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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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サンクスコンサート二部~50周年記念ファイナル特別公演(新橋演舞場)

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舟木一夫 芸能生活五十周年記念ファイナル特別公演~新橋演舞場
    2013年   6月30日  サンクスコンサート 二部
 
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第二部  船村徹特集
 
イメージ 7~黒のベストスーツに淡い萌黄色(黄緑がかった黄色?)のジャケット
 
以下、コンサートの模様は舟木さんのトーク(MC)部分を軸にレポートします。舟木さんのトークはピンク

休憩後、幕が上がって登場した舟木さん・・・なんだか女性のトイレが満タンだとか・・一部では西条先生の曲を聴いていただいて、あらためて日本語の美しさを・・・
古賀先生には、なんとか間に合って『敦盛哀歌』『春の坂道』などを作っていただいた。その後は、吉田正、船村徹、遠藤実・・という昭和を代表する方たちが・・二部では その中の船村先生の曲を・・
(大きな拍手)いや、私が作ったわけではない(笑)
 
1あの娘が泣いてる波止場 三橋美智也
この曲の歌詩の内容は悲しいんですけどメロディーは明るい。流行歌は歌詩が重い場合はメロディーで助ける。メロディーが軽すぎる時はアレンジで助ける。詩、曲、アレンジ、歌い手とこういう感じで回転していく。
歌詩がつまんなくても、メロディーでなんとかしちゃう。遠藤、吉田、船村・・「○○メロディー」という言い方をされる人はみんな、そう・・
 

2 別れの一本杉春日八郎
3 柿の木坂の家 青木光一
4 早く帰ってコ 青木光一
船村先生の曲は、ネバリがあってどちらかというと男の歌い手向き。船村先生も、遠藤先生も歌い手になりたかった人です。そういういきさつは誰にもある。ですから根本的に歌うことが好きなんです。
*ネットでこんなお宝みつけました。船村氏による歌唱音源『サンチャゴの鐘』です。
 
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舟木さんの『サンチャゴの鐘』
http://www.youtube.com/watch?v=xdxTg-ewkg4

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ちなみに、この『サンチャゴの鐘』が発売された一ヶ月後に舟木さんにとって二度目の事件が起こりました。
1973年
9月「サンチャゴの鐘」「夏子」発売
10月29日京都市内ホテルで事件発生。全治一ヶ月の重傷。
10月30日大阪新歌舞伎座が12月公演中止を決定。
11月18日退院。静岡県友人宅へ。
 
 
イメージ 8さて、ここは「おんな唄」という世界を・・
5 どうせ拾った恋だもの 初代コロムビアローズ
6 女の宿 大下八郎
7 哀愁のからまつ林 島倉千代子
船村先生の特長は、歌い手の特長を生かし、ひとりひとりの歌い手に充てて曲を作る。歌い手のキイを目いっぱい使ってる、歌い手にとっては難しい、ねじこんでくるような感じで、これを気持ちよく聴いていただけるかどうかは歌い手にかかっている。

ここで大倉明氏の著作「青春賛歌」より、そんな曲作りをされる船村氏であることが如実に感じられるある時代のエピソードをご紹介します。
 
~そんな「寒い時代」のある日『その人は昔』のアルバム作りなどで労苦をともにした作曲家・船村徹から電話があった。そして、久しぶりの挨拶もなく、いきなりー 「舟木君、歌をやめるんだって。そんなの君の自由で、どっちでもいいんだけど、僕が君のために作った『夕笛』は誰が歌ってくれるんだい」言葉を返す余裕もないまま、電話は切られた。舟木は突然、脳天をぶち割られたような衝撃を覚え、仕事、人生への甘えを一撃のもとに吹っ飛ばされた。プロ歌手としての自分を恥じた。船村とは、本間千代子と共演した同名映画の主題歌『夢のハワイで盆踊り』を皮切りに『ブルートランペット』『夏子の季節』『あいつと私』『夜霧の果てに』などシングル計27曲と2つの大作アルバム『その人は昔』『雪のものがたり』をリリースしている。~中略~当時の話をすると、船村は「思い出しますねえ。私も若いころでしたからね。率直にそう思ったので、そう言ったまでです。彼は籠ってる性格があってね、書き手としては、彼のために書いた作品は大事にしてもらわなくては困ると言いました。私は歌い手のいいところを探して作品をまとめようとするわけですから、その人の個性にあったものを作っていくんですね。舟木君もその一人であったわけです。」と懐かしそうに振り返る。~
 
舟木さんに提供された船村氏作曲の主な作品をご紹介しておきます。
 
シングル発売曲
1964
夢のハワイで盆踊り
1965
東京百年 
1966
銀座すずらん通り/踊ろうぼくと/ひとりぼっちの女の子/太陽にヤァ!/真珠っ子/ブルートランペット/話してごらんこの僕に
1967
夏子の季節/あいつと私/心こめて愛する人へ/じっとしてると恋しい
1968
夕笛/夜霧の果てに/夢の中の恋人/オレは坊ちゃん/喧嘩鳶
イメージ 61969
ああ桜田門 
1971
あなたの故郷 
~事件1~
1972
帰郷(復帰作品)
1973
サンチャゴの鐘/夏子
~事件2~
1975
津和野川/むかえ火
1977
春哀し/愛を探しに
 
右の写真は1967年「夏子の季節」レコーディング準備の頃のもののようです。舟木さん、船村氏、後ろは丘灯至夫氏。
 
アルバム~歌謡組曲
1966
心のステレオ「その人は昔/東京の空の下で」
第21回芸術祭参加作品
1968
心のステレオ「雪のものがたり」
第23回芸術祭参加作品
1972
日本の四季「舟木一夫 西条八十の世界を歌う」
 
ここで「アツイ!」とお茶目な所作で上着を脱ぐ舟木さん・・・では2曲ほど「おあそびの曲」を・・手拍子で賑やかに・・・
8 ぶんがちゃ節(=キュッキュラキュ節) 北島三郎 
9 ダイナマイトが百五十屯  小林旭
 

イメージ 9脱いでいたジャケットを黒に着替えて・・いつだったか大川栄策君から「舟木さんの歌をカバーしたいんですが・・」と電話がかかってきた。で、何を歌うの?って聞いたら『学園広場』と『北国の街』・・ええ~ッ?!あの声、あのカオ、あの・・どうなっちゃうのかな~っと思ってたら、出来上がったのを送ってきた。でもコワくて聴いてない(笑)
 
10 悦楽のブルース 島和彦
11 男と女のブルース 島和彦
他にも『さだめ川』『矢切の渡し』など有名なのもたくさんありますが・・
この一曲は独立しておいてある。歌ってみるか!とまたまたお茶目なポーズが可愛い舟木さん。そして歌ったのが・・・
 
12 王将 村田英雄
これは聴きものでした。西条八十氏(作詩)とのコンビで昭和歌謡の大ヒット曲となりました。当時子どもだった私でも今でも歌えちゃうほどの名曲ですが、どうやら歌詩をじっくり味わったことはなかったみたいです。舟木さんの歌唱を聴いて、歌が一気にドラマ性を帯びて聞こえてきました。すっかり阪田三吉をイメージさせる舟木さん。大阪弁で、こんなお芝居も今の舟木さんならピッタリきそうです。「女房の小春」はどなたがいいでしょう?なんて先走って想像を膨らませてしまいました。この曲は船村先生がタクシーの中で10分でできた・・それがこういう凄い歌になった。
 
こうしてつなげてくると、ひばりさんがどうしても絡んでくる。洋服の世界と和服の世界がちょうど半々という唯一の歌い手。ほかの人は、洋服が主で和服が従・・とか、その逆とかのバランス。でもひばりさんだけは半々。・・と
 
13 哀愁波止場 美空ひばり
14 波止場だよおとっつぁん 美空ひばり
15 ひばりの佐渡情話 
美空ひばり
 
この三曲のような哀愁漂う歌はやっぱり舟木さんの真骨頂。胸を打ち、心に響いてきました。舟木さんの声質はひばりさんの声質と共通点があるような感じがしました。アルファー波が出ている感じとでも言ったらいいんでしょうか?いわゆる「ヒーリング効果」のある癒し系の声質と言ってもいいのではないでしょうか。
 
16 風雪流れ旅 北島三郎
17 兄弟船 鳥羽一郎
18 なみだ船
北島三郎
 
ここからのラストスリーが圧巻でトリ肌ものでした。初めて歌う曲が2曲あります。さて、どうなりますやら・・では・・・と3曲ともスリーコーラスみっちり。
 
私としては、舟木さんがこんな頭に「ド」のつく『演歌」を歌われるとは想定外でした。それにすくなくとも私の好んで聴いてきた歌の世界とは違っています。なのに、なんなんでしょう?
もちろんTVなどで流れてるのを聴いてはいてメロディーなどはよく知ってる曲ですが、これまであまり歌詩の意味などじっくり聴きとったこともなかったのです。ところが舟木さんは歌詩を聴かせるんですね。す~ぅっと詩が心に届くのです。『王将』でも感じましたがメロディーに紛れることなく詩の世界をきちんと伝えることのできる力量にあらためて驚きました。こんな素晴らしい詩だったの?

ラスト2曲は「船」が付くタイトル(笑)妙に反応しました(笑)特に舟木さんと北島さんは、デビューがほとんど同時期。でも詰襟姿で清潔で初々しい『高校三年生』の舟木さん。かたや、角刈りで男臭い世界を歌う『なみだ船』の北島さん。~本来は北島さんのデビュー曲は先ほどの『ブンガチャ節』でわけあり放送禁止になった曲だったそうですが~対照の妙です。その後も舟木さんは哀愁路線で『絶唱』など抒情歌系、ラブソングの世界を歌ってこられましたから、まさか、まさか、50年を経てあの「骨っぽい男の中の男」的な北島さんの「ド演歌」を、このように大きなスケールで歌われるようになるとは・・・なんて幅の広い歌い手に成長されたのかとあらためて感動しました。
 
  「WHITE」のアラン・ドロンから北島演歌まで
           「舟木一夫の世界は万華鏡」といってもいいでしょう。
 
〈アンコール〉  
19 夕笛 西条八十:作詩 船村徹:作曲 歌唱:舟木一夫
 
そして、大きな拍手の中、いったん幕が降りて、再び登場した舟木さん。オーラスは、西条八十作詩、船村徹作曲の『夕笛』・・・もちろん客席は予想はしていたものの大歓声、拍手喝采でした。舟木さんの歌唱の幅広さはもちろん、サンクスコンサートのプロデュースの素晴らしさにも感激しました。またもや「舟木一夫ってなにもの?」という想いを最後の最後まで感じさせて下さいました。
 
舟友kazuyan_hmさんの動画『夕笛』をお楽しみ下さいね。
 
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