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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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『陽射し・旅人』あの頃の舟木さん・その8~ライブアルバム・1974年舟木一夫コンサートより(上)

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旧盆を迎えて、日中の炎暑はまだおさまらないものの、やっと朝夕は少し「ほっ」とひと息つけるかな・・という感じになりました。PCが置いてある我が家の二階の部屋は一日中日当たりがよくて家中で一番暑く、昼間はエアコンをONにしても効果がうすいので、なかなかPCに向かうことができません。
 
1974年11月2日と3日に開催された、東京郵便貯金ホール(京都会館では翌12月15日開催)での「舟木一夫コンサート」のパンフレットをテーマに7月半ばに下記の記事を掲載しました。このライブの音源が『舟木一夫ゴールデン・コンサート』としてアルバムになり翌年の1月に発売されているのですが、そのLPを8月の初めに運よく手に入れることができましたので、あらためて先のパンフレット内容と併せて御紹イメージ 1介します。長いので「上・下」に分けてアップします。
 
コンサートは二部構成です。第一部を「上」、第二部を「下」として先ずは第一部から・・・
 
 
『陽射し・旅人』 をてがかりに歌声でたどる「あの頃の」舟木さんその5 資料年表を併せてご参照下さい。
 
 
~資料 大倉明著「青春賛歌」より~
1973年
7月7日東京ホテル・オークラで婚約発表。(3月婚約)
7月19日名古屋御園座公演「情熱のビッグ・オン・ステージ」開催
8月1日から28日まで明治座公演「沖田総司」「われ永久に緑なる」開催(最後の「明治座公演」となる)
9月「サンチャゴの鐘」「夏子」発売
10月29日京都市内ホテルで事件発生。全治一ヶ月の重傷。
10月30日大阪新歌舞伎座が12月公演中止を決定。
11月18日退院。静岡県友人宅へ。(休養)
1974年
4月29日挙式
6月アルバム「初恋 舟木一夫抒情歌謡を歌う」再発売
7月27日NHK「思い出のメロディー」の収録。(8月3日放送)
8月11日東京豊島公会堂で後援会員のための集いを開催
9月「旅路」「寝顔」発売(復帰第一作)
10月アルバム「友情 舟木一夫の新しい名刺」発売
10月TBS「ふたりぼっち」に出演
11月2日、3日東京郵便貯金ホールで「舟木一夫コンサート74」開催
12月15日京都会館で「舟木一夫コンサート74」開催
 
先ずはこのコンサートの構成・演出を担当された千石原万平氏のメッセージをコンサートパンフレットより全文引用させていただきます。私は千石原氏のこの文を読んで当時の舟木さんの代弁者として心をこめてファンへ伝えたいことをすべてメッセージに込めていらっしゃるだろうことに感動しました。
 
 
イメージ 2
構成・演出の立場から蛇足ひとこと 千石原万平
 
男同士の付き合いに、善友と悪友という分類がもしあるとすれば、別に威張るわけではないが、ぼくは絶対に悪友のほうである。舟木くんもこの意見には おそらく反対しないだろう。悪友のメリットは、テレくさい思いをしないですむ、というところにある。だから舟木くんが、こんどのコンサートをまかせると切り出したとき「思いきってテレくさいことをやるつもりだな」と直感した。テレくさいことをやろう、という黙契は、昨年のリサイタルを打ち合わせたときから、すでにあった。「テレくさいこと」という意味には、若干の註釈が必要だろう。「スター舟木一夫」の窮屈な枠から、大きく踏み出してみよう、というのがその真意だ。由来、スターにはいろんな属性がある。なかでも、ある特定のイメージをまわりから押しつけられるのは、スター自身にとって、もっとも不幸な属性に数えられるだろう。一面においてスターとは商品だ。商品である以上、銘柄は明瞭でなければならない。スターのイメージがつくられるとは、銘柄が固定化されるプロセスでもある。舟木くんの場合、その固定化された銘柄に安住するには、あまりにも歌が好きでありすぎた。結婚を契機に、「青春歌手」から脱皮したいと考えた彼の胸中はよくわかる。あえて逆説を弄するなら、自分の好きな歌を自由に歌えない不孝な歌手がスターと呼ばれる人たちなのだ。ここ四、五年というもの、自分の内部で行われる「スター」と「歌手」の激烈な葛藤ほど舟木くんの神経を疲れさせたものはあるまい。結婚という外的条件が、はからずもこの葛藤に、終止符を打つ状況をつくり出したのだと思う。舟木くんのこれは、開き直りでもあるだろう。こんどのコンサートは、いわば「ぼくはなぜ開き直ったか」ということの 舟木くんのファンに対する告白であり、また釈明でもある。テレ屋の彼は、それをナマの言葉ではいえないから、すべてを歌に託した。恒例の「リサイタル」をあえて「コンサート」とした彼の意中を推測すると、そういう結論しか出てこないのである。歌うコンサートではなく、語りかけるコンサートだということ。重要な選曲は、すべてここから出発している。二、三の例外をのぞいてはエンターティメントとしての要素は強引に無視した。彼の持ち歌にもこだわらなかった。いま、彼がいちばん言いたいことを託せる歌は・・?いっさいがそのことに尽きた。この無茶な方針を、終始一貫して支持してくれたのが、舟木くん自身だったことは、ここに書き止めておく必要があるだろう。そのような構成である以上、演出のフレームは、舟木くんそのものの大きさと密着させなければならない。演出しないことが、じつは演出になるという、妙なジレンマに追い込まれたわけである。あるいはそこまで読んで、悪友を引っ張り出したのかもしれない。最後にひとことお願い。このコンサートは、決して舟木くんの「冒険」でもなければ。ましてや「ポップス路線」でもない。彼の内心にうずく情念にフィットする歌をさがした結果が、このような選曲になったまでの話である。うまく歌おう、などどいう意識はまるでない。彼がこれらの歌を通じて、皆さんになにを語りかけようとしているか。それを聴きとっていただけたら、こんどのコンサートは、充分その目的をはたしたといえるのだ。
 
ピンクの文字は舟木さんのトーク。ちょっと私なりにまとめてますがご了承ください・・・
 
第1部(約50分)
イメージ 3~オープニング~
ソング・フォー・ユー
 安井かずみ:訳詩 L.RUSSELL:作曲
 
おもいだしても限りない
数えきれないほどの歌を
これまでいくども歌ってきたけど
いまあなたのためにだけ
だまっていたけど知っていた
あなたがこれまでどう愛して
どんなふうに思ってくれていたのかを
だからいま この歌を
うまく言えない この歌でも
あなたならきっと わかってくれるだろう
優しく本当の心だけが 二人に通う
せめてあなたに わかってほしい
もしもこの声がわすれたら
せめて この歌を
おもいだして・・・ほしい
 
センチメンタル・ボーイ
 河端茂:作詩 山屋清:作曲
 
この胸のときめきを
 岩谷時子:訳詩 P.DONAGGIO:作曲
 
夜ごと二人は ここにいるけど
君の瞳は 悲しそうだ
君は秘かに 言いたいのだろう
こんなことなら 別れようと
 
君なしには 生きてゆけない
ひとりで どうして暮すのさ
君は僕のものだもの
離れて暮らせるか
 
聞いておくれよ 胸のときめき
お願いだから いておくれよ

君なしには 生きてゆけない
ひとりで どうして暮すのさ
僕のものだ 君なしには生きてゆけない
ひとりで どうして暮すのさ
君はぼくのものだ
 
イメージ 5ずいぶん長いこと仕事をサボッていて久しぶりのステージです。月並みな言葉ですが、「御心配おかけして申し訳ありませんでした」今日は僕のありったけの心を最後まで歌い続けたいと思っています。
 
左の写真は「パンフレット」掲載のものです。結婚後、初めての後援会の運動会の模様のようですね。日付けは入ってませんが、おそらく同年5月5日開催ではないでしょうか。
 
誰もいない海
 山口洋子:作詩 内藤法美:作曲
 
少年いろの空
 井口愛:作詩 田村博正:作曲
 

 北山修:作詩 端田宣彦:作曲
 
冬の旅
 阿久悠:作詩 猪俣公章:作曲
 
旅のメドレー
~北国に一人(水木京子:作詩・作曲)
~旅愁(片桐和子:作詩 平尾昌章:作曲)
~空港(山上路夫:作詩 猪俣公章:作曲)
~北国に一人
 
 
 
旅路
 丘灯至夫;作詩 遠藤実:作曲
 
どこかへあなたと
 石井ケイ:作詩 水木まこと:作曲
 
明日に向かって走れ!
 吉岡治:作詩 小谷充:作曲
 
よみがえる夜明け
 ちあき哲也:作詩 小谷充:作曲

約8ヶ月休んでたんですが、その間に運悪くヨメさんもらっちゃって家でブラブラしてるのがしまらなくて・・
男は二十代に青春を賭けてきた仕事はなかなかやめられない・・その間にいろいろ歌を作ってみて・・まだレコードにもなってないんですが生意気にも僕が作った歌を・・『火の鳥』を・・
 
テレ気味に控え目に舟木さんらしいトーンで・・
『少年いろの空』『明日に向かって走れ!』や『よみがえる夜明け』なども、このライブでは、シングル盤録音当時の声とは違って、本来の澄んだ響きのある舟木さんの歌声になっているのが、感じられます。
 
火の鳥
 舟木一夫:作詩・作曲
 
イメージ 4
ふるえる心に つばさを広げて
明日にはばたく 不死身の火の鳥
燃える瞳に 愛をかざして あなたと生きる
おそれるものは何もない 何もない
はるかに聞こえる夜明けの歌声
目指して旅立つ希望の世界へ
 
恋する心に つばさを広げて
明日にはばたく 不死身の火の鳥
つきることない 炎の海に 身体をまかせ
微笑みかわす愛の中 愛の中
あなたに見つけた たしかな真心
はげしく抱きしめ 飛び立つ大空

誰もじゃまなど できはしないさ 二人の胸に 
永遠に寄りそう 火の鳥を 火の鳥を
嵐に傷つき つばさは 折れても
終わりを 知らない 不死身のこの愛
 
 
(「下」第二部につづきます)
 

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