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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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2015 シアターコンサートin京都南座 7月1日/2日 その2

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さんぽ径の途中で見つけた濃いピンクの八重の木槿(ムクゲ)

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舟友さんたちと1日の昼夜の時間待ちでお茶を楽しんだ北座ビルの井筒八つ橋和風喫茶のきなこアイス

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1日の夜の部終演後、舟木さんのお見送りをすませて三条木屋町「黄桜直営・じろく亭」で舟友さんと会食

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2015 シアターコンサートin南座 7月1日/2日 第二部 演歌の旅人~船村徹の世界
舟木さんのトーク部分はピンク文字です

イメージ 2二部のステージ衣装は、浅黄色というか青竹色のとってもきれいな色合いのスリーピースに白のシャツ、胸のチーフはモノトーン柄。         こんな感じのもう少しだけ薄い色→


オープニング
~あの娘が泣いてる波止場 作詩:高野公男
https://youtu.be/fMapSlbNrqQ
イメージ 7(三橋美智也/昭和30年)

思い出したんだとさ
逢いたく なったんだとさ
いくらすれても 女はおんな
男心にゃ 分かるもんかと
沖の煙を 見ながら
ああ あの娘が泣いてる波止場

今のは、三橋美智也さんのヒット曲。やっぱりヒットしそうな歌は詩もメロディーもとってもいいですね。それにくっついてるアレンジもいいんですね。もろ昭和という曲を二部ではお聴きいただきます。
遠藤先生は舟木一夫、船村先生は北島三郎…ってことになってますが、船村先生の曲が僕はダント
ツに多い、アルバムがありますから全部合わせると70曲(シングル換算?)くらい…
船村先生は音大時代に知り合った高野さんとの出逢いがあって作曲家になった…その高野さんが2
6歳で亡くなって、その時、先生は24歳。先生はショックで立ち直れなかった時彼が遺した大学ノート3冊の詩に曲をつけてこれを世に出そうと思い、立ち直れた…そういう意味で高野がいなかったら船村徹という作曲家は存在してないんだよ…と、亡くなって61年間、命日にお墓参りを欠かしたことはないそうです。最初は高野先生を偲んで「ふるさと演歌」というジャンルのものから並べていきます。


イメージ 8別れの一本杉   作詩:高野公男
https://youtu.be/g6L_T4JnTUM
(春日八郎/昭和30年)

泣けた 泣けた 
こらえきれずに 泣けたっけ
あの娘と別れた哀しさに
山のかけすも鳴いていた
一本杉の 石の地蔵さんのよ 村はずれ


柿の木坂の家  作詩:石本美由起
https://youtu.be/U3fzyU5B3_s
(青木光一/昭和32年)


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早く帰ってコ 作詩:高野公男
https://youtu.be/67-5oXjzUyQ
(青木光一/昭和31年)

おふくろも親父も みんな達者だぜ
炉端かこんで いつかいつしか
東京の お前達二人の話に
昨夜も更けたよ 早くコ 早くコ
田舎へ 帰ってコ
東京ばかりが なんでいいものか


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「ふるさと演歌」でしみじみと懐かしい風景が目の前に広がったあとは、ステージが暗転。しばし静寂の後、虫のすだく音(ね)…そしてギターのつまびきが、切なく響いて、船村先生のふるさと訛りの語りが、流れます。なんとも言えない、哀切とまた人肌を感じさせるぬくもりのある語りに、思わず涙がにじんできます。

                                                  船村徹記念館オープン式典でのお二人

イメージ 11こういった構成のセンスのひとつひとつに舟木さんの船村先生の世界を、最高の形で、聴き手に届けたいという想いが込められているのを痛切に感じます。そして、高野公男氏への船村先生の想いと舟木さんの船村先生への想いが重なって、客席にいる私たちに友情と師弟愛の大きさ、深さがずっしりとした手触りとなって伝わってきます。

~船村先生の語り~
友よ 土の中は寒いのだろうか
友よ 土の中には夜があるのだろうか
 もしも 寒いのならば
俺のぬくもりをわけてあげたい
 もしも 夜があるのならば
俺の手で灯りをともしてやりたい
友よ 俺の高野よ




イメージ 12男の友情   作詩:高野公男

昨夜(ゆうべ)も君の 夢見たよ
なんの変りも ないだろね
東京恋しや 行けぬ身は
背のびして見る 遠い空
段々畑の ぐみの実も
あの日のまゝに うるんだぜ

流れる雲は ちぎれても
いつも変らぬ 友情に
東京恋しや 逢いたくて
風に切れ切れ 友の名を
淋しく呼んだら 泣けて来た
黄昏赤い丘の径

田舎の駅で 君の手を
ぐっとにぎった あの温み
東京恋しや 今だって
男同士の 誓いなら
忘れるものかよ この胸に
抱きしめながら いる俺さ



船村先生と高野公男氏の資料は下記のブログをご参照ください
2015 シアターコンサートin新歌舞伎座 5月29日/30日 その1↓
http://blogs.yahoo.co.jp/ycmay26/70426665.html


イメージ 13僕らよりひと世代上の方ですから、日本という国が、まだ男尊女卑が残っていたり、戦友というものに似たようなものがあるのかも知れませんね。
遠藤先生にしても、船村先生にしても、どこがセンターかというのはむつかしい、特に船村先生は遊び心ももっていらっしゃる方ですし、5000曲以上の中から選ぶのはむつかしい。…昭和30年から40年くらいの頃のもので4つばかり…流れのいい歌をつなげているので4曲でひとつの匂いとか風景というのがあるんです。二十歳の頃から思ってたんですけどね、このステージでいくつかの歌をつなげた中で、ある風景を感じていただく…「船村先生のバリエーション」…実は、そんな生易しい言葉では表現できる方ではないんですが…先生の演歌の真髄の女唄をつなげます。

どうせひろった恋だもの  作詩:野村俊夫
https://youtu.be/yX_Cd4z-WjI
(初代コロムビアローズ/昭和31年)



おんなの宿   作詩:星野哲郎
(大下八郎/昭和39年)

イメージ 14想い出に降る 雨もある
恋にぬれゆく 傘もあろ
伊豆の夜雨を 湯舟できけば
明日の別れが つらくなる

たとえひと汽車 おくれても
すぐに別れは くるものを
わざとおくらす 時計の針は
女ごころの かなしさよ

もえて火となれ 灰になれ
添えぬ恋なら さだめなら
浮いてさわいだ 夜の明け方は
箸を持つ手が 重くなる



イメージ 15哀愁のからまつ林  作詩:西沢爽
https://youtu.be/goxyxNre_Io
(島倉千代子/昭和34年)

涙あふれて はり裂けそうな
胸を両手で 抱きしめる
みえないの みえないの
背のびをしても
あゝ あの人は 行ってしまった
からまつ林

せめても一度 恋しい人の
腕に甘えて 縋(すが)れたら
それだけで それだけで
死んでもいいの
あゝ 弱虫と 風が叱るわ
日暮れの風が

あとも見ないで 別れていった
男らしさが 哀しさが
燃えるよな 燃えるよな
夕焼け小焼け
あゝ 帰りましょう 影を踏み踏み
落葉の径を


イメージ 16矢切の渡し  作詩:石本美由起
(ちあきなおみ/昭和57年)

このへんの歌を並べてみると、「若い歌」と「大人の歌」のちがいが出てる。「どうせひろった恋だもの」は思い切り大人の世界…どれもヒットした歌ですが、力と色気がある…船村先生はこの世代の作曲家の中では粘りがある、それと男っぽい…客席が舟木さんのトークを真剣に聞いているのでシーンとしてるのが、気になったのか、そんなにシーンとされても(笑)リラックスさせようと思いついたのか、いきなり、ご報告します。外はまた土砂降りです(笑)とこまやかな舟木さんのジョーク。

一方で、「その人は昔」「夢のハワイで盆踊り」というカワイイ歌もガマンして書いて下さった。
ここで、船村先生って聞くとあれ?ッというようなタイプの歌を2つ並べてみました。



悦楽のブルース 作詩:吉岡治
(島和彦/昭和41年)

雨の夜あなたは帰る  作詩:吉岡治 
https://youtu.be/s91huFJWqgo
(1966年/島和彦)


イメージ 17では、この辺でちょっと腰をあげていただいて、思いっ切りガス抜きをしていただいて…

~スタンディング&サインボール打ち~

ブンガチャ節  作詩:星野哲郎
(北島三郎/昭和37年)


ダイナマイトが百五十屯 作詩:関沢新一
(小林旭/昭和33年)

ジャケットを脱いで、テーブルの上に置き、リズムに乗って軽やかに動きまわる舟木さんは、並の70歳ではないですね…サインボールも南座は三階席もわりとステージから近いので10球中の3球ほど届いたようです。初日の1日の昼は、「ダイナマイトが百五十屯」を歌い終わる時に、ノリノリでクルッと回ってバンドの方を向いて何回も両手を振り回す元気いっぱいの舟木さん。バンドメンバーはご自分のお仕事に集中してらっしゃるからでしょう、せっかく人が手振り回してるのに全然見てない…とぼやいてましたが、ちゃんと客席からは若々しい舟木さんの姿が見えて嬉しい限りでしたよ(笑)

お疲れ様でした。…とテーブルの上のジャケットを着ながらのおしゃべりは、持ち歌を唄う時より他の人の歌を唄う時は、気持ちが前のめりになっちゃうんで、できるだけ持ち歌を唄うカンジに自分の気持ちをもっていく…というような意味合いのことをおっしゃったような…
気負わずに自分の歌を唄うような自然なトーンで気楽に唄いたいという想いがおありなのかな?と
解釈したのですが、合ってるかな?どうかな?(笑)

イメージ 18この歌は他とつながらないので単独でおいてみました。

王将   作詩:西條八十
(村田英雄/昭和36年)

新歌舞伎座の構成では、「王将」の後で、短めのトークが入りましたが、今回は、単独でおいた「王将」が終わると、しばらくの間があって、船の汽笛、海鳥の啼く声…からラストブロックに突入して立て続けに一気に、どれもこれも一筋縄では唄えない重量感たっぷりの7曲を歌いきった舟木さん。そのエネルギッシュな歌唱にはただただ驚愕させられるばかりでした。


イメージ 19波止場だよお父つぁん  詩:西沢爽
https://youtu.be/KcFBe5W4mws 
(美空ひばり/昭和31年) 


哀愁波止場  作詩:石本美由起
https://youtu.be/Y2iJ6okFvV4
(美空ひばり/昭和35年)

ひばりの佐渡情話 作詩:西沢爽
https://youtu.be/OsB_dEIRzIw
(美空ひばり/昭和37年)
 



イメージ 20なみだ船 作詩:星野哲郎
(北島三郎/昭和37年)

涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花

クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ

惚れたら遠慮は できまいが
いやというなら せひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船
 





イメージ 21兄弟船  作詩:星野哲郎
(鳥羽一郎/昭和57年)

波の谷間に 命の花が
ふたつ並んで 咲いている
兄弟船は 親父のかたみ
型は古いが しけにはつよい
おれと兄貴のヨ 夢の揺り篭さ

陸(おか)に上って 酒のむときは
いつもはりあう 恋仇
けれども沖の 漁場に着けば
やけに気の合う 兄弟鴎
力合わせてヨ 網をまきあげる

たったひとりの おふくろさんに
楽な暮らしを させたくて
兄弟船は 真冬の海へ
雪のすだれを くぐって進む
熱いこの血はヨ 親父ゆずりだよ


イメージ 22風雪流れ旅  作詩:星野哲郎
https://youtu.be/LeR9i3cpt8o 
(北島三郎/昭和55年)

破れ単衣に 三味線だけば
よされよされと 雪が降る
泣きの十六 短い指に
息をふきかけ 越えて釆た
アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊

三昧が折れたら 両手を叩け
バチがなければ 櫛でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながらイメージ 23
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧

鍋のコゲ飯 袂でかくし
抜けてきたのか 親の目を
通い妻だと 笑ったひとの
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内


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イメージ 25アンコール
~三味線マドロス 作詩:高野公男

https://youtu.be/MZmm6DwZpWs 
(美空ひばり/昭和33年)

波の小唄に 三味線弾けば
しゃれた奴だと 仲間が笑う
陸(おか)が恋しさに ついつい負けて
呼べば未練が 呼べば未練が
 エーエー 夜霧にとけたよ

青い月夜にゃ 泪で弾いた
破れ三味線 あの娘の形見
情あったなら 男の胸を
帰る鴎よ 帰る鴎よ
 エーエー 伝えておくれよ
 
なれぬ手つきで しみじみ聞かしゃ
荒れた心も ほろりと泣ける
無事か達者でか 淋しいえくぼ
辛い想いも 辛い想いも
 エーエー しばしの事だよ



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ラストブロックの前半は、ひばりさんの大ヒット曲であり、名曲かつ難曲を三曲、アレンジも素晴らしく聴かせます。客席は、このあたりから、それこそ前のめり(笑)舟木さんが前のめりでなくなればなくなるほど、聴く側は前のめりになってしまう…そこがプロフェショナルの憎い計算もあるということなのかも知れません。歌い手が、自己満足で陶酔すればするほど聴かされる側は、白けてしまう…そういうことを舟木さんは実によくわかっていらっしゃる歌い手だといつも思います。

お芝居でも落語や講釈などのひとり芸でも、プレイヤーは、常に理性と節度を忘れてはならない…
感情移入も情熱も、もちろんなくてはならないのですが、それが露骨に見えてしまうと受け取る側は引いてしまうという匙加減、実に微妙なバランスなんだと思います。
その点が、舟木さんのバランス感覚は、本当に見事としかいいようがないのですよね。

「なみだ船」「兄弟船」という、男の世界をうたった勇壮、かつ情感あふれる2曲を聴いていると私はどういうわけだか「高校三年生」と「絶唱」に代表される「舟木一夫」が、その脇からゆらゆらと立ちあがってきてしまいます。全く水と油のような、タイプの真逆なジャンルの歌を、何の不自然さもなく、どちらも、この上なく魅力的にその独自の世界に取り込んでしまう歌い手が流行歌の世界に他にいるでしょうか?

船村先生のバリエーションの幅広さが、言葉では表現できないのと同じように舟木さんの歌唱のバ
リエーションもまたしかり…だとファンとしては言いたくなってしまいます(笑)

「兄弟船」のスリーコーラス目からチラホラと舞い始めた紙吹雪が、徐々に増えていき、「風雪流れ旅」のクライマックスでは、その純白の吹雪が真紅のライトに照らし出されます。舟木さんの力強く情味豊かな歌声と、バックバンドの演奏との呼吸の妙、そして照明美術のテクニックとセンスで、「演歌の旅人~船村徹の世界」を十二分に舞台芸術として完成させ、客席が、その渦の中に完璧に巻き込まれてしまうという、理想的な姿のステージを南座でも堪能させていただきました。

 アンコール曲「三味線マドロス」について 

イメージ 27万雷の拍手で緞帳が降り、ふたたび上がって、アンコール曲「三味線マドロス」…初めて新歌舞伎座で聴いたとき、聞覚えはあるのですが、今回のセットリストの中では一番耳慣れない曲だと思いました。なぜ、この曲なのか?新歌舞伎座のコンサートが終わってから調べてみたら高野公男氏の詩であることがわかりました。そういうことなんだ…と私なりにある程度は想像していましたが、南座で販売されたパンフレットの中で大倉明氏がインタビューで、アンコール曲について質問されていて、それに対して、アンコールに「三味線マドロス」をおかれた舟木さんの想いが語られています。

「演歌の旅人~船村徹の世界」、その構成の事実上のセンターとなる曲というのは、やはり船村先生と高野公男氏との絆を最も感じさせる「男の友情」だと思います。そして、アンコールをどの曲で〆るかというところに高野氏が亡くなった後に発表されたひばりさん歌唱の「三味線マドロス」をもってこられたことはこの曲が船村先生にとって「男の友情」とおなじくらいの重みをもったものであると舟木さんが感じられたからかもしれないと思いました。

高野公男氏によるふるさとを詠んだ詩

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シアターコンサート 中日劇場  8月28日(金)/29日(土)

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シアターコンサート 新橋演舞場  9月8日(火)

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