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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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ふれんどコンサート NO.75 メルパルク大阪 (9/11)レポート

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遅れ馳せながらのレポートです。舟木さんのトーク部分はピンク文字です。9月11日当日は、かなり蒸し暑さの残る一日でした。会場のメルパルクは、結構歴史がある建物だからか、ステージのエアコンがあまりきいてなかったようで、昼のステージでは、舟木さんは、珍しく「暑い!」を連発なさってました。夜は、客席に入ったとたん、思わず「さぶッ!」って言ってしまうほど、キンキンに冷えてました(笑)舟木さんが、夜の幕前トークの時に、12℃まで冷やしてくれました。っておっしゃってました。そりゃぁ、寒いはずです(笑)

私は、11時10分くらいに、会場到着。舟木さんの楽屋入りにギリギリセーフで間に合って、「お出迎え」できてラッキーでした。この日も100人以上のファンの皆さんが、舟木さんの到着を待って、暑い中、待機していらっしゃいました。

人垣の隙間からガラケーのカメラをかざしてダメもとで撮ったらなぜだか偶然キャッチできてました。

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kazuyanさんが、会場周辺の様子や、舟木さんの「お出迎え」の模様を今回も見事な動画作品にされましたので、先にご紹介させていただきます。

2016年9月11日大阪メルパルクホール
第75回Friend concert お出迎え Bgm♪勝手にしやがれ ♪幸せはここに

https://youtu.be/n6l7EAvTUzs



ふれんどコンサートNO.75 レポート  2016年9月11日  14時/17時半
テーマ  小さな時計(とき)のながれ

この日も舟友さんのとってもゴージャスなプレゼントの花束

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まずは、開幕前のプレゼントタイムのトーク

薄いシルク生地っぽい蛍光色のような明るい黄緑色の長袖シャツにごく淡いカーキ色系の綿パンで登場。マイクを左手に、右手でプレゼントを受け取りながらのいつものゆる~いおしゃべりです。

イメージ 6お待たせしました。気温も真夏と比べると5℃くらい違ってきましたが、トシとると残暑がこたえます。最近は、夜中に二回半くらい目が覚める…夜中に冷蔵庫のところに座り込んでガリガリくんを1本食べてまた寝るという生活が続いてます。
このところ私は台風が来るとこ来るとこコンサートに行ってました。台風と相思相愛(笑)でも僕らが子どもの頃のような台風は最近は来てないみたいですね。伊勢湾台風とかみたいに風速70米、80米というのが来てましたが…
四季の変わり目がはっきりしないのとつながっているようです。今の若い人は二百十日と言っても通じないんじゃないないかな。僕の子どもの頃の友だちは農家だったんで台風が来ると大変だったろうな。暑い!…若いから体が火照る、ハ・ハ・ハ…5年くらい前までと比べるとずいぶん汗をかかなくなったんですよ。最近は水分がなくなって出てこない(笑)今朝は朝起きて和朝食を食べてTシャツに着替えてホテルの最上階からエレベーターで降りてきて11階あたりで扉が開いたけど誰も乗ってこない。閉めようかどうしようかと思ってたら閉まりかけた扉を開けて入ってきた人がいて「あっ、舟木さん」ていうから誰かと思ったら氷川きよし君が立ってた。
では、しばらくお待ちください。着替えてきます。


 

~オープニング
《夜明け》   雀のさえずり

イメージ 7リバー・サイドホテル 原曲歌唱:井上陽水
https://youtu.be/8PxMin2Yz-4


黒シャツ、黒ベルト、黒パンツ、白いジャケット、モノトーンの胸ポケットチーフで登場

オープニングからステップも軽やかに「そこそこ」踊る舟木さん、若い!
途中、インストゥルメンタルでバンドメンバー全員にスポットライト。

やっぱりアツいわ!
さて、まあ、ふれこんは何回目かわからないほど回数をやってますが…70回…エッ!っていう数字です。
今回はパンフレットにも書きましたが「小さな時計(とき)のながれ」…朝から深夜までのながれを歌にしてみる。
リバーサイド・ホテルは早朝…同じ時間帯でも冬と夏では違う…朝、午後、夕方、夜、深夜というところで…朝からいってみましょう。

《朝》

別れの朝  原曲歌唱:ペトロ&カプリシャス
https://youtu.be/pfBq0lQWtWo

 



晴れすぎた朝に  作詩:北炭生  作曲:中原華道
http://www.youtube.com/watch?v=uWCUxMTIIuI&feature=youtu.be
(1977年 アルバム「一葉舟」収録)

イメージ 8くちずさむあの歌
声も途切れて
冷たい時刻(とき)をもてあます
淋しさばかりつのる日々
心の扉 錆ついた鍵に
ふと悲しみ揺れるとき
ひとり捜す
あなたの暖もりを
還らないほほえみを

この胸にあるのは
愛の傷だけ
それでも明日に夢をかけ
都会の冬を生きている


独りの目覚め晴れすぎた朝に
ふと涙をみたときは
捨てることもできない
あなたの想い出に
うずもれる

寒さに今はふるえるばかり
でもいつかは新しい
愛が生まれ
すべては変わるさ
ある晴れた日の朝に


イメージ 9さよならの朝に  作詩・作曲:舟木一夫
https://youtu.be/BfL1Bd9M4rw
 (1998年 WHITE Ⅲ 収録)

泣くがいいさ それで いいさ
信じあえる 今がすべて
帰って来たねここへ
この腕の中へ
さよならの あの朝に
時間(とき)を戻そう
突然胸をぬけた
みせかけの恋に
手をのべて 傷ついて
君は馬鹿だよ



泣くがいいさ それでいいさ
信じあえる 今がすべて

つれた髪をといて
こだわりをすてて
もう一度 あの朝に
時間(とき)を戻そう
少しは地味だけれど
変わらない愛を
ひとつずつ 咲かせよう
君の暦に

泣くがいいさ それでいいさ
信じあえる 今がすべて
泣くがいいさ それでいいさ
信じあえる 今がすべて
 
イメージ 10あるもんでしょう!朝の歌…♪北風吹きぬく 寒い朝も♪…「寒い朝」とか「下町の太陽」…
最近は朝のイメージを表現するのにも「コケコッコー!」なんて言わないでしょう。「烏(カラス)カアで夜が明けて」なんてのも言わないですから。烏も最近のはデカイ!赤ちゃんなんて烏は(襲ってくる)危ないですから。
あの烏を食べるヤツがいたんですが…30代の頃に聞いた話…どんな味がしたかって聞いたら車のタイヤを焼いたみたいな…(笑)
あまり歌詩の中で時間の指定をしてる歌はないですが、自分の作った歌の中に「PM春」ってのがありますが…
次は3時頃おやつの時間の歌を…

《午後、昼下り》

手さぐり坂   作詩・作曲:舟木一夫
https://youtu.be/Iv9OkLhf_Po
(1983年 WHITEⅡ 収録)

蜃気楼   作詩・作曲:舟木一夫
https://youtu.be/yRJ5iJlyutY
2000年シングル発売(c/w さよならの朝に)

イメージ 11思いがけず 夢にはぐれ
人はいつも 人にすがり
街角は 冷やかに
逝く春を 見つめる
揺れないで 泣かないで
うつむかないで
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい

想い出して 母の胸に
顔をうずめ 泣いた頃を
遠い日の 木もれ陽は
おだやかに よみがえる
季節ごとに 風は変り
季節ごとに 人はめぐり
あのひとも このひとも
振りむけば ゆりかご
出逢いにも 別離(わかれ)にも
ぬくもりはある
いたみ溶かす 愛があれば
ほほえみはくる

思いがけず 涙ぐんで
人はいつも 人にすがり
陽炎の日々の中
とまどいを くりかえす
揺れないで 泣かないで
うつむかないで
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい
寒い午後は 誰かの手に
ゆだねればいい

まあこの歌なんかは、午後の三時か三時過ぎくらいにオープンのティールームかなんかで想いを馳せてるって歌でしょう。でしょう…って自分が作った歌なんですが(笑)
この2曲は「WHITE」の中で、時間的な午後というより、三十代から四十代にさしかかったところの歌。五十過ぎるとそんなに悩まない(笑)
秋だろうと冬だろうと一番多いのは夜の歌…
陽が完全に落ちてから11時までは夜、11時過ぎると深夜…というところ
ここは、まあ、たそがれ時…昔、ありましたね「♪暮れそうで 暮れないたそがれ時は」…人生もたそがれ(笑)

~夜の部では~
最近、日が経つのが早いです。これヒマにしてたら長いんでしょう。71としてはメいっぱい動かしてもらってるんで早いんでしょうね。明日は、なにしようかな…っていうだったら一日が長いんでしょう。

《たそがれ時》

イメージ 12君といつまでも  原曲歌唱:加山雄三
https://youtu.be/Lmm2qCOui1A

黄昏のビギン  原曲歌唱:水原弘
https://youtu.be/lLt-e_spmPA

川は流れる  原曲歌唱:仲宗根美樹
https://youtu.be/3O5zNfaC7kI
  
        
わかれうた 原曲歌唱:中島みゆき
http://v.youku.com/v_show/id_XMzMzMjg0MjA=.html



イメージ 13ところで今年も12月の公演が迫って来ました。まだ脚本が出て来ない…11月の終わり頃には稽古ですから…
「天保六歌撰」。笹野さんが河内山、僕が金子市之丞、直次郎が丹羽さん、丑松が林啓二さん。原作では、六歌撰なので、そこに森田屋清蔵と直次郎のなじみの遊女・三千歳が入ると6人で「六歌撰」。でも今回は河内山、金子、直次郎、丑松の四人をクローズアップしてやってみようと…そこに初老の中野碩翁を里見さんにやっていただいて…中野碩翁は金子たちを見て俺が悪さをしていた若い頃みたいでオモシロイ…ということで、彼らを見てるという…
~そうなると、やはり映画「大江戸評判記・美男の顔役」が下敷きかも…なんて私は勝手に想像してます(笑)~
これが最後っていう大立ち回りが出てきます。ラストはハッピーエンドじゃなく壮絶に斬り死する…でも決して暗い話じゃないです。まあ頑張ってみましょう!
来年の新歌舞伎座も、もう決まってますが、まだ話しません(笑)


「君といつまでも」の「幸せだなぁ…」のセリフ部分は、昼はちょっとおふざけ、夜は、ムーディーでした。また、夜は、「黄昏のビギン」の歌詩の「♪はじめてのキス」にこだわった舟木さん、後ろのバンドメンバーに「はじめてのキス」はいつだった?と質問して回りました。三宅裕司さんとの楽屋話での「はじめてのキス」爆笑エピソードもご披露。でも、ご自分のことは、言わないのがズルいですね(笑)

さて、ここは夜。わりと浅い夜、晩御飯の前か後くらい

《夜》

イメージ 14見上げてごらん夜の星を 
原曲歌唱:坂本九
https://youtu.be/3hNQsRmAAC0


月がとっても青いから  
原曲歌唱:菅原都々子
https://youtu.be/LMBft8P6U9w


星は何でも知っている  
原曲歌唱:平尾昌晃
https://youtu.be/G-5mEEOWjvw


逢いたくて逢いたくて 原曲歌唱:園まり
https://youtu.be/toacQenRmao


霧の摩周湖 原曲歌唱:布施明
https://youtu.be/V0pJDmbXniE


「星は何でも知っている」では、ラストに口だけパクパクしてお茶目ぶり炸裂の舟木さん。
熱唱の舟木さん、手をパタパタして顔を扇ぎながら、暑いな!…

今回、「小さな時計(とき)のながれ」というテーマでこうやって言葉を拾って歌ってみると、来年は「めぐる季節」というのでふれコンでもやってみようかなと思ってますが…
来年は「日本の名曲たち」をちょっと休んでオール持ち歌でやってみようかと…さて、深夜です。


イメージ 15《深夜》
~スタンディング~

れ・く・い・え・夢   作詩・作曲:上田成幸
(1982年「WHITE」収録)

嘘も真実(ほんと)も 見えないまま
若さに酔いつぶれ
うつら・うつらと揺れて ゆりかご
――帰らぬむかし

流れてひとつ はしゃいでひとつ
なくしたものと 手にしたものと
つなぎ合わせてみる
淋しさついでの夜明け

最終便にこぼれた乗客(きゃく)へ
とどくのは……寒さ

長いトンネル 超えてはよせる
いたみを押し戻し
馬鹿につらいと うらみごとなど
―― うしろへ投げる
あいつもひとり 俺もひとり
うまれて生きて それが結果(こたえ)か
誰もがそれなりに
力つき傷を抱いて
涙にまけて ひっそりたたむ
”夢”という翼

はるかに昨日 まさぐる明日
ほろにがい……煙草



イメージ 16勝手にしやがれ  原曲歌唱:沢田研二
https://youtu.be/gogha8Hrtx4


本牧メルヘン   原曲歌唱:鹿内孝
https://youtu.be/jj26JzhhQbg

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イメージ 18WHISKY- LONELY  作詩・作曲:上田成幸
https://youtu.be/o2scFdlA-2g
(「WHITE」収録 1982年6月LP発売/1995年4月CD発売)

(こちらが2010年ライブVer.)

めずらしく アイツめが
自分でタバコなんぞを 買いに出た
ドアを出て 10分も経ってから
置き去りの小銭入れに 気がついた
バカ野郎 夜中の2時に
小銭もなしで タバコが買えるか
あの野郎 出て行ったな
別れたな もどらないな……
くやしいけど 泣かないもん
酒でも飲んで 忘れるもん
あの野郎 手ぶらで出たっけ
ここよりいい部屋 見つけやがったな
バカ野郎 このあたしより
いい女なんて いるもんか
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
くやしいもん 手酌だもん
ヒマになっちゃったもん 飲むしかないもん
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
探すなんて 似合わないもん
酔いつぶれちまえ 寝ちまえ

イメージ 19WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
 
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY

イメージ 20WHISKY-GRASS(くやしいもん)
WHISKY-NIGHT(手酌だもん)
WHISKY-CRY(泣かないもん)
WHISKY-LONELY(忘れるもん)
WHISKY-GRASS WHISKY-NIGHT 
WHISKY-CRY WHISKY-LONELY
………………
 


カーテンコールで再び舟木さん登場。


今回の曲のラインナップは、多分、舟木さんファンの大多数の方のお好みに添ったものだったと思います。そして、私としては、何よりラスト・ナンバーの「WHISKY-LONELY」が、始まった時は、ヤッターぁッ!でした。もう、ホントに鳥肌もの…。実は、もう、この曲は、ナマのステージでは聴けないんじゃないかな…と思ってました。最後の部分の、客席との手拍子の掛け合いをCD(2012年発売「WHITEスペシャルセレクション」~2010年ライブver.」で聴いて、どうしてもライブで聴きたいと思っていた曲でしたが、アップテンポだし、手拍子とは言え、舟木さんの動きがかなりハードになる曲だと想像してましたので…。そして、実際にライブで聴かせていただくと想像通り、とってもハード!でも、でも、なのに、なのに、舟木さんのパワフルなこと。最初は、舟木さんがタイヘンだろうからと、思わず手拍子を打つ速さをゆっくりしたりしてた私でしたが…(笑)いらぬ、心配、余計なお世話…でした(笑)大感激の嬉しく思いがけない初めての「WHISKY-LONELY」ライブ体験でした。シ・ア・ワ・セ


以下は、以前に「WHISKY-LONELY」について記した日記です。一部抜粋して再録します。

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「WHISKY-LONELY」~舟木一夫自作曲によせて その9
http://blogs.yahoo.co.jp/ycmay26/70050238.html

「今の舟木さんのナマの歌唱で聴けるなら、どんな曲でもかまわないほど何を唄われても大満足なのですが、あえて欲張って云えば「WHISKY-LONELY」を、ぜひ聴いてみたいと思っています。」
下記に、舟木さんが、コンサートで、この曲についてお話しなさっている記事を併せてご紹介します。

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日本の名歌手シリーズ 舟木一夫 風まかせ(1999年10月発刊・東京新聞出版局)より


~5daysコンサート in 京都南座(1999年7月)のトークの模様 
 ピンク文字が舟木さんのトーク~  

「次にお聞かせするのは、多分、これはコンサートでしか入り込めないだろうというタイプの曲。中身や時間的な問題も含めていろいろあるんですが「WHISKY LONELY 」という、僕自身が「WHITE」というアルバムの中で書いたもので、だいたい10分くらいかかる作品です。お聴きいただければわかると思いますが、コンサートだからこそ入り込める作品ではないかと思います。」
 
彼がそう紹介した作品は、アコースティック・ギターの優しい音色、語りや眼差しが滲む歌詞、素直なメ ロディーが心に染みてくるナンバーだ。そして、その柔らかな旋律は、やがてサウンドとともに壮大な膨らみを帯び、さらにスケールアップ。クライマックスはリズム・アップした軽快なタッチのリフレイン・ソングへと変わる。そこには、流行歌という世界とは別の、等身大の彼が描く舟木流ダンディズム、ウィスキーのように甘くほろ苦い、独自の世界観が広がっている。シンガーソングライターとしての彼の懐の深さをうかがい知ることのできる作品のひとつだ。
 
「今の曲を聞いてずい分長いな……なんてお思いになったでしょう。同じフレーズばっかり(笑)この曲は、10分で終わろうと思えば終われて、30分やろうと思えばできる歌なんです。これは、リフレイン・ソングというやつで、有名なのはクリスマス・ソングの「聖者の行進」があります。また、僕が中学校一年生ぐらいの時にラジオで聴いて、カルチャーショック、大ショックを受け、それが僕を軽音楽の道へ足を踏み入れさせるきっかけになったハリー・ベラフォンテという黒人のしゃがれた凄くいい声で歌う人がいまして、彼がカーネギーホールで初めてコンサートをやった時に、ライブを録ったんですね。その洋盤が日本でも発売されたんですが、その頃の洋盤というとても高くて、2400円もした。当時の大学出の初任給が1万円いくかいかないかという時代でしたから、とても買うのは大変で、僕は1ヶ月アルバイトをしてようやくそれを買うことが出来た。そのアルバムはいまだに大切に持っていますが、そのステージのフィナーレで「マチルダ」という曲を、お客さんと延々、15分ぐらいやりとりしていて、それが大変素晴らしかった。そういう意味では、こういったリフレイン・ソングというものをコンサートで時々楽しんでもらうのも、うどんに唐辛子が入ったみたいでいいかな……なんて思っています。」
 
それにしてもお酒が飲めないという舟木さんが「お酒」を小道具にした作品を何曲も作っていらっしゃるのも興味深く思います。落語でも、「酒飲み」「酔っ払い」を主役にした噺がたくさんありますが、お酒を全く飲めない噺家さんが、実に見事な酔っ払いぶりを見せてくださるのに驚かされますが、それと共通するものがあるのでしょうね。同じように「ラブソング」も、実際には経験していないシチュエーションであっても、イマジネーションの扉を開けて、その世界を鮮烈に描き出す感性を備えた人が優れた表現者となれるのかも知れません。


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