毎日新聞2016年2月25日 大阪夕刊 ~毎日新聞webサイトより~
新歌舞伎座公演
同世代ファンと築くステージ 舟木一夫が来月
「舟木一夫特別公演」が3月4〜23日、大阪市天王寺区の新歌舞伎座で開かれる。芝居と歌のステージの2部構成で、前半は昨年の座長公演で好評だった娯楽時代劇「花の風来坊」の第2弾(六車俊治脚本、金子良次演出)。後半はヒット曲満載の「シアターコンサート」。来年デビュー55周年を迎える舟木一夫の“今”を歌と芝居でたっぷり楽しめる公演だ。
「花の風来坊」は北園孝吉の時代小説が原作。遊び人に扮(ふん)した若殿様を舟木が演じ、大騒動を繰り広げる。舟木は「演じる側にとって、笑いが一番難しい」と言いつつ、「大阪ほど多種多様な笑いの周波数がある土地はなく、だからこそ僕らもぬけぬけとやることができます。流行歌の精神と同じで、スピーディーにお客さんの肩をほぐしていくお芝居にしたい」と語る。
後半のコンサートでは「高校三年生」などの人気曲のほか、水の都・大阪にちなんで、川をテーマにした名曲などを披露する。「最近は歌っていて『この歌はこんなに良い歌だったんだ』と改めて感じることが増えました。一曲一曲、大事に歌いたいと思います」
18歳でデビューして半世紀あまり。ともに年を重ね、同じ時代の記憶を共有する同世代の聴き手の存在を強く意識するという。
「お互いに実生活でいろいろな体験をクリアして、通じ合える範囲がどんどん広がってきたと感じます。長いお付き合いの中で、お客さんも僕が何を求めるのかを感じ取り、ステージの雰囲気も一緒に作ってきたという実感があります」
昼の部には、今月17日にデビューした新人、村木弾も出演。1階席1万2000円ほか。テレホン予約センター(06・7730・2222)。【関雄輔】