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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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ちょっと箸やすめ~梅・桃・桜の頃に聴きたい「ふるさとは屋敷町」と石本美由起氏のこと

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春らしい陽射しの穏やかな日が少し続いたとおもったら、また真冬のような冷え込みで、東北や北海道では大雪の心配があるほどの厳しい寒さです。昔とは気候も変わってきたようですが、それでも「三寒四温」という言葉を思い出します。
・・・・とはいえ、日一日と日が長くなって、御岸の入りまでもう十日ほどとなりました。二月の終わりに、「如月と弥生のあわいに聴きたい舟木さんの歌たち」で、ご紹介したアルバム「愛はまぼろし」の中に収録されている曲に「ふるさとは屋敷町」があります。作曲は船村徹氏、作詩が石本美由起氏です。この歌詩の一番の冒頭が「梅・桃・桜・ 春は咲き・・・」という、今のこの時期にぴったりなので、思いつくままに花たちの写真と一緒に作詩をなさった石本美由起氏について、少し記載してみます。
 
                                                写真は上から「梅~桃~桜」です。
 
イメージ 1ふるさとは屋敷町 作詩:石本美由起 作曲:船村徹
(1977年発売 舟木一夫オリジナルアルバム「愛はまぼろし」収録)
 
梅・桃・桜  春は咲き
落葉が泣かす 秋の里
帰ってきたと 叫んでも
迎えてくれる母もない
白壁染める
夕陽さびしい屋敷町
 

イメージ 2木立ちの風を ふるわせて
こころにしみる 祭り笛
別れに泣いたあの人も
嫁いで母に なったとか
耳をすませば
噂かなしい屋敷町
 
イメージ 5

故郷の月に ひとり酌む
地酒の熱い 酔いごこち
今さらなにを 偲んでも
幼い日々は 返らない
男の胸に
涙しぐれる屋敷町
 
イメージ 8
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「桃の節句」もすみ、今は、梅が真っ盛りです。梅や桜の木は、どこでも見ることができますが桃の木は、私の住んでいる近辺ではあまり見かけることができません。娘たちが小さい頃は、菜の花とまだ小さな蕾の状態の桃の花があしらわれた切り花セットを花屋さんで買ってきて雛段の脇に飾ったものでしたが、もう段飾りのお雛様は場所をとるので内裏雛だけを残してあとは処分してしまいました。その内裏雛も長女の家にもらわれて行きましたが、彼女が飾っているのを見たことがありませんから多分今は・・・でしょうね
 
 
イメージ 6さて、「ふるさとは屋敷町」の詩ですが、舟木さんファンならこの詩からどなたも「夕笛」を連想されるのではないでしょうか。私も、初めてこの曲を聴いたとき、西條八十作詩の「夕笛」の後日譚だと思いました。
映画の「夕笛」の印象が強いので、あの物語では、主人公のふたりが死んでしまっているのですから、後日譚というのはムリがあるかもしれないのですが、「夕笛」という曲自体の醸し出す情景は、雄作さんと若菜さんの悲恋だけの世界にとどまらない普遍的な抒情の世界を詠い上げていると言えます。その、八十作詩「夕笛」は1967年に発売されました。そして作曲は船村徹氏です。それからおよそ十年後の1977年に船村氏の作曲で「ふるさとは屋敷町」が生まれたことは、やはり「夕笛」の世界が根底にあってのことにほかならないと思います。詩を作られたのが石本美由起氏という当時でも歌謡曲の作詩者として大御所だった方であることを考え合わせると、船村氏の「夕笛」への想い入れが十年後の「ふるさとは屋敷町」という作品にも込められているように思います。
 
 
イメージ 7夕笛 作詩:西條八十  作曲:船村徹
 
ふるさとの 蒼い月夜
ながれくる 笛の音きいて
きみ泣けば わたしも泣いた
初恋の ゆめのふるさと
 
おさげ髪 君は十三
春くれば 乙女椿を
きみ摘んで うかべた小川
おもいでは 花のよこがお
 
ふるさとへ いつの日かえる
屋敷町 ふるいあの町
月の夜を ながれる笛に
きみ泣くや 妻となりても
 
あゝ花も恋も かえらず
ながれゆく きみの夕笛
 
 
石本 美由起(いしもと みゆき )1924年2月3日 - 2009年5月27日
広島県大竹市出身の作詞家。本名は美幸。幼少から喘息を患い、家に閉じこもるような生活を送る。生家は宮島
や江田島など瀬戸内海を見渡せる風光明媚な場所に建ち、幾分救われる。そばにある文学は全て読んだが、なかでも北原白秋やゲーテを読みふけった。
戦後、作詞を始め、高橋掬太郎が主宰する歌謡同人誌、「歌謡文芸」に投稿を始める。夢中になった白秋の詩『
思い出』の中の一篇「ザボンのかげ」からインスピィレーションを得て「長崎のザボン売り」という詩を書き同人誌に投稿すると、作曲家江口夜詩の目にとまり、1948年に小畑実の歌でレコード発売され大ヒットした。1950年暮れ、東京に住まいを移し、キングレコードの専属となって作詞家としてのスタートを切る。
翌1951年、作曲家上原げんとに見込まれ共にコロムビアレコードに移ったことで、上原をはじめ古賀政男船村
市川昭介らの作曲家とコンビを組み、美空ひばり、島倉千代子、都はるみらの楽曲を手がける。特に美空ひ
ばりには、大ヒットとなる「ひばりのマドロスさん」、「港町十三番地」、「哀愁波止場」、「悲しい酒」、「人生一路」などの詞を提供し、ひばり伝説の一翼を担った。美空ひばりには約200作を提供。他に遠藤実らとこまどり姉妹のデビュー「浅草姉妹」等も手がけている。(ウイキペディアより)
 
 
先日、舟木さんのご出演で話題になった「日本の歌謡史を彩った作家達シリーズ~日本の歌人たち」にも第20回の「日本のふるさと、夢、憧れ、哀愁を詠う  石本美由起」(2011年2月9日収録版)として登場なさっていたそうです。 
 
舟木さんに提供された曲は、それほど多くはありませんが、舟木さんが今年に入って、コンサートのステージにのせていらっしゃる「船村徹・遠藤実」両先生作曲の数々の「日本の名曲~流行歌」の中に、石本美由起氏の作品が、とてもたくさんありますので、このお名前はぜひ覚えておきたいと思っています。
以下は石本氏作詩による舟木さんのオリジナル曲です。  
 
愛の新雪 (1975年1月シングルカット発売) 
http://blogs.yahoo.co.jp/ycmay26/68985138.html ←(2014年1月22日付けのブログでご紹介しています)
 
「愛の新雪」「杉の木峠の別れ」~アルバム 友情/舟木一夫の新しい名刺 (1974年10月発売)収録~
 
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杉の木峠の別れ 作詩:石本美由起 作曲:竹岡信幸
 
春の花なら 山椿
秋の花なら 笹りんどう
生まれ故郷に 別れをつげる
君のこころの さみしさを
泣くか山彦 泣くか山彦 オーイ
涙ぐもりの 杉の木峠
 
 
 
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人の別れを 西東
しるす古びた 道しるべ
土地が変われば 暮らしも変わる
身体大事に するんだと
風に叫んだ 風に叫んだ オーイ
声がちぎれる 杉の木峠
 
町の駅まで 七曲り
別れ峠は 村境い
旅の苦労に 疲れたときは
意地を張らずに 帰んなよ
思い案じて 思い案じて オーイ
俺が待ってる 杉の木峠
 

あゝ荒城の月かなし 作詩:石本美由起 作曲:遠藤実
http://www.pideo.net/video/youtube/bfc58e73955d85ce/
LP盤「オール・スター演歌の花道 石本美由起作品集」収録
  
イメージ 11約束もない 恋ならば 
また会うことも かなうまい
しあわせいずこ 荒城に 
春高楼の 歌哀し
  
みどりの髪に 矢絣の 
紫似合う 君はなく
崩れて残る 荒城に 
おもかげ草は 今も咲く
 
月日はうつる 人の世に 
変わらぬ姿 月ばかり
待つ人もない 荒城の 
草笛さびし 恋哀し

*上記の「石本美由起作品集には」もう一曲「旅情」も収録されています。

 
少女 作曲:山路進一 (1964年7月)
 
花の匂いが するような
少女に逢った 遠い町
風に ふさふさ 前髪が
ゆれて夕陽に 光ってた
海につづいた 白い道
 
 
舟木さんが「船村徹スペシャル」と「遠藤実スペシャル」でそれぞれ歌唱された曲のうち、石本氏の代表的な作品です。石本氏の作品には、日本のふるさとの情景がこぼれるような哀感に彩られた言葉で描かれているものがこの他にもたくさんあります。
 
イメージ 12「柿の木坂の家 」 作曲:船村徹
 
春には柿の花が咲き 
秋には柿の実が熟れる 
柿木坂は駅まで三里 
思い出すなぁ ふる里のヨ
乗合バスの 悲しい別れ
 
 
「ソーラン渡り鳥」 作曲:遠藤実
 
津軽の海を 越えてきた 
ねぐら持たない みなしごツバメ
江刺恋しや ニシン場恋し
三味を弾く手に 想いをこめて
 ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン
唄うソーラン ああ 渡り鳥
 
 
わがやの庭に咲いている水仙とほとけのざです。
寒さに負けず頑張ってま~す。春よ来い♪
 
 
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