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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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2015 シアターコンサートin中日劇場 8月28日 夜の部

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8月28日と29日の二日間、昼夜計4公演が開催されましたが、残念ながら私は家庭の事情で、28日の夜の部だけしか拝見できませんでした。舟木さんにしては珍しく長めの夏休みだったようですが、休み明け最初のステージ、8月19日の川口リリアホールに続いて、とってもお元気で、夏バテのご様子も全く感じられず、むしろお顔もふっくらされていて、パワー全開の舟木さんでした。

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シアターコンサートin中日劇場 8月28日 夜の部


開演前にステージの幕前に登場した舟木さんは黒のオーバーシャツにブルージーンズにチャコールグレーのシューズというラフなスタイルでした。いつものようにプレゼントを受け取りながらのゆるーい感じのトークの一部を…  舟木さんのトーク部分は、ピンク文字です

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今日はこうやってプレゼントをいただいてますが…いただきながら歌えないステージっていうのがあるんで、すみません…私もあと3ヶ月経つと71になります…もうここまでくるとどうにでもなれ!(笑)
高校三年生を歌ってる頃は自分が70になると思ってもみなかった。これが不思議となってみりゃあ、あっという間でしたけどね。
今の子は小学校時代はともかくとして中学から高校にかけて急に上へ伸びる、ビックリするくらい伸びますよね。僕らの頃も中学3年生くらいの平均が男子で160cmくらいでしょ、僕は17でこの世界に入った頃は大きい方で、その後、西郷くんが入って来て抜かされました。その後はにしきの君、野村(まさき)くんなんて180cm台ですからね。運動会でこっちが二歩で走るところをむこうは一歩ですからね(笑) それじゃ…


イメージ 4一部  ヒットパレード

第一部のステージ衣装は、パープル系で衿は光沢のあるサテンのタキシード、蝶ネクタイ、胸にはクリーム色のバラ

オープニング
~北国の街

タキシードを着ただけでこれだけ男っぷりが上がる(笑)誰も言ってくれないから自分で言うしかない、今日はようこそおこしくださいました。
去年は遠藤先生がお作りになった曲を日本の名曲ということでやりました、あっちこっちから引っ張ってきても、色々な名曲がある…今年は船村先生の曲を…その前にやっておかないといけないのを…とりあえず「絶唱」から

絶唱

夕笛


イメージ 510年くらい前から「昭和の流行歌」っていうのを僕らの業界でも言うようになってきたんですが、平成になって流行歌が違ってきたんですね。
一番流行歌が良かった黄金期にデビューしてその時代に触れることができたと昭和の流行歌の歴史を遡ってレクチャーしてくださる舟木さん。本当にいい時代だった…としみじみおっしゃっる言葉に昭和27年生まれの私も心から共鳴しました。
ここでみっつ並べてみたのは…とそれぞれの曲を手短に紹介なさって…

その人は昔のテーマ

哀愁の夜


高原のお嬢さん


こうやって歌ってますと長い旅をお客様とご一緒できる歌い手は作品にめぐまれてるということを感じます。今はこういったマイルドなラブソンク風の歌がなくなってきちゃいました。
僕は昭和19年生まれでリアルタイムでいうと昭和26、7年から後の歌なり番組が入ってくるわけですが…
私の場合不思議な歌でデビューしましたが、その不思議な歌を歌ってみます(笑)

高校三年生

学園広場

遠いようで近いようで遠い…という言いまわしで、「高校三年生」「学園広場」のことをおっしゃったのが、とても印象的で、本当にその通りだなァと思います。

これは僕の持論…というほどおおげさなものではないけど…なんですが(子どもに対する)親の責任は15才まででしょう。多少の幼児体験というのもあるとしても…僕は中学の頃から歌い手になりたいと思ってたんですね。

こんな渇ききった世の中、こんな歌がヒットしてくれたらいいなと思います。
曲は南こうせつさん、詩は松井五郎さん「春はまた君を彩る」

春はまた君を彩る

第一部のラストのトークで、舟木さんが触れられた舟木さんの「持論」に私も賛同!昔は、よく「親離れできない子ども」といういい方をしてましたが、今はむしろ「子離れできない親」が問題になっています。「親の責任は15才まで」ということは、15才で元服を迎えた時代のことを考え合わせると得心がいきます。経済的には、もちろん自立することはできない年令ですが、精神的自立心の芽生える時期というのは15才というのは決して間違った見方ではないと思います。舟木さんは中学生の頃から、長男である自分が家庭を支える柱になるという責任感をお持ちだったようですが、今の中学生たちに同じことを期待するのはむつかしいとしても、舟木さんの「持論」は、何か、今の時代の風潮を見直す大切なヒントのようにも思えます。

下記の資料は、今回、中日劇場で地元の舟友さんから、頂戴したものです。舟木さんについて2pにわたっての記載があります。上記の舟木さんの「持論」とも、関係する文面が掲載されていますので、ご紹介しておきます。

尾張一宮学検定試験 模擬問題集 

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二部    演歌の旅人~船村徹の世界

爽やかな白のスリーピースで登場です。シャツは黒。モノトーンのポケットチーフ。羨ましいほど色白の舟木さんには、純白がとってもお似合いです。70才過ぎて、こんなクリアな白を素敵に着こなしてしまうなんてやっぱりその輝きが並々ではないということなのですよね。うっとりしてしまうほど、カッコ好かったです。


イメージ 9オープニング
~あの娘が泣いてる波止場 
作詩:高野公男

今日のメインディッシュは「演歌の旅人~船村徹の世界」…5000曲以上の中から20曲選んでお聞かせしようというのですからいいかげんなものですが…船村先生と「親友中の親友」だった高野公男さんとの出逢いと高野さんが26才で肺結核で亡くなった時の、船村先生の喪失感の深さについてのお話をされる舟木さんは船村先生の情に満ちた栃木訛りもマネて…
「ふたりでやってたものがね、ひとりいなくなるワケだろ、ことばになんねぇよ…」…と。まずは、先生の作品の中でも「ふるさと演歌」といわれる曲から…


別れの一本杉  作詩:高野公男

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イメージ 11柿の木坂の家  作詩:石本美由起


早く帰ってコ  作詩:高野公男






イメージ 12~船村先生が高野さんに捧げた詩の朗読から~

友よ 土の中は寒いのだろうか
友よ 土の中には夜があるのだろうか
もしも 寒いのならば
俺のぬくもりをわけてあげたい
もしも 夜があるのならば
俺の手で灯りをともしてやりたい
友よ 俺の高野よ

男の友情  作詩:高野公男




「柿の木坂の家」は東京にある柿の木坂(地名)だと勘違いしている人もあるようですが…
いろんな人の歌を唄ってると自分の歌の時には使わない声を使う時があるんですよ。僕の場合、ドスのきいた声っていうのは使ってないんですね。
たくさんの個性に向かって書かれた歌ですから一人の歌い手が唄うとうまくあかないということはあるんですが…

初めて船村先生にお会いした時に15くらいの時に聞いた「どうせひろった恋だもの」が好きですといったら、ずいぶんマセた歌が好きなんだね(笑)と言われました。

イメージ 13どうせひろった恋だもの  作詩:野村俊夫

おんなの宿   作詩:星野哲郎

哀愁のからまつ林 作詩:西沢爽

矢切の渡し  作詩:石本美由起


歌というのは単独で唄ってるのはほとんどないんです。オープニング曲とか新曲くらいしかない…
デビューして間もない頃から思ってたんですが、歌い手がステージで一曲、一曲ごとにお辞儀してお客様が拍手してくださる…これは、どうなのかな?…という…ステージの流れを、途切れさせず唄っていくのが舟木さん流の感性なんですね。また、舟木さんのステージは、そういうことを意識した構成になっているということなんですね。
次は、え?これも船村徹なの?というところを…

悦楽のブルース  作詩:吉岡治

雨の夜あなたは帰る  作詩:吉岡治

「悦楽のブルース」は当時、放送禁止になったんですが、理由は成人映画の挿入歌だったらしいんですね。昭和41、2年…あの頃の成人映画なんてね子どもの遊びみたいなもんでしょ…この程度のことを放送禁止にすることはないんじゃないかと…

イメージ 14演歌全体の中でアップテンポのものは15%くらいかと…
ここらでちょっと腰を上げていただいて歌い手と一緒に手など打っていただいて…

ブンガチャ節  作詩:星野哲郎

ダイナマイトが百五十屯   作詩:関沢新一
~サインボール打ちはここで

どうもお疲れ様でした。サインボールをゲットされた方へサイン入り色紙受け取りの説明をなさって…歌い手のサインなんて読めたタメシがない。なぜかというと、数をこなさなきゃいけないから、もうひとつは字が下手なのをごまかすため(笑)

ここから後半、船村メロディーの真髄というのが出てくるんですが、あえてお喋りは入れずにやっていきます。船村メロディーの色っぽさと情の深さを楽しんでいっていただければ…と







イメージ 16王将  作詩:西條八十


波止場だよお父つぁん  作詩:西沢爽


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哀愁波止場  作詩:石本美由起



ひばりの佐渡情話  作詩:西沢爽





イメージ 18なみだ船  作詩:星野哲郎

兄弟船  作詩:星野哲郎



風雪流れ旅  作詩:星野哲郎

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アンコール
~三味線マドロス  作詩:高野公男

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舟木さんが、「船村演歌の真髄」と紹介された後半の曲ですが、最初の三曲は、いずれも美空ひばりさんの曲で、繊細で哀切の極みを歌い上げた世界、胸がキュッとしぼられるようでした。そして、「なみだ船」「兄弟船」の二曲は、私が子どもの頃に憧れた華奢でガラス細工のようなイメージのお兄さんだった舟木さんからは全く想像だにできなかった対極にあるセクシーかつ豪快な男の香りが魅力的です。「兄弟船」の歌唱の中ほどから舞い落ちはじめた紙吹雪が、徐々にそのボリュームを増していってラストの「風雪流れ旅」では、その白い紙吹雪が真紅のライトに照らし出されて幻想的な舞台美術効果も見事で、船村演歌のメロディーに載せられた詩の素晴らしさを舟木さんの歌唱表現が最大限に伝えているような感動をおぼえました。

一旦幕が降りて、アンコールで登場した舟木さん。高野公男作詩の「三味線マドロス」を歌い始められると、会場から手拍子が…その手拍子を右手で軽く、おしとどめるようなジェスチャーをなさったような…この曲は手拍子は似合わないよ…というサインだったのでしょうか?これも舟木さんの歌に対する感性であり、船村先生と高野公男さんへの敬愛の想いなのじゃないかな…と私なりに感じたのですが…

今回も、名曲を名曲として伝えきるプロフェショナルの歌い手の力量を大輪の花が開くような絢爛たる華やかさで見せつけてくださった大満足のシアターコンサートでした。

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