その1のつづきです。
花の巻
三、松の廊下
場面二の、のどかな赤穂の浜の風景から暗転。重苦しいBGMの後、松の廊下の場面へ。
林与一さん扮する吉良上野介、いよいよ登場。この場面で上野介は、勅使供応役の面々を集めて、
自分への進物は不要と申し渡している。内匠頭はひとり遅れて殿中に入った。
勅使のひとりが、上野介に、なぜ浅野殿には厳しくされるのか…と尋ねると
××××…(この問いへの返答は重要な部分ですが、ネタバレになるので伏せておきますね)
この後、内匠頭が「刃傷」に及ぶ場面になりますが、このプロセスがまたとってもリアルです。
脚本の説得力、そしてもしかしたらある意味、一番ムツカシイお役の上野介を演じる
与一さんの、佇まいやセリフまわし、高家旗本の品位を保ちつつ人間臭さも併せて表現。
やはり、年輪というのでしょうか。脚本の新鮮味も、もちろんありますが、とても新鮮な上野介。
舟木さんとの直接のからみは、「雪の巻」での仇討ち本懐の場面のみですが、五十数年にわたる
舟木さんとのお仕事を通じての親交の奥深さを痛感させられ、感動しました。
単なる敵役に甘んじることのない人間・吉良上野介を見せていただいた思いでした。
内匠頭、吉良上野介への刃傷に及ぶの報、内匠頭切腹の報がはや駕籠で赤穂に届く
四、赤穂での、連日の会議、様々な意見をまとめていく内蔵助
場面は変わって赤穂城内。江戸詰めの藩士と御膝元赤穂在住の藩士との温度差など。
山積する問題の中、心がバラバラになりつつある家来たちの意見を謙虚に聴いていく内蔵助。
こんな上司だったらいいのになぁ…と思う現代人は多いんでしょうね。
理性的で情が深い人間味あふれる内蔵助像を、舟木さんが、自然体の肚芸で魅せる。
このあたりで、内蔵助のステキな決め台詞が、どんどん出てきますが、
これも、ネタばれになってしまうので、控えておきますね。
五、赤穂城、明け渡しの場面
城明け渡しの後の、すべての事務作業を終えての夕刻。
ひとり、城に別れを告げる内蔵助。
内匠頭の辞世の句(松也さんの声で流れる中)城を後にして花道を去る内蔵助、その心中は。
浅野家の家紋、大石家の家紋が、舞台上手の背景画に使われていました。
こちらは、赤穂城で撮影してきた写真です。
ぼちぼちですが、つづきます(笑)
ゴーゴー・カフェに展示の楽屋暖簾