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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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思い出の新歌舞伎座・舟木一夫初座長公演記録 その1 &舟友kazuyanさんの最新動画紹介

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初日「お出迎え」
 
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千秋楽「お出迎え」
 
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千秋楽「お見送り」 舟木さん、お疲れ様でしたぁ~ッ!
 
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先ずは、舟友のkauyanさんが先般の新歌舞伎座公演の想い出を動画にして下さいましたのでお楽しみください。BGMは、アンコールで唄われた「青春の大阪」です。ステキな舟木さんがいっぱいですよ。
kazuyanさん、素晴らしい想い出動画をありがとうございました

2月1日から20日まで開催された新歌舞伎座舟木一夫特別公演「花の風来坊~おとぼけ侍奮闘記」は舟木さんの座長公演の82回目でした。その中で以下の演目が新歌舞伎座で開催されています。
 

イメージ 4若君風流/雨月道成寺(1966)
*初公演では昼夜別演目
浪士外伝・江戸の淡雪(1972)
はぐれ鴉(1994)
銭形平次捕物控(1996)
坊ちゃん奉行(1997)
銭形平次・辻切り恋供養(1998)
新吾十番勝負(1999)
鯉名の銀平・雪の渡り鳥(2001)
忠臣蔵異聞・薄桜記(2002)
てなもんや三度笠(2003)
銭形平次・蛍火の女(2004)
月形半平太(2006)
次男坊鴉(2007)
梅川・忠兵衛~恋染めて風の花(2008)
銭形平次・蛍火の女(2011)
浮浪雲(2012)
ぶらり信兵衛
~いろは長屋の用心棒(2013)
花の風来坊~おとぼけ侍奮闘記(2015)
 
 
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1972年の「浪士外伝・江戸の淡雪」から1994年の「はぐれ鴉」までは、二十二年の空白があってそれは、舟木さんのおっしゃる「寒い時期、居眠りの時期」ということになりますが、新たな表舞台へのスタートからはほぼ休みなく座長公演が新橋演舞場、新歌舞伎座、中日劇場で恒例となって続いています。

 
イメージ 7ひとつ前の記事「舟木さん二十代の明治座・座長公演~「役者・舟木一夫」の足跡をたどる 番外編」で村上元三氏の寄稿文「舟木君の注文」を掲載しましたが、この約半年前の新歌舞伎座での初座長公演のパンレットでは、同じく村上氏が「舟木君への注文」というタイトルで寄稿文を書かれています。明治座のパンフレットでのタイトルは、この新歌舞伎座のタイトルと連動させたものだったわけですね。
 
そして、タイトルのみではなく、中身も見事に連動させていらっしゃいます。
 
明治座初公演での村上氏の「役者・舟木一夫」への期待はこういう言葉で示されていましたね。
「昨年の大阪の芝居で、舞台をいい気持ちで勤めるということが舟木君にもわかったと思うし、こんどは演技にメリハリをつけることを覚えさせたい。」
 
 
 
初座長として舞台に立つことになった舟木さんに、先ずは「舞台をいい気持ちで勤めること」というのが村上氏のアドバイスであり、二度目となった明治座公演では、「演技にメリハリをつける」ことを示されています。一歩、一歩、着実に、舞台役者として成長していくことを願う、厳しくもまた温かな年長者のまなざしが伝わってくる寄稿文です。
舟木さんの人柄や、芸能者としての真摯な向上心、探究心が、村上氏をはじめとする当時の錚々たる文化人に多大なる期待と好意をもって迎え入れられ、才ある若者に出来る限りの尽力をして育ててやりたいと思わせたのだと想像できますが、この時代は、目先の利益を追うのみではなく、若い人材をゆっくり成長させてやろうという大らかな空気が芸能の世界にもあったのかもしれません。
 
私の手元にあるパンフレットに沿って舟木さんの初座長公演の模様を紐解いていきたいと思います。
パンフレットに掲載されている、村上氏の寄稿文からご紹介します。
 
新歌舞伎座 昭和41年 10月興行 舟木一夫初出演 特別公演
 
 
舟木君への注文  村上元三
 
このあいだまで、「高校三年生」を歌っていたと思っているうちに、このごろの舟木君は、びっくりするくらい成長してきた。いつもの通り、謙虚で裏表のない性格は同じだが、仕事に対する執念がすばらしく強く、たくましくなったのが、はっきりとわかる。こんどの大阪公演は、いつもの実演とは違うし、舟木君もずいぶん気を使っているが、なにも特に改まる必要はない。
わたしの書いた作品は、まわりの人たちが主役の舟木君の松平長七郎を引き立てるようにしてあるので、舟木君自身はいい気持ちで演じてくれればいい。
もっとも、いい気持ちで役を演じられる、というのは大へんなことだが、こんどの公演のあいだに、それが舟木君にわかってくるだろう。それだけでも、これから舟木君が大劇場で長期公演を続ける場合に、ずいぶん役に立つと思う。
若い舟木君に、一ぺんにわたしはいろいろなことを注文しようとは考えていない。とにかく、これから先が長いのだから、役者としての舟木君が、少しずつ舞台の演技をおぼえて行くのが本当であり、こんどがその最初なのだから、あわてることはない。
 
 
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そして、舟木さんご自身の挨拶文は、かなり長く、このパンフレットの編集者によるものかどうかわからないのですが、舟木さんからの「ことば」の前後に、解説文のような記事が挿入されていて、そのまま掲載すると、ちょっと読みづらくなると思いますので、舟木さんの「ことば」だけを、まとめて掲載することにします。

新歌舞伎座 初出演のことば  舟木一夫
 
僕が「高校三年生」でデビューしてからちょうどことしは三年目です。その秋に初めてのお芝居を一ヶ月もこの新歌舞伎座の舞台でやらせてもらえることになったのですから、ひと口に行って感慨無量といったところです。これもファンのみなさんのおかげだと感謝していますが、それだけにこんどの公演にはぐっと責任を感じています。不安と云えば不安なんですが、本を書いて下さった村上元三先生と安藤鶴夫先生が、僕のことをよく知っていてくださるので、余計なことを考えずに与えられたものを一生懸命にやればいいと考えています。二本とも時代ものになりましたが、僕自身としては時代ものの方が好きですし、何かはいりやすいんじゃないかと思っています。テレビの「赤穂浪士」の矢頭右衛門七や「源義経」の敦盛なんかで、いくらかでもその雰囲気に親しんできましたから…。
 
「絶唱」の撮影で少しばかりやせましたから、スタミナの点でちょっと心配です。これまで歌と歌の間にはさまったサンドイッチみたいなお芝居は、ちょいちょいやりましたが、こんどのようにまとまった作品に出るのはもちろん、一ヶ月という長期公演も初めてですから体力と仕事との調子が自分でよくわからないんです。すべて熱と若さでやり抜きたいですし、またやり抜かなければいけないと思います。
 
新歌舞伎座にこれまで出演された歌手の方の舞台構成などをプログラムでみせてもらって勉強しました。
この8月に同じ新歌舞伎座に出演された橋さんを意識するかという質問をよく受けますが、僕は別にこだわりません。大先輩の三波さんの舞台も、美空ひばりさんの舞台も、いろいろうかがってこんどの公演の参考にしました。とくに今月は美空さんが梅田コマ劇場に出演されているので、とかくいわれますが、美空さんと僕ではぜんぜんキャリアが違いますし、ヘタに背のびせずに、僕は自分のカラーを出してやればいいという信念を持って舟木一夫の芝居を見ていただくだけです。まだまだ未熟な僕にはそれ以外に何もないんですから…。
 
  
   「雨月道成寺」大宅豊雄                                     「若君風流」松平長七郎
 
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以下、まだ舟木さんの「初出演のことば」は続きまが、つづきは「思い出の新歌舞伎座・舟木一夫初座長公演記録 その2」として、後日ご紹介します。
         

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