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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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ちょっと箸やすめ~如月と弥生のあわいに聴きたい舟木さんの歌たち

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早いもので今日で2月も終わります。今年の舟木さんの初仕事は2月6日の大宮ソニックシティ・大ホールからスタートして、その後、13日と17日には大阪と東京での「ふれんど・コンサート」、そして22日、23日
と二日間にわたる京都南座でのシアターコンサートと続きました。私たち舟木さんファンにとって嬉しく、また充実した月になったのではないでしょうか。3月には、また関東の相模大野のコンサートを皮切りに、関西の堺と続き、月末の桜の咲く頃には、名古屋・中日劇場のシアターコンサートが開催されますから、心待ちになさっている方もたくさんいらっしゃると思います。
そんな、こんなで「去りゆく如月・二月を偲び、訪れ来る弥生・三月への心躍る想いを込めて」それぞれの季節が感じられる舟木さんの佳作二曲をご紹介させていただきます。
 
イメージ 3「ふれコン」の船村徹、「シアターコンサート」の遠藤実、両先生の、昭和の名曲は「演歌」の世界でしたが、それらの「演歌」を舟木一夫が歌うと私たちが想像もしていなかった世界が広がっていくという唯一無二の個性の力をみせつけて下さいました。その感激と驚きの余韻の中で、あらためて「舟木一夫」にしか描きだせない風景と抒情にあふれた曲を聴いてみるのもまた、楽しいのではないかと思います。三十代半ばの舟木さんの歌声は最も繊細で透明感に満ちていて胸をしめつけられるような哀感と切なさと、当時の舟木さんの痩身と哲学者のような風貌が相俟って痛々しいほどの美しさが迫ってきます。様々な人生の季節の中で、この時代もまた舟木さんのかけがえのない魅力をその旅路の記録にとどめているのだと思うのです。
 

歌手生活十五周年記念盤(1977年) 一葉舟~舟木一夫オリジナルアルバムⅠ 収録
 
イメージ 1流氷まつり 作詩:北炭生 作曲:中原華道
 
こんな寒さまで 
祭りにしてしまうんだねと
淋しそうにほほえんだ
あなたの顔
今も想い出します
あの日と同じ
白いコートに身体をつつみ
ぼんやりと立ち止まり
想い出辿ります
 
空の上から見えますか
薄青色の氷像が
あれから二年もたったのに
ひとり歩きがまだ出来ません
 
 
イメージ 2強く透徹る
氷の翼を持ちながら
白鳥は飛べないで
悲しい瞳をしている
空を見上げて
月の光に
浮かぶ流氷数えて
いつか二人して暮らす日を
夢みていました
 
涙ながれてやまぬのは
寒さのせいと思います
ひとりぼっちの強がりに
粉雪ちらちら降りかかります
 
空の上から見えますか
薄青色の氷像が
あれから二年もたったのに
ひとり歩きがまだ出来ません

 
「流氷まつり」は一年で最も寒さが厳しくなる時期である2月に網走、紋別などで毎年開催されているそうです。舟木さんの曲の歌詩にもあるように、天然氷でつくられたメインの「氷像」のほかに大小数十基の氷像が立ち並びイベントや北の味覚を楽しめるそうです。そんな賑わいの中だからこそ愛する人を亡くした喪失感と哀しみがより際立つ切なさが迫ってきます。舟木さん三十代半ばの天から降ってくるような透きとおった歌声が生かされた歌だと思います。
残念ながら以前はyoutubeにアップされていたのですが今は聴けません。

以下のサイトで冒頭部分だけ「試聴」できますので雰囲気だけでもお楽しみ下さい。
http://www.billboard-japan.com/goods/detail/399942
 
 
 
歌手生活十五周年記念盤(1977年) 愛はまぼろし~舟木一夫オリジナルアルバムⅡ 収録
 
ちぎれ雲 作詩:すずきじろう 作曲:里中さとる
http://www.youtube.com/watch?v=4ew7tZ900-I

イメージ 4雪どけの風に追われて
ちぎれ雲 泣いているのか
うらみさえ言わないで 遠ざかる君の背に
北国の花の便りが
とどくのは とどくのは
いつの日のこと
 
俺だけが ささえなんだと
ふるえてた細い肩先
あの人の幸せを 祈るのか ちぎれ雲
むらさきの影をおとして
別れ行く 別れ行く
ふたりを抱いた
 
イメージ 5噂さえ今はとだえて
矢車の花も咲く頃
旅を行くちぎれ雲 お前なら分かるだろ
男ごころの切なさ
あの人に あの人に
とどけておくれ
 
 
 
 
作詩のすずきじろう、作曲の里中さとるは皆さまご周知の通りいずれも舟木さんのペンネームです。
アルバム「一葉舟」収録では「あなたは今」「恋唄」「夜汽車は北へ」「友よ」(秋元康さん作詩のものではありません)が舟木さんの作詩による歌です。私的にはご自作の「友よ」が好みです(笑)
そして、「愛はまぼろし」ではこの「ちぎれ雲」の作詩・作曲ともに舟木さんがなさっているのが私たちファンには嬉しいですね。
なお、アルバム「愛はまぼろし」には船村徹作曲「惜別旅(わかれたび)」遠藤実作曲「まごころ」も収録されています。舟木さんが三十代におふたりから提供された曲は少ないので、今となっては貴重な音源となった曲だと思います。
 
以下のサイトで冒頭部分のみ試聴できます。

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