昭和の流行歌の中でも、日本情緒漂う、抒情性の色濃い作品を多く作られた作詩家の横井弘氏の訃報を知りました。謹んでご冥福をお祈りします。合掌。
(朝日新聞webサイトより)
~作詞家の横井弘さん死去 三橋美智也の「哀愁列車」など~
横井弘さん(よこい・ひろし=作詞家)が19日、肺炎で死去、88歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は長男徹さん。伊藤久男の「あざみの歌」、三橋美智也の「哀愁列車」、倍賞千恵子の「下町の太陽」など、数多くのヒット曲を手がけた。
ちょうど今が花時の季節、松江市の八重垣神社にて撮影した「あざみ」
1926年(大正15年)10月12日-2015年(平成27年)6月19日。昭和期の作詞家。
1946年(昭和21年)、上京すると共に、作詞家:藤浦洸に師事するようになる。
1949年(昭和24年)8月8日、日本放送協会のラジオ歌謡で放送された「あざみの歌」で作詞家デビュー。 同曲は1951年(昭和26年)8月、伊藤久男の歌唱でレコード発売され、大ヒットとなる。
1950年(昭和25年)、コロムビアの専属になる。1953年(昭和28年)、キングレコードに移籍する
(1968年(昭和43年)にフリーとなる)。
1974年(昭和49年)、第16回日本レコード大賞第1回中山晋平・西條八十賞を受賞。
1992年(平成4年)、第34回日本レコード大賞功労賞受賞。
1974年(昭和49年)、第16回日本レコード大賞第1回中山晋平・西條八十賞を受賞。
1992年(平成4年)、第34回日本レコード大賞功労賞受賞。
代表作
「心の窓にともし灯を」(昭和34年11月) 作曲:中田喜直、歌:ザ・ピーナッツ
「達者でナ」(昭和35年10月) 作曲:中野忠晴、歌:三橋美智也
「川は流れる」(昭和36年11月)作曲:桜田誠一、歌:仲宗根美樹
「下町の太陽」(昭和37年11月) 作曲:江口浩司、歌:倍賞千恵子
「さよならはダンスのあとに」(昭和40年4月) 作曲:小川寛興、歌:倍賞千恵子
舟木さんがカバーなさった「あざみの歌」と、横井氏の作詩によるオリジナル曲をご紹介します。
youtubeに音源のあるものは、アップさせていただきました。動画でお聴きください。
youtubeに音源のあるものは、アップさせていただきました。動画でお聴きください。
海には海の 悲しみや
ましてこゝろの 花ぞのに
咲きしあざみの 花ならば
高嶺の百合の それよりも
秘めたる夢を ひとすじに
くれない燃ゆる その姿
あざみに深き わが想い
秘めたる夢を ひとすじに
くれない燃ゆる その姿
あざみに深き わが想い
いとしき花よ 汝はあざみ
こゝろの花よ 汝はあざみ
さだめの径は 涯てなくも
かおれよせめて わが胸に
こゝろの花よ 汝はあざみ
さだめの径は 涯てなくも
かおれよせめて わが胸に
悲しいことの ある日にも
仄かに笑う 人だった
あゝ その人の 今は亡く
思い出たどる 城山に
夕焼けばかり あかあかと
仄かに笑う 人だった
あゝ その人の 今は亡く
思い出たどる 城山に
夕焼けばかり あかあかと
せつない愛を 知りながら
睫毛をふせる 人だった
あゝ 打ちあける 術もなく
遠く離れて いたものの
いく度呼んだ 城下町
睫毛をふせる 人だった
あゝ 打ちあける 術もなく
遠く離れて いたものの
いく度呼んだ 城下町
生命の灯り 消えるまで
思いをひめた 人だった
あゝ その人の やさしさが
尚更つらく たまらなく
墓標にひとり むせび泣く
思いをひめた 人だった
あゝ その人の やさしさが
尚更つらく たまらなく
墓標にひとり むせび泣く
波の音がきこえる
海に近いふるさと
ひとり帰る砂丘に
入日雲がせつない
どこへ君は行ったの
噂だけを残して
花の下で暮らせる
時がきたと云うのに
海に近いふるさと
ひとり帰る砂丘に
入日雲がせつない
どこへ君は行ったの
噂だけを残して
花の下で暮らせる
時がきたと云うのに
遠い街に発つ日は
祭り笛も泣いてた
指をはなしきれずに
まわり道をした夜
つれて行けばよかった
どんな無理をしてでも
きっと二人だったら
風も寒くないのに
祭り笛も泣いてた
指をはなしきれずに
まわり道をした夜
つれて行けばよかった
どんな無理をしてでも
きっと二人だったら
風も寒くないのに
せめて ひとめ逢いたい
以前の(まえの)君でなくても
頬に落ちる涙を
指でふいてあげたい
以前の(まえの)君でなくても
頬に落ちる涙を
指でふいてあげたい
(1973年1月発売 カップリング「都井岬旅情」)
はてしなく 雪の舞い散る
湖に 浮かぶ白鳥
その鳥は 恋に疲れて
還らない 君の姿か
衿足も細く ああ哀しく
湖に 浮かぶ白鳥
その鳥は 恋に疲れて
還らない 君の姿か
衿足も細く ああ哀しく
花かげに 君と築いた
ささやかな 愛の山小屋
人の世の つらい掟が
ここにまで あると知らずに
頬よせた日々の ああはかなさ
なにもかも みんな運命と
湖を 埋める粉雪
その雪に 独りたたずみ
口笛を そっと鳴らせば
白鳥の影も ああ泣いてる
ささやかな 愛の山小屋
人の世の つらい掟が
ここにまで あると知らずに
頬よせた日々の ああはかなさ
なにもかも みんな運命と
湖を 埋める粉雪
その雪に 独りたたずみ
口笛を そっと鳴らせば
白鳥の影も ああ泣いてる
霧のわかれ 作詩:横井弘 作曲:船村徹
(1977年 15周年記念アルバム「舟木一夫大全集~限りない青春の季節」未発売12曲に収録)
(1977年 15周年記念リサイタル ライブアルバム「歌とモノローグで綴る15年の歩み」収録)
(1977年 15周年記念アルバム「舟木一夫大全集~限りない青春の季節」未発売12曲に収録)
(1977年 15周年記念リサイタル ライブアルバム「歌とモノローグで綴る15年の歩み」収録)
わざと足を早めて 歩く人がかなしい
いじめないで下さい
私だってつらいわ
燃えてそして別れる 巡り合わせだったの
青い森の梢に星が一つ流れて
甘い花のかおりが やみにゆれたあの夜
早く逢いたかったわ
せめて夏の始めに
熱くほてる背中に 秋が来てるなんて
甘い花のかおりが やみにゆれたあの夜
早く逢いたかったわ
せめて夏の始めに
熱くほてる背中に 秋が来てるなんて
白い霧にのまれて 汽車が影になってく
窓の中の貴女が 遠い人になってく
さがさないで下さい
夢を見たと思って
山の宿の女は 山の宿で死んだの
窓の中の貴女が 遠い人になってく
さがさないで下さい
夢を見たと思って
山の宿の女は 山の宿で死んだの
川は流れる 作詩:横井弘 作曲:櫻田誠一
(1977年 15周年記念リサイタル ライブアルバム「歌とモノローグで綴る15年の歩み」収録)
街の谷 川は流れる
ささやかな 望み破れて
哀しみに 染まる瞳に
黄昏の 水のまぶしさ
思い出の 橋のたもとに
錆ついた 夢のかずかず
ある人は 心つめたく
ある人は 好きで別れて
吹き抜ける 風に泣いてる
錆ついた 夢のかずかず
ある人は 心つめたく
ある人は 好きで別れて
吹き抜ける 風に泣いてる
ともし灯も 薄い谷間を
ひとすじに 川は流れる
人の世の 塵にまみれて
なお生きる 水をみつめて
嘆くまい 明日は明るく
ひとすじに 川は流れる
人の世の 塵にまみれて
なお生きる 水をみつめて
嘆くまい 明日は明るく