京都篇「その1」からのつづきです。
烏丸通りを東に入った二条と三条の間にある京都文化博物館で『家光と彦左と一心太助』(1961)を観終わってから東山に向かいました。11時頃に早目のお昼をカフェでサンドイッチと紅茶ですませてましたが夜は予定があって夕食をとる時間がないので南座の向かいにある「菊水」でランチ・・・ここはランチタイムが17時まであります。ワンプレートで950円也。スープもドリンクも付いていてまさにサービスランチ。入店したのは15時半でしたから、店内も空いていて南座を目の前に見ながらゆったりとお食事タイムできました。
コーンスープ、ビーフソテー、ハモのマリネ風、エビチリ、ソーセージ、ポテトサラダ、スパゲティ、刻みキャベツ、ライス。ドリンクはアイスティー。男性でもそこそこお腹がいっぱいになるほどのボリュームでした。
しっかり食べてから、さらに東へ・・・八坂神社を抜けて高台寺に出ようと進んでいくと、右手からなにか気配が・・・何度も訪れている八坂神社なのに今まで気付かなかった燈籠に呼びとめられたような気がしてそばに近づいてみると八代目雷蔵と三代目壽海という文字が彫られています。あの市川雷蔵さん(三代目壽海は雷蔵さんの養父)が寄進された燈籠でした。
↓昨年11月に南座で拝見したシアターコンサートパンフ。
舟木さんが学生時代に観て強いインパクトを受けたという雷蔵さん主演の『薄桜記』を後年、舟木さんが明治座公演でかけられたというのは有名ですが、私はおそまきながらこの映画をつい5、6年前に観て、同じく感動しました。雷蔵さんの典膳の美しさと「忠臣蔵」異聞のこういったエピソードの世界にも隠れた魅力的な主人公を生みだすフィクションの世界の面白さを堪能できる傑作だと思います。舟木さんの舞台は残念ながら拝見してませんがパンフレットだけで色々想像をめぐらすのもまた良し!かな~負け惜しみ?(笑)ところで雷蔵さんのポスターの右下俳優さんの名前に「舟木洋一」とあります。一文字違うだけのこの方は・・・?
八坂の塔を正面に見ながら、しばらく歩き、石塀小路石畳を左折して登り、高台寺下の小径にでます。さらに右に進んで左折。坂を上ったところに霊山歴史博物館への登り口があります。もう閉館まであまり時間がなかったので、この日はパスして清水寺に向かう二年坂方向にカーブしていきました。向かうは竹久夢二の寓居跡「港屋」です。
舟木さんが夢二を演じられた舞台も私は拝見してなくてこちらもパンフレットのみ手元にあります。舟木さんが若い頃の1973年に取り組まれたアルバム『宵待草 竹久夢二の郷愁』は、ずっと手に入れたかったものですが稀少なもののようであきらめていたのですが、この寓居跡を訪れたからでしょうか、関西のコンサートから帰った日に、たまたまオークションでとても安価に出札されているのをみつけました。これも何かのご縁でしょうか、すんなりと手に入れることができました。不思議なものだなぁ・・・と思っています。
舟木さんの歌謡組曲というジャンルのアルバムは文学性と詩情にあふれていて私好みのものでしたが、結果としてすべて手元に置くことができました。「強い想い」が届いたのかな?と幸せに浸っています。
この寓居跡は東山区桝屋町、二年坂の中ほどにあります。夢二が京都で下宿したのは1917年(大正6)2月。部屋は2階の2間。愛情問題のもつれから東京を逃れてのこと。2ヵ月後、北の高台寺南門前へ移り愛人彦乃と生活したそうです。夢二もこのあたりから見たかもしれない八坂の塔です。
下の写真は四条大橋から北向きに連なる「川床」と加茂川に映る灯り。
『逢う瀬』は昨年の南座のコンサートで一度だけ聴きました。京都にちなんだ曲ということでこの時だけセットされたようです。君というのは彦乃でしょうか?どうしても夢二の恋を連想させます。
逢う瀬 作詩:藤浦洸 作曲:戸塚三博
アルバム「舟木一夫の新しい名刺・友情」収録(1974)
京は加茂川 たそがれに
誰を待つのか 川べりの
宵待草の 花ひとつ
君によく似た うつくしさ
誰を待つのか 川べりの
宵待草の 花ひとつ
君によく似た うつくしさ
けぶるむらさき 東山
鐘の音色に ゆれながら
ひとりさびしく 待ちわびる
君のすがたの いじらしさ
あいにゆこうか あうまいか
あわねばなおも かなしさを
耐えてたたずむ 横顔にあわねばなおも かなしさを
散るは祇園の ともしびか
~京都篇「その3」につづきます~