これからご紹介する「写真集」は、昨年末にオークションで見つけたのですが、発行年、「非売品」という情報以外はわからず、画像も、下のような真っ黒な地に「Papyrus」と金文字が入った表紙と、もう一枚舟木さんの私服のスナップ写真だけだったので、中身とか発売の主旨もわからず、入札をしばらく躊躇していました。それで、この写真集をお持ちだろうという方に頼って、おたずねしてみましたところ、丁寧に説明していただき、情報を得ることができたのでこうして手に入れることができました。
この場にて、あらためて、御礼申し上げます。
Papyrus 舟木一夫写真集 1970
昭和45年、舟木さん26歳の頃に発行された写真集です
昭和43年に舟木さんは所属事務所「第一共栄」から独立し「㈱舟木一夫音楽事務所」を設立。独立して2年後の昭和45年に自社から限定本(非売品)として発行されたものだそうです。その頃の状況は、大倉明氏著の「青春賛歌」第3章「どん底をさまよった”寒い時代”」に以下のように記されています。
一部を抜粋させていただきます。
「ディレクター栗山章の突然の退社」という最初の項を受けて・・・
悪いことは重なるものだ。舟木は昭和43(1968)年2月21日、東京ヒルトンホテルで”懇談会”を開き、5月1日に「舟木一夫音楽事務所」を設立すると発表した。
~中略~
舟木率いる最初の仕事は、舟木自身の企画で実現した日本テレビの連続ドラマ「泥棒育ち・ドロボーイ」で、連ドラの主演は初めてだった。「ねずみ小僧」の現代版という内容で、昭和41年9月8日公開の東映映画「太陽に突っ走れ」で共演した大原麗子のほか、横山道代、大坂志郎、小坂一也らが出演した。撮影は6月から始まり、放送は10月3日から12月26日まで。ウケる自信はあったが、漫画やテレビでスポーツ根性ものが流行っている時代。第2話まで見た段階で、舟木自身が「ちょっぴりキザで、おしゃれなドロボーが主人公では浮いている。これはフライングだ」と感じた。~
~中略~
歌も10月に”心のステレオ"第2弾のアルバム「雪のものがたり」をリリース。このアルバムをメインに10月4日の東京サンケイホールを皮切りに11月11日まで、デビュー5周年記念全国縦断リサイタルを25都市で計45回開催。スタッフと舞台装置、照明機材などは東京公演のものをそのまま大型バス1台と大型トラック2台で運ぶという、これまで以上の力の入れようだった。
~中略~
表向きは順調に見えた舟木だったが「昭和43年は舟木一夫が思い切り暗転するスタートの年で、歌の企画もロクなもの出てこず、自分の歌もズタズタに崩れ、ドロ沼に入り込んでいった」(舟木)そんな風には見えなかったのは、「デビュー以来、それまでに積み上げた実績の余力、果実を食いつぶしながら走っていたにすぎなかった」からだという。
故郷・愛知県一宮市から上京させて東京世田谷区代沢で一緒に暮らし始めた家族の”崩壊”もこれに追い打ちをかけていく・・・・
故郷・愛知県一宮市から上京させて東京世田谷区代沢で一緒に暮らし始めた家族の”崩壊”もこれに追い打ちをかけていく・・・・
~中略~
昭和45(1968)年・・舟木がこの年発売したシングルは「心配だから来てみたけど/再会」「青年の唄/うわさのあいつ」「紫のひと/東京みれん雨」「霧の街/二人の夜」のわずか4枚。舞台は四月に大阪・新歌舞伎座(8日から26日)、8月に東京・明治座(1日から28日)、12月には名古屋・御園座(4日から10日)で公演しているが、目立った活躍はなかった。明治座では、「新吾十番勝負」「日本の旋律・荒城の月」と題した公演を行ったが、公演中の8月12日午前4時30分、詩人・西條八十が急性心不全のため亡くなった。78歳だった。
昭和45(1968)年・・舟木がこの年発売したシングルは「心配だから来てみたけど/再会」「青年の唄/うわさのあいつ」「紫のひと/東京みれん雨」「霧の街/二人の夜」のわずか4枚。舞台は四月に大阪・新歌舞伎座(8日から26日)、8月に東京・明治座(1日から28日)、12月には名古屋・御園座(4日から10日)で公演しているが、目立った活躍はなかった。明治座では、「新吾十番勝負」「日本の旋律・荒城の月」と題した公演を行ったが、公演中の8月12日午前4時30分、詩人・西條八十が急性心不全のため亡くなった。78歳だった。
デビュー以来、またたく間に頂点にのぼりつめた舟木さんにとって、ご自身がおっしゃる「寒い時代」の始まりの頃が、この写真集の発行された時期と重なります。
いわゆる、雑誌用のポートレートなどの写真ではなく、舟木さんが私服でプライベート風なスナップ写真のようなものもいくつか掲載されていますが、そういった、その頃のリアルタイムの写真の表情にはデビューから数年間の写真のような、溌剌とした爽やかさは、やはり、感じられない気がして、ちょっと切ないです。
いわゆる、雑誌用のポートレートなどの写真ではなく、舟木さんが私服でプライベート風なスナップ写真のようなものもいくつか掲載されていますが、そういった、その頃のリアルタイムの写真の表情にはデビューから数年間の写真のような、溌剌とした爽やかさは、やはり、感じられない気がして、ちょっと切ないです。
Papyrus 舟木一夫写真集1970
昭和45年8月1日発行
編集:(株)舟木一夫音楽事務所
編集:(株)舟木一夫音楽事務所
パピルス(pspyrus)とは古代エジプトの葦の名である エジプト人はこの葦のようなパピルスで舟を作り太西洋を横断し偉大なるエジプト文化を南アメリカに伝えインカ帝国の文化の礎を作ったのではなかろうかといわれている 葦は子どもの手でも折れる柔らかな水生植物であるそんな葦で釘もない時代に作った舟なのだ。その舟が 木造でもなく鉄鋼船でもないその舟が 風にも耐えてあの広い大西洋を横断するのである パピルスのように柔軟でありながら鋼にも匹敵する強靭さこそ舟木一夫の舟ではなかろうか あえて舟木一夫の写真集のタイトルをパピルスとする所存である 舟木一夫クン君こそ現代のパピルスであって欲しい
芸術には国境がない
なんの説明を加えないでも 世界のすべての人の魂に話しかけることができ 心と心を通わせることができる
そこに人類相互の信頼と調和が生まれ 平和が訪れる
そこに芸術家に期待される社会的使命がある
プロの歌手になるというボクの人生の第一目的をはたした年 でも仕事が 自分自身になにかもうひとつピンとこないで ただもう無我夢中で雲の上を歩いているようでした
それからこの年の10月「学園広場」を歌ったとき ”ああ プロの歌手になってホントによかったなあ”と感じた
12月にレコード大賞の新人賞をもらったときは嬉しさのまえにその責任の重大さを痛感しました そして思いました ”ファンの皆さん ありがとう”と
それからこの年の10月「学園広場」を歌ったとき ”ああ プロの歌手になってホントによかったなあ”と感じた
12月にレコード大賞の新人賞をもらったときは嬉しさのまえにその責任の重大さを痛感しました そして思いました ”ファンの皆さん ありがとう”と
38年
1963年(昭和38年)発売シングル盤
高校三年生
作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
http://www.youtube.com/watch?v=nhXoeMxs4Mw
http://www.youtube.com/watch?v=nhXoeMxs4Mw
只今授業中
作詩:関沢新一 作曲:遠藤実
http://www.youtube.com/watch?v=QBwa4zx9bMo
http://www.youtube.com/watch?v=QBwa4zx9bMo
舟木君に望む 川口松太郎
流行歌手の生命は短いというが舟木君は長い人だ。今後も長く唄いつづけるだろう。歌ばかりでなく芝居もぐっとうまくなった。私もかつて彼
のために「春高楼の花の宴」という舞台脚本を書いたことがある。明治書生の役をそれらしくやって成功したが、彼の舞台にはユウモアがある。村上元三君の時代劇脚本では二枚目半的なアクションで観客を喜ばせるシーンが随所にあった。躰に備わる愛嬌だからユーモラスな特徴を生かす脚本を得て、その方面の演技を開拓し得たらそれこそ鬼に鉄棒だ。(*金棒の意)
舞台人の大事なことは他人の持たない特技を身につけることで、特徴のない芸能人は永続性がない。舟木君は歌という特技に加えて舞台俳優の演技を身につけている。美しい二枚目の上へ愛嬌のあるユウモア演技を自分のものにしたら両手に鉄棒を持つのと一緒だろう。若い二枚目なら誰でもやる。平凡な二枚目ではつまらない。舟木君でなければならない持ち味が完璧になったら舞台人としての生命は永遠であろう。そういう舟木君になってくれることを望む。
のために「春高楼の花の宴」という舞台脚本を書いたことがある。明治書生の役をそれらしくやって成功したが、彼の舞台にはユウモアがある。村上元三君の時代劇脚本では二枚目半的なアクションで観客を喜ばせるシーンが随所にあった。躰に備わる愛嬌だからユーモラスな特徴を生かす脚本を得て、その方面の演技を開拓し得たらそれこそ鬼に鉄棒だ。(*金棒の意)
舞台人の大事なことは他人の持たない特技を身につけることで、特徴のない芸能人は永続性がない。舟木君は歌という特技に加えて舞台俳優の演技を身につけている。美しい二枚目の上へ愛嬌のあるユウモア演技を自分のものにしたら両手に鉄棒を持つのと一緒だろう。若い二枚目なら誰でもやる。平凡な二枚目ではつまらない。舟木君でなければならない持ち味が完璧になったら舞台人としての生命は永遠であろう。そういう舟木君になってくれることを望む。
39年
”君たちがいて僕がいた””花咲く乙女たち”などを歌っ
ていて悩んだこと・・・・・
ていて悩んだこと・・・・・
それは、学園ものや青春ものだけを歌っていて どこまでやれるだろうか? 限界があるんじゃないだろうか でもファンの方々は喜こんでくれている それなのにボクはそれをすてなければならないかもしれない どうしたらいいんだろうボクは?・・・・・
こんなことを考え悩み苦しんだ年だった
3月に初めての国際劇場でのワンマン・ショーが大入りで大カンゲキ
それからちょっぴりはずかしいけど言っちゃおうホントのことをこの年に初恋をしました 相手は誰だって?
まあ それはカンベンしてください
1963年(昭和38年)発売シングル盤
初恋の駅 作詩:関沢新一 作曲:山路進一
http://www.youtube.com/watch?v=gWoEQQg1GDk
http://www.youtube.com/watch?v=gWoEQQg1GDk
さらば古い制服よ 作詩:丘灯至夫 作曲:戸塚三博
http://www.youtube.com/watch?v=ZAr8QTbYobc(kazuyanさん)
http://www.youtube.com/watch?v=ZAr8QTbYobc(kazuyanさん)
青春はぼくらのもの 作詩:丘灯至夫 作曲:遠藤実
http://www.youtube.com/watch?v=hvGl3tKe6vE(kazuyanさん)
http://www.youtube.com/watch?v=hvGl3tKe6vE(kazuyanさん)
少女 作詩:石本美由起 作曲:山路進一
http://www.youtube.com/watch?v=i77y8CHaBX4
http://www.youtube.com/watch?v=i77y8CHaBX4
若き旅情 作詩:西條八十 作曲:遠藤実
http://www.youtube.com/watch?v=q4o-_EvPvNY(kazuyanさん)
http://www.youtube.com/watch?v=q4o-_EvPvNY(kazuyanさん)
右衛門七節 作詩:西沢爽 作曲:遠藤実
http://www.youtube.com/watch?v=xx-dDbUk06A
http://www.youtube.com/watch?v=xx-dDbUk06A
~「Papyrus」 舟木一夫写真集 1970 その2につづく~