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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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アルバム こころのステレオ第2集「雪のものがたり」 その1

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『陽射し・旅人』・・・はまだもう少し続くのですが、この暑い盛りに「雪」をテーマにしたアルバムでちょっとばかり涼をとれたらと例によってまた寄り道です。
 
アルバム   こころのステレオ第2集   雪のものがたり 
(1968年11月発売  第23回芸術祭参加)
 
 
1968年
10月アルバム「こころのステレオ第2集・雪のものがたり」
10月3日日本テレビ「泥棒育ち・ドロボーイ」出演(12月26日まで放映)
10月4日東京サンケイホールから「デビュー5周年記念全国縦断リサイタル」開催
12月アルバム「舟木一夫 花のステージ第八集」
12月10日日活映画『青春の鐘』公開
12月12日東京ヒルトンホテルにて24歳の誕生日パーティー開催
12月31日第19回NHK紅白歌合戦に出場。『喧嘩鳶』を歌う
イメージ 11969年
1月『青春の鐘』(B面『幸せを抱こう』)
1月世田谷祖師谷に豪邸を新築
2月『永訣の詩』(B面『京の恋唄』)
2月アルバム「ワンダフルボーイ 舟木一夫」
2月21日松竹映画『永訣・わかれ』公開
3月アルバム「舟木一夫魅力のすべて・第一集」
4月27日サンケイホールで「ブルースの夕べ」開催
5月『追憶のブルース』(B面『素敵なあなた』)
 
『陽射し・旅人』シリーズその6で焦点をあてた頃の1969年から半年ほど前に遡った1968年10月に発売された「歌謡組曲・こころのステレオ」の第二集『雪のものがたり』を、何回かに分けてご紹介したいと思います。
 
舟友さんによる動画です。
 
イメージ 3
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
作 西条八十  音楽 船村徹  脚色 二条冬至夫 
         歌唱 舟木一夫
助唱 大原ますみ 声 藤本譲 合唱 コロムビア合唱団
協力 長野県白馬村役場
 
 
 
今日もおなじ文字並べ ひとりつづる 山日記 小窓明け友の名呼べど ただ白く ひかる雪山
むなしさに ランプの灯 そっと吹き消す
かなしさを ひとりなぐさめ さみしさを ひとり歌おう 眠られず 絃の切れたギターを弾けば
母が恋しい 人が恋しい  ああ・・・・
 
 
「描きたい! 描きたい! あの色が欲しい! ただぼくは描きたいんだ! 僕の描く絵はもう駄目なんだろうか
この山小屋にこもって もう何日暮らしただろう キャンバスの絵具だって 何回ぬり重ねたんだ! 
どうしても描かなければ いけないと言うのに あの雲の色が出ない! あのもえるような夕映えの雪山の色が出ない!」
 
 
ひとりでランプの灯をともし ひとりで吹雪の音を聞く 

 
「吹雪いてる! なだれてる! あれは山が泣いているんだ! ぼくの絵には あれがないんだ!
あの動きがないんだ あれが!  あれが描きたいんだ! あれが欲しいんだ!」
 
たそがれのあの空の色は 何んと哀しい 色なのだろうか あの色が欲しい あの色が描きたい

「ああ! この雪山の 美しさは なんと言う 素晴らしさだ 槍ヶ岳の あのきびしさ つばくろ岳の あのロマンティー 
穂高の夕映えも 描きたい そして  」
 
不帰(かえらず)の峯も すぐそこにあると言うのに
 
「これを描かなければ あの色を 出せなければ ぼくの画家としての 生命もきっと終わってしまうだろう

だめだ! わからない! どの色を使えばいいんだ! 赤! いやちがうなあ むらさき これでもない!

ああ 寒い 寒いなあ こごえそうだ オレンジをつかってみるか! ちがうなあ わからない わからないなあ

あの白! あの雪の色だ! でも出ない! わからない! 寒い 寒いなあ むらさき みどり ちがう わからない!

ああ!寒い 寒い白 あの雪の色 わからないなあ! ああ 寒い 寒いなあ!」
 
イメージ 4

 
濃紺の太字は語りの部分です。西条八十の詩の世界をメロディーにのせて謡う部分と語りの部分とで織りなしていく舟木さんの表現者としての感受性が光る音楽劇として1968年の芸術祭参加作品として企画されたのですね。
この心のステレオの第一集は舟木さんファンならどなたもご存知の『その人は昔』ですが、この第一集から「歌謡組曲」という言葉で紹介されています。「歌謡組曲」という言葉が今となっては、あまりピンと来ないような格調の高さを感じます。「音楽劇」、「音楽詩」・・・どんな言葉にもあてはまらない、「舟木一夫の世界」としか表わしようのないセンスを感じます。
どの部分をとっても破綻がない、素晴らしい完成度の高さだと私には思えます。この物語の主人公の青年は画家です。画家と言う表現者としての苦悩は舟木さんの歌い手と言う表現者としての苦悩に、あまりにも重なり過ぎて、図らずもこの作品は舟木さんの心情そのものをイメージさせるものとして「あの頃の」舟木さんが、抱え初めていた心の闇とリンクさせてしまう作品として私の中にしっかりその居場所を定めてしまっているのです。
 
(その2へつづく)
 
アルバムに表記されている「脚色 二条冬至夫」というのは、私の推察では丘灯至夫氏ではないかと思います。もし、ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さいね。 
 

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