってみて「昭和の流行歌」の流れをコンパクトにレクチャーするところはやっぱり舟木
さんらしいですね。
僕なんかバトンを渡そうと思っても渡す人がいない。五木くんなんかも、同じでバトンを渡す人がない…
とさびしそうな舟木さんでした。ものごころつくかつかないかの頃から自然と耳にして聴きつづけてきた「昭和の流行歌」をバトンタッチする後輩がいない…というよりそれほど昭和が遠くなり世の中の景色も変わってきたということなんでしょうね。ここで船村メロディーを二曲…
さいはての月 作詩:舟木一夫 作曲:船村徹
(詩の漢字部分は聴き取りですので原詩と異なる部分があると思います。ご諒承下さい)
さいはての月は銀色
凍りつく夜の深さに
思い出が 揺れて泣いてる
凍りつく夜の深さに
思い出が 揺れて泣いてる
初めての恋にふるえて
死ぬまでといのちからめた
遠い夜 今はまぼろし
死ぬまでといのちからめた
遠い夜 今はまぼろし
さいはての月は銀色
いつまでも待つと言ってた
あの人の ここはふるさと
いつまでも待つと言ってた
あの人の ここはふるさと
さいはての月は銀色
見上げれば涙ひとすじ
吹きわたる 風にちぎれる
見上げれば涙ひとすじ
吹きわたる 風にちぎれる
さいはての月の作詩者名は、ここでは舟木一夫とさせていただきました。
2004年2月21日 後援会主催のコンサート資料より聴きとりの歌詩です)
2004年2月21日 後援会主催のコンサート資料より聴きとりの歌詩です)
~その時の舟木さんのトークを少し~
30代半ばに最初船村先生のメロディーがあって、それにつけられた最初の詩が気に入らなかったらしく先生が変えてと言われた。その時ディレクターに私(舟木さん)にやってみてくれと…いうことだったそうです。
30代半ばに最初船村先生のメロディーがあって、それにつけられた最初の詩が気に入らなかったらしく先生が変えてと言われた。その時ディレクターに私(舟木さん)にやってみてくれと…いうことだったそうです。
星の夜北へ帰る 作詩:関沢新一 作曲:船村徹
~15周年のアルバム「限りない青春の季節」 (未発売オリジナル12曲)に収録~
果てしなき 荒野を行けば
ほほぬらす 星の涙よ
ふるさとは 母のいる国
夜ごと見る 夢より遠し
ほほぬらす 星の涙よ
ふるさとは 母のいる国
夜ごと見る 夢より遠し
駒とめて 静寂(しじま)の中に
あおぎ見る 星の思い出
あの星は 指きりの星
この星は 恋そめし星
あおぎ見る 星の思い出
あの星は 指きりの星
この星は 恋そめし星
花咲けど その名も知らず
若き日の 君は旅人
人の世の 運命(さだめ)はかなく
あの星に いつの日逢わん
「星の夜北へ帰る」にまつわるエピソードを御紹介しておきます。
舟木さんの歌に向き合う真摯な姿が、とても素晴らしく、忘れられない感動的な一文です。
「必ずいつか歌いきってやる」…歌に真正面から対峙し、作品への尊厳の想いすら感じられます。
~舟木一夫 思い出の寄稿集~
「30周年記念全集CD「陽射し・旅人」別紙解説より~
これは15周年のアルバムに入れたものですが、しかし曲が出来上がって来たのは、僕が19才の時ですから、昭和39年でした。その時1回レコーディングしたのですが、曲のスケールに、歌い手が負けてしまい、どうしても歌いきれませんでした。こんな経験をしたのはこの作品が初めてでした。「くやしい」という気持ちが心の片隅にあったのでしょう。それから10年後にアレンジを変えて再チャレンジしました。しかし、やっぱりダメでした。くやしさは増すばかりでした。必ずいつか歌いきってやるというつもりで、15周年の時にアレンジを再び変えて、再々チャレンジをしました。そして15年目にして、やっとなんとか自分でも納得する歌に仕上がりました。(舟木一夫)
短い詩というのはメロディーがスコンとハマるとデッカクなる。「さいはての月」はメロディーが先にあって
、後で僕が詩をつけました。
、後で僕が詩をつけました。
次は、ちょっと今までのをひっくり返すようなのを!
銭形平次
~スタンディング
サインボール
これは、名曲ですね、どうやったって二つとはできない。真似したらバレちゃう…。生涯の財産です。橋蔵さんは、凄い方ですよ。こないだ、真理子夫人からお手紙をいただいたんですよ。とってもきれいな字ですからね、恥ずかしくてお返事が書けない……電話にしました(笑)
少し軽くなったところで、「日本の名曲たち」に入っていこうとオ・モ・イ・マ・ス…
←サインボール。デビュー以来、ずっと舟木さんと共に旅を続けてこられた舟友さんがゲットされました。舟木さんからの一日遅れのクリスマスプレゼントのよう!
~日本の名曲たち ~
出船 作詩:勝田香月 作曲:杉山長谷夫
(1968年アルバム ひとりぽっち2集「舟木一夫の想い出の歌」に収録)
(1968年アルバム ひとりぽっち2集「舟木一夫の想い出の歌」に収録)
今宵(こよい)出船か お名残惜しや
暗い波間に 雪が散る
船は見えねど 別れの小唄に
沖じゃ千鳥も 泣くぞいな
暗い波間に 雪が散る
船は見えねど 別れの小唄に
沖じゃ千鳥も 泣くぞいな
今鳴る汽笛は 出船の合図
無事で着いたら 便りをくりゃれ
暗いさみしい 灯影(ほかげ)の下(もと)で
涙ながらに 読もうもの
~勝田香月と「出船」について~
「出船」は香月満18歳の時、石川啄木を慕い北国に憧れ、北海道から秋田を廻り大舘から十和田湖へ行く途中の大滝温泉で作られた。「出船」に描かれている哀愁は、港で日頃から出船を見てきたものでなければとらえられないものを感じさせる。香月は粉雪が舞う小樽港秋田能代港での見聞をヒントにしたと言うが、幼少時の沼津で見た出船の残像が底にあったのであろう。大正11年(1922年)に出した第3詩集「心のほころび」の巻頭に揚げられ、同年懇意だった作曲家の杉山長谷夫が曲をつけ、音声家藤原義江がレコーディングに吹き込み大ヒットした。当時の世相を反映した物悲しい曲想が大衆の心を捉え全国に流れた。これにより香月の作詞家としての評価は高まり、以降多くの歌曲を作詞している。
白鳥の歌 作詩:若山牧水 作曲:古関裕而
https://www.youtube.com/watch?v=nh8SP6E7Mfc (舟友のいつでも夢を♪さんの動画です)
(1968年アルバム ひとりぽっち2集「舟木一夫の想い出の歌」に収録)
白鳥は 悲しからずや
空の青 海の青にも
染まずただよう
空の青 海の青にも
染まずただよう
幾山河 越えさりゆかば
さびしさの はてなむ国ぞ
きょうも旅ゆく
さびしさの はてなむ国ぞ
きょうも旅ゆく
いざゆかむ 行きてまだ見ぬ
山を見む このさびしさに
君は耐うるや
山を見む このさびしさに
君は耐うるや
昭和22年(1947)発表。酒と漂泊の歌人といわれた若山牧水の名歌3首に古関裕而が曲をつけたものです。連続ラジオドラマ『音楽五人男』の挿入歌として、また、これを映画化した東宝の同名作品の主題歌として使われました。(藤山一郎さん歌唱)
「出船」「白鳥の歌」は、二十代の初めの音源とは、またひと味違う今の歌唱。歌い手として、人としての5
0年の旅路で培ってこられた諸々の力が、川底の深い所でドッシリと水の流れを支えているようで、水面の美しさだけではない水底から響いてくるような感覚の歌声といったらいいのでしょうか。
まだあげ初(そ)めし前髪の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅(うすくれなゐ)の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
林檎をわれにあたへしは
薄紅(うすくれなゐ)の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな
夕笛 作詩:西條八十 作曲:船村徹
https://www.youtube.com/watch?v=PsMVvtl_4QM (映画シーン付動画)
https://www.youtube.com/watch?v=PsMVvtl_4QM (映画シーン付動画)
ふるさとの 蒼い月夜に
ながれくる 笛の音きいて
きみ泣けば わたしも泣いた
初恋の ゆめのふるさと
ながれくる 笛の音きいて
きみ泣けば わたしも泣いた
初恋の ゆめのふるさと
おさげ髪 きみは十三
春くれば 乙女椿を
きみ摘んで うかべた小川
おもいでは 花のよこがお
春くれば 乙女椿を
きみ摘んで うかべた小川
おもいでは 花のよこがお
ふるさとへ いつの日かえる
屋敷町 ふるいあの町
月の夜を ながれる笛に
きみ泣くや 妻となりても
屋敷町 ふるいあの町
月の夜を ながれる笛に
きみ泣くや 妻となりても
ああ花も恋も かえらず
ながれゆく きみの夕笛
ながれゆく きみの夕笛
浮世まかせ 作詩・作曲:上田成幸
https://www.youtube.com/watch?v=U0o1uQ11CLo(kazuyanさんの動画です)
https://www.youtube.com/watch?v=U0o1uQ11CLo(kazuyanさんの動画です)
花を枕の 盃に
紅のかおりの 舞う午後は
好いた惚れたに 酔うもよし
浮世まかせの 春だもの
とぎれとぎれに 蝉しぐれ
ほろり情に つまづいて
遠い父母 抱くもよし
浮世まかせの 夏の宵
ほろり情に つまづいて
遠い父母 抱くもよし
浮世まかせの 夏の宵
夢をたずねて いそぐ男(ひと)
待ってこがれて やせる女(ひと)
背中合わせの 旅もよし
浮世まかせの 秋深く
待ってこがれて やせる女(ひと)
背中合わせの 旅もよし
浮世まかせの 秋深く
どこか恋しい 古傷に
更けて木枯らし 冴える夜は
心ふるえて 泣くもよし
浮世まかせの 冬の中
更けて木枯らし 冴える夜は
心ふるえて 泣くもよし
浮世まかせの 冬の中
いいさ そうだよ 誰も皆
浮世まかせの 風車
浮世まかせの 風車
アンコール
いったん幕がおりて、再びあがると、羽織を脱いで着流しで登場です。
いったん幕がおりて、再びあがると、羽織を脱いで着流しで登場です。
一曲目
京の恋唄 作詩:西條八十 作曲:竹岡信幸
https://www.youtube.com/watch?v=Gj0UmeHqOt0 (kazuyanさんの最新V.動画です)
https://www.youtube.com/watch?v=Gj0UmeHqOt0 (kazuyanさんの最新V.動画です)
好きだけど たまらないほど好きだけど
あなたは可愛いい 薄羽の蝶々
抱くにはあんまり か弱くて
かなしく見おくる 嵐山
あなたは可愛いい 薄羽の蝶々
抱くにはあんまり か弱くて
かなしく見おくる 嵐山
さやさやと 嵯峨野の青竹風に泣く
あなたの来ない日 さみしい夕(ゆうべ)
昔も今でも 人の世は
恋ゆえ泣くのか 今日の秋
あなたの来ない日 さみしい夕(ゆうべ)
昔も今でも 人の世は
恋ゆえ泣くのか 今日の秋
恋あわれ 残るあなたの置手紙
抱けばほのかに 袖の香かおる
消えゆくあの夢 この夢おぼろ
若い日さみしく 鐘が鳴る
抱けばほのかに 袖の香かおる
消えゆくあの夢 この夢おぼろ
若い日さみしく 鐘が鳴る
二曲目
恋人形 作詩:舟木一夫 作曲:山路進一
うす墨の 空はつれない 雨もよう
帰るあてさえ ないひとに
いくつ折鶴 恋ごころ
にじむ 吐息の もどかしさ
帰るあてさえ ないひとに
いくつ折鶴 恋ごころ
にじむ 吐息の もどかしさ
ふるさとの 風はかおりも 秋化粧
落ち葉しぐれる 白壁に
揺れて とぎれて ほそぼそと
つらい噂も 気にかかる
うす紅の 目もとやつれて 恋人形
あやめ一輪 咲く帯に
かくしきれない あの夜の
命かさねた 夢のあと
落ち葉しぐれる 白壁に
揺れて とぎれて ほそぼそと
つらい噂も 気にかかる
うす紅の 目もとやつれて 恋人形
あやめ一輪 咲く帯に
かくしきれない あの夜の
命かさねた 夢のあと
休憩を35分挟んだだけで一部、二部あわせて130分。昼・夜、各31曲。2回のステージでなんと62曲
です。その全てを全身全霊で歌唱されました。
です。その全てを全身全霊で歌唱されました。
パンフレットのプログラムでは、第二部の後半は、この並びではなく「日本の名曲たち」として「出船」「白
鳥の歌」の二曲のみが並んでいたのですが、実際のコンサートでは、構成が変わっていました。
~パンフレットの並びは以下の通り~
初恋~あゝ荒城の月かなし~恋唄
日本の名曲たち 出船~白鳥の歌
銭形平次
さいはての月~星の夜北へ帰る
絶唱~夕笛~浮世まかせ
日本の名曲たち 出船~白鳥の歌
銭形平次
さいはての月~星の夜北へ帰る
絶唱~夕笛~浮世まかせ
実際のステージの構成で拝見して、帰宅後、二部のコンサートの余韻に浸りつつ、この報告をまとめているうちに、エンディング曲から、一旦幕が降りて再び幕が上がった時のアンコール曲のセレクトに至るまで練りに練ったステージの流れになっていて、それぞれの曲たちが、粒立って最大限に生かされていることに気づかされました。いつもながら、舟木さんの歌唱表現の素晴らしさにも驚かされますが、その舞台構成センスにも毎回脱帽です。
舟木さんが、一曲、一曲の歌たちへどれほど愛情をもって向き合っていらっしゃるかが、しみじみと伝わってくるのです。ステージに載せられる曲たちが、思いっきり光を浴びて輝いていることと舟木さんの歌声の響きの見事さとは、間違いなく手をつなぎ合って、あの感動的なステージを創り上げているのだと思います。そしてまた、今回は、日本語の粋を極めたような詩の世界を、シャワーを浴びるようにふんだんに楽しませていただきました。どれもこれも、名作で、日本語のもつ力、言霊(ことだま)を舟木さんの深い響きの歌唱で私の心に届けてくださいましたので、本当に贅沢三昧の時空間に漂うことができました。
耳の贅沢、心の贅沢とはこういうことを言うのですね。どの曲も、文字におこして目でも味わうと「日本人に
生まれてきて幸せ!」と心から思えるのです。
生まれてきて幸せ!」と心から思えるのです。
しかも、今回は、舟木さんご自身が創られた作品が、31曲中、11曲もセットされていました。
島崎藤村、西條八十、若山牧水、勝田香月という純粋詩、文芸詩の大家による名詩、そして昭和の流行歌を支えてこられた歌謡曲のヒットメーカーの作詩家によるオリジナルヒット曲と舟木さんの御自作の詩の世界観になんの違和感もないこと。こうしてステージの中に置かれていてもまったく遜色がないことに、感服します。私が、中学生の頃に知っていた舟木一夫という「人気スター」が、これほど多彩な才能を秘めていたことに今さらながら、驚いているというのが正直なところです。
「舟木一夫の世界」という大きな川の流れ、その水底にある豊かな感性の泉、確乎たる揺るぎない岩盤の中に息づいている高い精神性の核を、毎回のステージを拝見する度に見せつけられます。
歌い手として、プロデューサーとしての舟木さんの姿には、一回、一回に新たな発見があり新鮮ですが、それは、私が、単に舟木さんを好きだから「飽きない」のかというとそうではないように思います。
舟木さんご自身が、歌い手として、プロデューサーとして、たゆみなく表現者としての新たなチャレンジをさ
れているからなのでしょう。歌舞伎でも、文楽でも舞台芸術はナマモノ……二度と同じものを見せることはできず、また、同じものだと思わせたらそれはプロとしてはオシマイなんですね。
れているからなのでしょう。歌舞伎でも、文楽でも舞台芸術はナマモノ……二度と同じものを見せることはできず、また、同じものだと思わせたらそれはプロとしてはオシマイなんですね。
若い頃からの経験や精進で、たくさんのカードを懐中に秘めていらっしゃる舟木さんが、これから先もどんなマジック、イリュージョンを見せて下さるか、ワクワクします。早く来い来い、2015年!
最後に、御自作の11曲をもう一度、おさらいしてみますね。
第一部
君へ心こめて/眠らない青春/End-love
君へ心こめて/眠らない青春/End-love
第二部
英もよう/鶴八鶴次郎/江戸の淡雪/総司が行く/恋唄/さいはての月/浮世まかせ
英もよう/鶴八鶴次郎/江戸の淡雪/総司が行く/恋唄/さいはての月/浮世まかせ
アンコール
恋人形
恋人形