アルバム こころのステレオ第2集 雪のものがたり
(1968年11月発売 第23回芸術祭参加)
作 西条八十 音楽 船村徹 脚色 二条冬至夫
歌唱 舟木一夫
助唱 大原ますみ 声 藤本譲 合唱 コロムビア合唱団
協力 長野県白馬村役場
レコード盤の2面が「下」となっています。
なにをしていたんだろう?ここはどこだ!
どこにいるんだ!
ぼくはいったい何をしていたんだろう!
わからない!
どこなんだ!
雪 雪の色・・・そうだ!
あっ! 何んにもない これは!
これは破けたまんまの
キャンバスじゃないか!
なんだ どうしたってゆうんだ!
何んにも描いてないぞ!
破けてる 破けてる ・・・・・・・・・・・
何んにも描いてないや
その4では「下」の後半を掲載します
以下は舟友さんの動画「雪のものがたり 下」です(音)
青緑の部分は舟木さんの語り
赤の部分は大原ますみさんの語り
疲れたわ 泉のほとりで休みましょ
べタニヤも こっちへおいで
かわいいね 沙美の小指は
好きよ あなたが大好き
離さない ぼくのものだ
離さないよ 沙美
離さない ぼくのものだ
べタニヤも こっちへおいで
かわいいね 沙美の小指は
好きよ あなたが大好き
離さない ぼくのものだ
離さないよ 沙美
離さない ぼくのものだ
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「沙美」と「ぼく」の かけあいの語り・・・
↓絶妙な間合いとテンポに注目して下さい
クロユリを摘んできたわ
あっ この色だ!
渡り鳥よ
どこにいるんだい!
湖がみえる
えっ! 窓はしまっているのに!
這い松がきれい
何を言っているんだ!
あっ この色だ!
渡り鳥よ
どこにいるんだい!
湖がみえる
えっ! 窓はしまっているのに!
這い松がきれい
何を言っているんだ!
夕やけだわ
粉雪が降っているんだよ!
私を描いて
沙美! 沙美を!
霧が出てきたわ
動いちゃだめだ!
何も描いていないの!
黙って!
不帰(かえらず)の沢に風が出てきたわ
ぼくの方をじっとみているんだ!
吹雪になるのかしら
沙美! 肩を下げて!
粉雪が降っているんだよ!
私を描いて
沙美! 沙美を!
霧が出てきたわ
動いちゃだめだ!
何も描いていないの!
黙って!
不帰(かえらず)の沢に風が出てきたわ
ぼくの方をじっとみているんだ!
吹雪になるのかしら
沙美! 肩を下げて!
山がみえなくなるわ
沙美! じっとしているんだ!
もう私・・・いかなきゃ・・・
えっ! どこへ?
沙美! じっとしているんだ!
もう私・・・いかなきゃ・・・
えっ! どこへ?
雪
あっ!
雪 雪
この色だ!
雪 雪 雪
わかった! この色だ!
沙美! 出来たよ! みてくれ!
描けた! 描けた!
この色が欲しかったんだよ
この雪の色だ 沙美!
描けたよ! 見てくれ! 描けたよ!
あっ!
雪 雪
この色だ!
雪 雪 雪
わかった! この色だ!
沙美! 出来たよ! みてくれ!
描けた! 描けた!
この色が欲しかったんだよ
この雪の色だ 沙美!
描けたよ! 見てくれ! 描けたよ!
ここからが舟木さんのひとり舞台です。まるで十代の少年のような初々しさ、絵を描くことのためにだけ命を削っている「純な魂」が満ち溢れているこの上ない透明度・・・・もし、これが舟木さんでなくても少女たちは、この声だけ聴いても「恋」してしまいそう・・・・そんな気がするほどです。↓
なにをしていたんだろう?ここはどこだ!
どこにいるんだ!
ぼくはいったい何をしていたんだろう!
わからない!
どこなんだ!
雪 雪の色・・・そうだ!
あっ! 何んにもない これは!
これは破けたまんまの
キャンバスじゃないか!
なんだ どうしたってゆうんだ!
何んにも描いてないぞ!
破けてる 破けてる ・・・・・・・・・・・
何んにも描いてないや
あった 山があったぞ・・・
ウフフフ・・・・沙美・・・
あったあった 青い山があった
雪? 雪がまっくろだ!
あ! ルリボシャマンだ
おいで おいで ほーら ほーら おいで おいで
ウフフフ・・・・沙美・・・
あったあった 青い山があった
雪? 雪がまっくろだ!
あ! ルリボシャマンだ
おいで おいで ほーら ほーら おいで おいで
音が渦をまいてる!
色が動いてる!
色が動いてる!
お母さん お母さん キャンバスだ
破けてる 誰かもってきて
・・・・・・・・・・・・・・・
破けてる 誰かもってきて
・・・・・・・・・・・・・・・
あっ!沙美がボートにのってる
大きな蓮の花が咲いてるよ
五竜岳に狼火があがった 戦争だ!
大砲の音が聞こえる なだれだ!
戦争だ 雪の階段があるぞ
あっ 沙美が昇ってく!
沙美 沙美 あぶない
大きな蓮の花が咲いてるよ
五竜岳に狼火があがった 戦争だ!
大砲の音が聞こえる なだれだ!
戦争だ 雪の階段があるぞ
あっ 沙美が昇ってく!
沙美 沙美 あぶない
大きな火の玉が出た
どんどんこっちへくるぞ
とける! 雪の階段がとける 戦争だ!
沙美! 沙美! 早く昇って
沙美! 早く・・・・
・・・・・・・・・・・・・
あーあ 大きな火の玉だ!
どんどんこっちへくるぞ
とける! 雪の階段がとける 戦争だ!
沙美! 沙美! 早く昇って
沙美! 早く・・・・
・・・・・・・・・・・・・
あーあ 大きな火の玉だ!
とける! 沙美! 階段がとける
早く 早く 昇ってくれ
階段がとける
あられだ 大きなあられだ!
沙美! あぶないよ
早く 早く 昇ってくれ
階段がとける
あられだ 大きなあられだ!
沙美! あぶないよ
あっ ふたつに割れた!
花だ 花が咲いた あられが割れて
花が咲いた!
ほら ほーら おいでベタニヤ
花が咲いたよ きれいだな
沙美の黒髪に花を飾ってあげようね
きれいだなあ
ほら くちびるにも花びらを浮かべて
あげようね
かわいいなぁ! きれいだなぁ!
沙美とってもかわいいよ!
きれいだなぁ! かわいいなぁ!
花が咲いた!
ほら ほーら おいでベタニヤ
花が咲いたよ きれいだな
沙美の黒髪に花を飾ってあげようね
きれいだなあ
ほら くちびるにも花びらを浮かべて
あげようね
かわいいなぁ! きれいだなぁ!
沙美とってもかわいいよ!
きれいだなぁ! かわいいなぁ!
沙美 沙美 かわいいなぁ きれいだなぁ
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
幻想と狂気と純粋さが織りなす世界・・・・衝撃的エピローグへ
サミノクロカミハミドリ
ミドリガ マッシロ
ムラサキガ マッサオダ
オレンジガ ウミダ
カラスガ ミドリダ
クロイノガ ウミダカラ
シロデイインダ
コノシロデ イインダ
イインダ
ミドリガ マッシロ
ムラサキガ マッサオダ
オレンジガ ウミダ
カラスガ ミドリダ
クロイノガ ウミダカラ
シロデイインダ
コノシロデ イインダ
イインダ
青年の満足げな歓びのつぶやきは続きます・・・・・でもそのつぶやきに不気味でかすかな「なだれ」のような音がかぶさって・・・
青年画家は沙美とともに微笑みながら雪の世界に消えていってしまったのでしょうか・・・でも、想いを遂げた彼はきっと幸せだったと私は思いたいのです。
この「ものがたり」の終幕は、どうなったのか・・・私はこんな感じ方をしたので、こうまとめましたが、聴かれた方がそれぞれに、さまざまな想像をめぐらしたのではないかと思います。この作品が優れて芸術性が高いと思われるのは、音だけの世界で聴く人のイマジネーションを縦横に広げ、色や匂いや空気の温度etcに至るまで、聴き手にあずけていることではないかと思います。そして、詩も音楽もさることながら、舟木さんの歌と語りに込められた魂の力強さが、「聴き手にすべてをあずける」ことを可能にしているのだと感じます。
この『雪のものがたり』・・・完結させるには、私には結構重労働でした(笑)
でも、私たちの大好きな舟木さんはやっぱり凄い表現者なのだということが言いたかったので、ちょっとだけ頑張ってみました。お粗末
皆さま、お疲れさまでした。読んで下さった方、本当に、最後までありがとうございました。
重たいテーマだったので、最後に、こんな写真アップします。笑えませんか?