お馴染みの幟が、心を浮き立たせます。新歌舞伎座ならではの景色ですね。
あたたかな陽射しと紅梅、そして枝垂れの白梅です。
私は、初日と二日目を楽しませていただいてきました。第一部のお芝居「花の風来坊Ⅱ~おとぼけ侍奮闘記」については、まだ初日が開いてまもないので、楽日に近くなってから感想等を記すことにしてとりあえずコンサートの模様のみを報告させていただきます。
新歌舞伎座 舟木一夫特別公演 3月4日~3月23日
第二部 コンサート 初日と5日の昼の部
先ずは昼の部の様子を舟木さんのトークをメインにご報告します。昼は4日と5日のトークをまとめていますのでご了承ください。ピンク文字は舟木さんのトーク部分です。
ステージ衣装は、前半はアイボリーとホワイト系の糸の織りで細かな千鳥格子に見えたスリーピース。中は焦げ茶色のシャツで登場されました。
一年ぶりの新歌舞伎座です。今回もまた1ヶ月間お世話になります。
今日が初日、ようこそお越し下さいました。ありがとうございます。
さっきのお芝居ですが、爺(文童さん)の名誉のために(笑)…あの人は69、私は71…文童さんは戌歳で私は申歳、犬猿の仲と言いますが、とっても仲がいいんですよ…ややこしい芝居を御覧いただきありがとうございました。歌の方はお馴染みのものをメインにあれこれと…どうぞごゆっくりお楽しみください。
~プレゼントタイム
東京は恋する
雨の中に消えて(ポップな感じのアレンジ)
くちなしのバラード
哀愁の夜
高原のお嬢さん
時代劇やった後は汗が出てなかなかとまらないんです…
暑いんですよ。ステージは暑いんで夏物の生地が多いんですがこれ(今着てるステージ衣装)生地が気に入って冬物で作ったんで…
青春時代の映画の主題歌、くちなしのバラードは挿入歌…こんなのを歌ってると映画のワンシーンを思い出したり、共演した男性、女性のことを思い出す。青春時代に一緒に仕事をした仲間というのは学校の友達とはまた違うんですね。
昼夜別構成と言っても、若い頃からいろんなタイプの歌を歌わせていただいてきてますから、通常のコンサートの時よりは時間が足りないので、限られてしまいますが、その辺は御容赦願います。御容赦なんて言葉は今は言わないですね(笑)「ごめんなさい」と言えばいいんですが(笑)
舟友さんの、初日のプレゼントのとりわけ見事な花束
次は、先にすませておかないと叱られますんで、思いっきり古いところを…
高校三年生
学園広場
この辺の歌はだんだん難しくなってきますね。巧く歌うというより、若々しく元気よく!…71としてはちとキツい(笑)こういう歌で皆さんと出逢って、来年は55周年。長い旅ができました。
この辺の歌を歌ってると想いがあふれるものがあるんですね…そういう歌の受け皿になるのがこの新曲…
5日は「春はまた君を彩る」の前おきにこのように言われました。
流行歌に大切なのが巧い下手じゃない個性。これからお聞かせするのは、「僕たちの今の歌」と言ってもいいでしょう。
春はまた君を彩る
作詩:松井五郎 作曲:南こうせつ
冷たい風の音に 散るまいと咲く
花は名を語らずに その身をさらして
人は生き急いで 夢をさまよい
時がただ巡ること 忘れて惑う
花は名を語らずに その身をさらして
人は生き急いで 夢をさまよい
時がただ巡ること 忘れて惑う
涙こらえながら 心にたずねれば
そこに聴こえる歌が 道を照らすだろう
春はまた 君を彩る
過ぎて悔いなき 想いを残せと
そこに聴こえる歌が 道を照らすだろう
春はまた 君を彩る
過ぎて悔いなき 想いを残せと
愛しい人の手を 握りしめても
いつまでも離さずに いられる手はない
人は誰もいつか 露と散るなら
道ばたの枯葉にも 優しくなれる
いつまでも離さずに いられる手はない
人は誰もいつか 露と散るなら
道ばたの枯葉にも 優しくなれる
別れを悔やみつつ 心にふりむけば
きっと思い出から 旅ははじまるだろう
春はまた 君を彩る
遥か広がる 明日を目指せと
きっと思い出から 旅ははじまるだろう
春はまた 君を彩る
遥か広がる 明日を目指せと
涙が涸れるまで 心に寄り添えば
きっとたったひとつの 愛に気づくだろう
春はまた 君を彩る
過ぎて悔いなき 光を灯せと
過ぎて悔いなき 光を灯せと
きっとたったひとつの 愛に気づくだろう
春はまた 君を彩る
過ぎて悔いなき 光を灯せと
過ぎて悔いなき 光を灯せと
ここで舟木さんが舞台上手に入り、暗転。まもなく舟木さんの声だけが流れました。
~「その人は昔」、「夕笛」、「夏子の季節」…僕が最も多くの作品を作っていただいた船村徹先生。その船村先生の最後の内弟子、村木弾~
舟木さんのMCで村木弾さんの紹介が、流れたあとに村木さんが、舟木さんと同じように舞台中央のステップ最上段に登場されての歌唱でした。
村木弾
「ござる~GOZARU~」
「ござる~GOZARU~」
村木さんの歌が終わると、シルバーグレーの着流し、襦袢は白、帯は白地にグレーの縞、白足袋に雪駄という素敵な和服姿で舟木さんが舞台の上手から登場され、村木さんとのツーショットで、しばらくお喋りされました。以下、ほぼ、ほぼ、こんなカンジのお喋りだったかな…
舟木さん
船村先生のところで12年、長いね~!やめようと思わなかったの?
船村先生のところで12年、長いね~!やめようと思わなかったの?
村木さん
思いました(笑)
思いました(笑)
舟木さん
船村先生はどんな方?
村木さん
あったかいですね、心が…。怒るんですが、優しい。
あったかいですね、心が…。怒るんですが、優しい。
舟木さん
先生はとにかくすごい照れ性だから、どうしても、口から出てくる言葉は乱暴になる(笑)
先生はとにかくすごい照れ性だから、どうしても、口から出てくる言葉は乱暴になる(笑)
この曲は、なぜか数ある詩の中から先生が気に入ってチョイスしてくださって…と村木さんのデビュー曲に決まった経緯のお話などもありました。
村木さんが僕から一言、言わせていただいていいですかと言って…客席に向かって…
この衣装は上から下まで全部舟木さんに作っていただきました。
最後に舟木さんから、ロビーでCDを販売してますから宜しくお願いします。とお願いされちゃいました(笑)
このところ「日本の名曲たち」というのを歌ってるんですが今回は大阪…ということで、水の都、八百八橋…川の風景を歌った歌を並べてみました。
~日本の名曲たち (4日~13日)
おんな船頭唄 作詩:藤間哲郎 作曲:山口俊郎
嬉しがらせて 泣かせて消えた
憎いあの夜の 旅の風
思い出すさえ ざんざら真菰(まこも)
鳴るなうつろな この胸に
憎いあの夜の 旅の風
思い出すさえ ざんざら真菰(まこも)
鳴るなうつろな この胸に
所詮かなわぬ 縁の恋が
なぜにこうまで 身を責める
呼んでみたとて はるかなあかり
濡れた水棹が手に重い
なぜにこうまで 身を責める
呼んでみたとて はるかなあかり
濡れた水棹が手に重い
利根で生れて 十三、七つ
月よ わたしも 同じ年
かわいそうなは みなし子同士
きょうもおまえと つなぐ舟
月よ わたしも 同じ年
かわいそうなは みなし子同士
きょうもおまえと つなぐ舟
長良川艶歌 作詩:石本美由起 作曲:岡千秋
https://youtu.be/Sz7xz7HnXN4 (ギター演奏)
https://youtu.be/Sz7xz7HnXN4 (ギター演奏)
水にきらめく かがり火は
誰に想いを 燃やすやら
あなた あなたやさしい 旅の人
逢ったひと夜の 情けを乗せて
こころまかせの 鵜飼い舟
誰に想いを 燃やすやら
あなた あなたやさしい 旅の人
逢ったひと夜の 情けを乗せて
こころまかせの 鵜飼い舟
好きと言われた 嬉しさに
酔うて私は 燃えたのよ
あなた あなたすがって みたい人
肌を寄せても 明日は別れ
窓に夜明けの 風が泣く
酔うて私は 燃えたのよ
あなた あなたすがって みたい人
肌を寄せても 明日は別れ
窓に夜明けの 風が泣く
添えぬさだめと 知りながら
いまは他人じゃ ない二人
あなた あなた私を 泣かす人
枕淋しや 鵜飼の宿は
朝が白々 長良川
いまは他人じゃ ない二人
あなた あなた私を 泣かす人
枕淋しや 鵜飼の宿は
朝が白々 長良川
*日本の名曲たちは、昼夜で変わります。また公演期間の前半と後半でも昼夜それぞれ変わります。
「おんな船頭唄」は大好きな三橋美智也さんの歌です。いい歌ですね。三橋先輩は大変に朴訥な方で「い」と「え」が混じって聞こえるんですね…と三橋さんのウタマネをしてみる舟木さん。そこがまた三橋さんの味ですよね!昭和の流行歌は流行歌の宝庫ですからほっとくのはもったいない。
最近は和服で歌うってことが少なくなりました。ここは威勢のいい歌を並べてみることに!
火消し若衆
喧嘩鳶
~サインボール
~サインボール
銭形平次
和服でボールを打ってもなかなか遠くに飛ばない…
お芝居でお父さんである橋蔵平次さんの投げ銭ポーズを披露された丹羽貞仁さんのことからはじまって、大川橋蔵さんの話題を…舟木さんご自身も同じで僕も若い時はワリバシみたいで同じなんですが…と橋蔵さんも若い頃はお腹が弱くて痩せていらして太れない体質だったので胃腸を冷やさないように気をつけていらしたのでだんだん皆さんが知っている丸顔になってきた…というお話などされました。
舟木さんの「初恋」では藤村の四連目は、歌われてません
さてコンサートの構成ですが…歌というのは単独で置くことはあまりなくて、いくつつなげるか、またツーコーラスにして何曲か歌うか、あるいはフルコーラスでビシッと歌って終るか…いろんなやり方がありますが、今回はこんな形で…と「絶唱」は「吉野木挽き唄」から入ってフルコーラスで、「初恋」もフルコーラスに加えてスリーコーラス目のハーフ「たのしき恋の盃を」以下がプラスされたヴァージョンでたっぷりと聴かせて下さいました。舟木さんの「抒情歌」大好き!な私としては大満足の構成でした。
吉野木挽き唄~絶唱
初恋
~アンコール
京の恋唄
舟友さんの5日の昼の部の花束