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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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「女学生の友」(1967年1月号)掲載の舟木さん関連の記事 その1

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今から50年ほども昔のこと…舟木さんが、「絶唱」で最優秀歌唱賞を受賞する、1か月ほど前の、チョー多忙な日々の様子を取材した記事が掲載されています。当時、毎月楽しみに、愛読していた「女学生の友」ですし、リアルタイムでは、もちろん購入していた号ですが、こんな記事が載っていたのですね。つい1ヶ月ほど前にネット購入で手に入れた「女学生の友」から、ご紹介させていただきます。なお、写真が鮮明でないのと、掲載枚数も少なかったので、当時の同時期に発売された「明星」「近代映画」掲載の関連画像も使用して補足編集させていただきました。

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ひたむきな青春/舟木一夫の一週間
「女学生の友」(1967年1月号)

どんなに忙しくても、彼は幼い弟妹や友人へのあたたかい思いやりを忘れなかった―そこには、歌手・舟木一夫ではなく、ひとりの青年のすばらしい素顔がのぞいていた。

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久しぶりの東京でハッスル
★さあ、東京で仕事だ
11月×日
大阪の空はどんよりとくもっていた。
前夜からとまりこんでいる市内のSホテルで目をさましたのが、午前十一時。「さあ!また東京で仕事だ。」この五日間の楽しい思い出が舟木くんの目にうかぶ。京都と生駒山。とくに生駒の知人の家ですごした数日は忘れられない。秋ふかく、もみじのもえる山々を背景に、その家のひろい芝生が目もさめるような緑のじゅうたんをしきつめていた。
日本晴れのよい天気がつづいた。舟木くんは芝生にねころんでおもいきり足をのばし、のんびりと昼寝をした。夢のようだ…。
舟木くんは十月末、大阪新歌舞伎座での長期公演をおわったあと、いったん帰京、スケジュールのうちあわせをしてから休暇をとったのだ。こんな長い休暇はデビューいらいはじめて。
十二時半、新大阪発「ひかり号」が舟木くんを乗せ東京へ向かう。車中、手にした「少年サンデー」をきょうはいやにていねいに読んでいる。マネージャーがわけをきくと、「いいから、いいから」。マンガの好きな舟木くん、休暇あけのせいもあって、きょうははればれとした表情。
三時四十分、東京着。いきつくひまもなく出迎えの車でコロムビア・スタジオへ直行。お正月に東映で封切る「一心太助江戸っ子まつり」の主題歌の吹き込みが夜までかかる。
そのスタジオに「ガードマン」で人気の倉石功さんから電話。「舟木くん?おかえりなさい。こんや遊びにいっていい?」                                       近代映画

イメージ 5「やあ、しばらく。会いたかったよ。生駒の空気がどんなにおいしかったかきかせてやるよ。」
「チェッ。東京の空気はスモッグ入りでわるかったね。ハハハ、じゃあね」
帰宅は八時。おかあさんがいそいそとあらわれて、舟木くんの元気な笑顔にホッとする。おとうとの幸正ちゃん(小学三年)がちょうど寝るところだったので「少年サンデー」をポンとさしだして、
「幸正、ハイおみやげだよ」
「ワア!アレ?!これ、お兄ちゃんみんな読んじゃったんでしょ」
「え?!ウン、三ページぐらいだよ。」
舟木くん、「子どもはするどいねぇ」なんてあたまをかいている。ほどなく倉石くんがくだものかごをさげてやってくる。
「おれが帰ってきたの、よくわかったね。」
「そりゃあね。ガードマンだもん。舟木くんのいどころぐらいすぐわかるさ。」
                近代映画

イメージ 6舟木くんは倉石くんを誘って庭のハトごやを見に行く。懐中電灯で金網の中をソッと照らす。ぬくぬくとからだをよせあって眠っているハトの中の一羽が、キョトンとしたひとみをこちらにむける。
「かわいいだろ、あいつは一番ぼくになついているんだ。(それからハトに向かって)今帰ったよ。またぼくが世話してやるからな。」
舟木くんは満足そうにひきかえす。
それからふたりは、舟木くん愛用のフォードGTフェアレーンを赤坂のEレストランへと飛ばした。
就寝一時。


★舟木くんのモノマネ
11月×日
九時すぎ起床。
今日は舟木くんの所属している第一共栄プロダクションの社員慰安旅行。
起き抜けにかれは、いきつけの床屋さんを電話でよんだ。朝食後すぐ散髪。
「このあいだ大阪で散髪したんだけど、どうもピッタリこないんだ。前髪のカッティングラインが。」
と、おかあさんにわけを話している。
イメージ 10「かみの毛が、ざんばらにのびたわけじゃないのにもったいないねぇ。だけどわかりますよ、シゲちゃんはコマカイところに神経をつかう子だから。」
社員旅行の行く先は伊東温泉。車をとばして二時間半。かれの後援会のメンバーも参加してにぎやかな雰囲気だ。
夕食の前後には、舟木くんみずからビールをついでまわり、コーラのせんを抜いたりしてサービス満点。なにか歌ってくださいという女子社員の注文にこたえて、
「ではフナキカズオのモノマネで絶唱を歌います。こんどそっくりショーに出ようとおもってますもんですから。」
じつにユーモアたっぷりの絶唱でみんなを喜ばせる。
伊東温泉から帰宅したら一時過ぎていた。


 
★朝食は梅干し三個とおみそしる
                                                          明星

イメージ 711月×日
快晴。
ひるちかく、日が高くのぼるころになって起きる。朝食はいつものように小梅三個ぐらい、みそしる、日本茶。めずらしくごはんを一膳つけたのは、おひるごはんをかねたからだろう。舟木家のみそしるは名古屋名産・八丁味噌と決まっている。かれの大好物で、三杯はかるくおかわりする。

                         
                       近代映画

イメージ 8午後、川口市民会館へ車をとばす。
「ロッテ歌のアルバム」の公開録画だ。「ロッテ」に出るのは二ヶ月ぶりである。途中車がこんだので会場到着が遅れる。はいりきれない川口女子高生など五十人ぐらいのファンが楽屋の入り口で舟木くんを待っていた。
「すみません!時間におくれたのでサインするひまがないんです。ゴメンね!」
ファンをかきわけながらそう言ってあやまる舟木くん。悲しげな視線を彼におくるファン。舟木くんもこういうときはいかにもつらそう。
ゲストは佐々木新一、大木賢、園まり、田代美代子、緑川アコ、バーブ佐竹、藤田功らのみなさん。

司会の玉置宏さんがすぐ楽屋へやってきて舟木くんをからかう。
「この忙しいときに五日間もやすみをとった人がニクいねぇ!」
「山にこもっていろいろとケンキュウしてたんですよ。そう言わないでよ。」玉置さんにあっては舟木くんもかなわない。プログラムは「舟木一夫特集と夢は夜ひらくの特集」。彼は「雨の中に消えて」「ブルートランペット」「絶唱」「新吾十番勝負」の四曲を歌う。さいごの「新吾―」を歌うために和服すがたの舟木くんが舞台のそでて、下を向いてジーッと待っていると
「舟木さん、こんにちは。しばらくでした。おねえさんが大阪でお世話になったそうでくれぐれもよろしくって…」
園まりさんだった。
イメージ 11リハーサルがおわる。まりさんが楽屋へくる。「まりちゃんにおねえさんがいるっていうこと、大阪ではじめて知ったんだ。深山ゆりさんと一緒に芝居してさ、まりちゃんと目がよく似てるなあと思ってたら、きみのおねえさんだっていうじゃない。」
「あら、ちっとも似てないっていわれるのよ、いつもは。舟木さんと共演してあがってたから似てたのかしら?おねえさんは野球のお手伝いまでしたんですってね。」
「お手伝いどころか、堂々たるピンチヒッターだったよ。相手は中村賀津雄さんや新歌舞伎座の強豪チームだった。あのときはカンゲキしましたって、いっといてよね。」本番前の、緊張した一瞬がおとずれる。舟木くんは氷砂糖を口にほうりこむ。前奏にのって舞台へあるきだす直前、彼はガーゼのタオルで氷砂糖の残りをソッと包む。いつもステージへ出るときの習慣だ。本番終了は九時。
帰宅して床についたのは今日も一時すぎだった。


★妹の晴子ちゃんにおこされて

イメージ 911月×日
朝から冷え冷えとしたくもり空。
八時半ごろ、妹の晴子ちゃん(5歳)が
「おにいちゃんッ、おきなさい!もうあさですよ!」
二階・和室に新調したばかりのベッドでぐっすりねむりこんでいた舟木くん、ねごとのように、
「また晴子の、あさですよ、がはじまったな…ムニャムニャ…。」
「ムニャムニャじゃありません!」
舟木くんは晴子ちゃんによわい。今日は運悪く月曜日である。晴子ちゃんの通っている幼稚園は日曜日に礼拝行事があるので月曜日はお休みなのだ。
「ああそうか、今日は月曜日だ!」
舟木くん、ガクゼンと気がついて目がさめた。
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イメージ 12昼過ぎまでに、お正月用の雑誌のインタビューや、グラビア撮影をすませる。
夕方、「絶唱」を監督した西河克己さんと銀座で「北国の旅情」の打合せ。この話はずいぶん前からあったものだが、スケジュールの見通しがやっとついたので出演決定。年内の強行撮影になるらしい。

イメージ 13ひさしぶりに夜はおかあさんと一緒の夕食。早く帰れると聞いておかあさんが八時までおなかをすかして待っていてくれたのだった。舟木くんの好きな水たきだった。

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イメージ 14「しらたき、いっぱいはいってるかな…。」とおなべをのぞきこむ舟木くん、ニッコリして「いただきまァす。」なべ料理や、うどんすきが
好物だが、なかにいれるしらたきにはとくに目がない。
食後、テレビの歌謡番組や時代劇にダイヤルをまわす。十時前に風呂へ入るのもひさしぶりだ。舟木くんの入浴法はカラスの行水スタイル。パシャパシャッと入ってサッとでる。おかあさんの証言によると入浴時間は七、八分だそう。
「ひえるなあ、今夜は。おかあさん、かぜひかないでよ。晴子のねぞうはいいかな…。」
いろいろと気をくばりながら、二階の洋間へあがっイメージ 15た舟木くん、まもなく、トントントトンと信号を送ってきた。洋間のじゅうたんをたたいて階下の人をよぶ舟木式ベルだ。おてつだいさんのミッチャンが別むねいるおかあさんをよびにくる。
「舟木さんが、いまショパンのレコードをやっているから、おかあさんもどうぞって。」
おかあさんは舟木くんの音楽とクラシックの大ファンなのだ。二階の洋間の灯が消えたのは二時だった。


ブルートランペット  作詩:吉野哲哉  作曲:船村徹 (1966年12月発売)
https://youtu.be/hsP-lsCurgQ (kazuyanさんの動画です)



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