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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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「静かな別れ」~アルバム「愛はまぼろし」収録 舟友さんの最新動画紹介&舟木さんの「おんな唄」について

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アルバム「愛はまぼろし」収録曲の「静かな別れ」を舟友のkazuyanさんが新作動画にして下さいましたのでご紹介させていただきます。
 
他にも今回、ご紹介する曲の動画は、すべてkazuyanさんの作品です。心からの感謝を込めてアップさせていただきます。
 
イメージ 1
静かな別れ  作詩・作曲:中村泰士
(1977年 アルバム「愛はまぼろし」収録)
 
イメージ 2さよなら言うのは たやすいけれど
季節ごとの思い出を どうするつもり
忘れていくのは たやすいけれど
信じ合えた時間を どうしてうめるの
二人が二人で なくなる夜は
お酒にすがるしか ないのでしょうか
それとも 貴方を恨めばいいのでしょうか
 
 
 イメージ 14
貴方のすべてを 知りすぎたもの
恨むなんて 私に出来そうもない
グラスを合わせて 笑顔をつくる
せめてこれが 私の私の意地なの
*
最後に口づけするのはよしてね
貴方のくちびるが 涙でぬれる
いいでしょう 貴方のやさしさがこわいから
(*くりかえし)
 

聴いていただければ、おわかりかと思いますが、これは「おんな唄」ですね。最近のステージでは、「演歌」
「ブルース」などのくくりで舟木さんが「おんな唄」を唄われることは珍しいことではないですし、私のブログ名「れんげ草の咲くさんぽ径」も舟木さんの御自作の「れんげ草」から、お借りしていて、「れんげ草」は、うたがいもなく「おんな唄」です。初めて、「WHITE」収録の「れんげ草」を聴いたときには、ビックリ仰天でした。なぜ、こんなに深くおんな心を洞察した詩が描けるのか?ゴーストライターでもいるのかな?と
(笑)
こういった詩を紡ぎ出すことができる想像力、感受性をお持ちの舟木さんですから、「おんな唄」の詩を咀嚼してプレイヤーとして表現する力量が、おありなのですね。
 
 
イメージ 3
 

「高校三年生」で、私たちの前に登場した舟木さんが、青春学園ソングというジャンルで、人気を不動のものにして、その後も、哀愁漂う独特の声質で、切ないラブソングや、全く色調の異なった威勢のいい日本調の曲など、幅広いジャンルの曲も天性の歌い手としてのセンスで歌いこなし、次々と大ヒットを飛ばして、ついには、昭和の歌謡界にあっては最高峰の「日本レコード大賞・最優秀歌唱賞」を「絶唱」で受賞されました。
そして、私自身が抱いていた舟木一夫のイメージというのは、正直なところ、この半世紀近くの間、時計の針が止まったかのように、そこにずっと、とどまっていました。
 
わずか2年前に、舟木さんと、本当に偶然とも言える「再会」を果たしてから、目の前にいる舟木一夫という歌い手の魅力に衝撃を受けて、私の全く知らなかった「絶唱」以後の、舟木さんの旅路を、その音源をほぼすべて手元にたぐりよせることでたどってきました。
そうしているうちに「流行歌手・舟木一夫」が、歩いてきた昭和の流行歌の変遷の歴史、またそれぞれの時代の風景の変化が、古い記録映像を観ているように懐かしさと、また、いくばくかのあらたな発見も伴って見えてくるのを感じました。

たよりない追体験ですが、私自身に個別のさまざまな「舟木一夫」との出会いや発見が、数知れずありました。
 
イメージ 4
 

その発見のひとつが、舟木さんが若い頃から「おんな唄」の曲をリリースなさっていたということです。
多分、最初にシングル化された「おんな唄」は、西條八十作詩の「銀色の恋」ではないかと思います。
 
・・・ということで、今回は、舟木さんの「おんな唄」について、すこし調べてみましたのでご紹介します、

私が「銀色の恋」を最初に聴いたのは、30周年記念として発売された「舟木一夫大全集/陽射し・旅人」に収録されていた音源です。発売は1968年で、A面が高峰雄作のペンネームの自作詩「ふたりだけの街角」です。残念ながら、「銀色の恋」の動画は見つかりませんでしたの詩のみご紹介しておきます。
 

イメージ 5銀色の恋  作詩:西條八十 作曲:桜田せい
(1968年9月発売 「ふたりだけの街角」カップリング曲)
 
夜霧のしずくに ふるえる髪が
今夜もあなたを 待っている
恋は恋はちぎれて 死んでしまった
灯りにこぼれる 銀の涙よ
 
泣いても呼んでも かえらぬあなた
心はやぶれて血を流す
恋は恋はちぎれて 死んでしまった
二度ない命も 女の夢も
 
夜霧にぬれてる トレンチコート
あの晩あなたが 抱いた肩
恋は恋はちぎれて 死んでしまった
灯りに流れる 銀の涙よ
 

 
「銀色の恋」の翌年には、「北国にひとり」も歌っていらっしゃいます。かなり曲調は、現代風になりましたが
これも「おんな唄」です。
作詩・作曲の水木京子というのは、シンガーソングライターとしても一世を風靡したマルチな才能の個性派・荒木一郎さんの別のペンネームですから、「銀色の恋」も「北国にひとり」も、男性の手による詩だということですね。このように、当時は、作家も男性、歌い手も男性という「おんな唄」が、たくさん世に出るようになりはじめた時期だったのですね。
 
北国にひとり  作詩・作曲:水木京子
http://www.youtube.com/watch?v=ZVaEzrP0NZs
(1969年12月発売 「いつか来るさよなら」カップリング曲)

イメージ 6北国を遠く 訪ねて来たのに
あなたはもう 私を忘れていたの
変わらぬ心で 愛していたのよ
嘘でもいい 私を抱いてほしかった
さよなら あなた
別れて 行くわ
あなたの 倖せを
祈って いつまでも
北国の空に 太陽がゆれる
見上げていなければ 涙が落ちる
 
悲しい心が あなたを呼んでる
嘘でもいい あなたの言葉をかえして
さよなら あなた
別れて 行くわ
あなたの 思い出を
雪に うずめて
北国を遠く 離れて行く時
並んだ山だけが 私を見てた
並んだ山だけが 私を見てた
 
 
「おんな唄」というと、私的に強烈に印象にあるのは、森進一さんの「女のためいき」(1966年)から始まる一連の「おんな唄」系のヒット曲です。70年代に入ると五木ひろしさんの「よこはま・たそがれ」が大ヒットして、男性が「おんな唄」を歌うのは演歌の世界では、当たり前のことになってしまいました。

そういった流行歌の潮流の中で、二十代後半に入ろうという時期の舟木さんも「おんな唄」を歌われるようになったということなんでしょう。今もよくステージのトークでおっしゃっていますが、「このまま(歌い手として)行けるのか?」という不安を強く感じるようになったのが、デビュー10年を迎える頃のようですから「青春歌謡」「抒情歌系」というそれまでの固定化した「舟木一夫カラー」からの脱却を図って「大人の歌い手」をめざす方向へ・・・ということも考えざるを得なかったのだろうと想像します。
 
 
イメージ 12
 

でも、その固定カラーからの脱却方法のひとつが「おんな唄」へのチャレンジであったとしても、詩はやはり、西條八十の作品だったということが、「舟木一夫らしさ」のあらわれのように思います。
 
とはいえ、この八十の作品「銀色の恋」には、あまりにもヘビー級のフレーズが並び過ぎているので、私が、初めてこの曲を聴いた時に感じたのは、その頃の年令の舟木さんが歌うには、かなり重たかったのではないかと想像しました。

ちなみに、「銀色の恋」の翌年の1968年2月には、八十作詩の「京の恋唄」が発売されています。八十
は1970年8月に亡くなっているのですから、いずれも、亡くなる二、三年前の作品ということになるので
すが、さすがパッションあふれる生涯を送った大詩人らしい、枯れたところなど微塵も感じられないどころか「恋の激情」が、ほとばしっているのに驚かされます。
 
 
イメージ 7
舟木さんが、デビュー15周年を迎える2年ほど前にも、A面、B面ともに「おんな唄」のシングル盤がリリースされています。タイトルは「許されるなら」で、カップリングは「哀しみの旅」です。そして、同じタイミングで、アルバム「愛と別れの12章」が、発売になり、このシングル盤の2曲も収録されています。

許されるなら  作詩・作曲:中山大三郎
http://www.youtube.com/watch?v=AjFi8esvgXg
(1975年12月発売 「哀しみの旅」カップリング)
(同年同月発売 アルバム「愛と別れの12章」収録/2013年6月CD復刻盤発売)
 
もしもわたしが 許されるなら
いつもそばにおいてほしい
あなたのそばに
赤く咲いてた 花のかおりに 
こころよせた過去の罪を つぐないたいの
あなたのこころは 海より広いの
何でもないように むかえてくれるのね
わたしつつましく あなたのそばで
つくして行きます
 
イメージ 8
わたしあなたの こころ知らずに
いつもひとり泣いていたの
暗いお部屋で
帰れなくても 一度逢いたい
そんな気持ちだいてきたの あなたのもとへ
わたしのつとめは これからはじまる
あなたのためにだけ ひたすら生きたいの
過去は忘れましょ こだわりすてて
つくして行きます
過去は忘れましょ こだわりすてて
つくして行きます

「愛と別れの12章」は、男から女へ、女から男へのアンサーソング・スタイルで構成されていますので、「おんな唄」6曲が収録されています。
 
 
 
哀しみの旅  作詩:古野哲哉 作曲:中山大三郎
http://www.youtube.com/watch?v=KXn-OTkTRWs

イメージ 11あのひとのいない旅 そのさみしさを
しみじみと潮騒の音に かみしめる
別れてしまった あのひとだから
忘れなければ いけないの
想いせつない 旅の宿
 
好きだってもう他人 しかたがないわ
あきらめたはずなのに 夢に浮かぶ顔
桐の葉模様の 布団にくるむ
細い体の つめたさに
声をころして しのび泣き
 
わすれますわすれます 五つの文字を
手のひらに書いてみて 書いて消してみる
夜明けが来たなら この宿捨てて
もっと遠くを 歩きたい
つよい私に かえるまで

 
これらの曲は、あくまで「流行歌」であってフィクションとは承知していても、私世代の女性には、受け容れがたい感覚の「詩」であることは間違いないです(笑)
「ふぅん、こういうのが男性からみた、理想の女性なんだ・・」と引いた気持ちにさせる「詩」なのですが、この頃の舟木さんの歌声で聴くと、なぜか心に響くのが自分でも不思議です(笑)
 
 
同じように「おんな唄」であっても「WHITE」収録の「れんげ草」には深く共感できるというのは、舟木さんの創作なさる曲の詩とメロディーが醸し出すバランス感覚の妙というか、舟木マジックのなせるわざなのですね。男性に都合のよい女性像というのではなく、女性そのものへの純粋な憧憬の念を感じさせます。
その他にも、「WHITE」収録曲には、女性の想いを歌った曲が、少なくないのですが、どれも抵抗なく素直に、す~ぅっと心に沁み入ってくるのは、舟木さんが、ステレオタイプに女性を定義づけていないからではないかと私には、とても好ましく思えます。

ついでですから、私のブログのテーマソングの「れんげ草」の動画もあらためてアップします(笑)
やっぱり、「れんげ草」は、最高で~す
 
イメージ 10
 
 
イメージ 9れんげ草  作詩・作曲:上田成幸
http://www.youtube.com/watch?v=tD2xOOI5Iic
 
愛する人の胸で
夜明けの雲をみたい
まるで初恋の 少女のように願う
恋手紙(こいぶみ)のひとつさえ
書けぬまま
い・の・ちを花びらに
宿せるものならば
あ​なたのふるさとの
小さな れんげ草

あなたがもしも・・もしも
ふりむく時が来たら
かたく瞳(め)をとじてそっと髪をほぐし
美しく見えるよう
祈るだけ
い・の・ちを花びらに
宿せるものならば
あ​なたのためにだけ
こぼれる れんげ草

い・の・ちを花びらに
宿せるものならば
あ​なたの夢に咲く
ほのかな れんげ草
 
ここで、「お知らせ」を! 
明日10月31日は、12月26日開催、新橋演舞場シアターコンサートのチケット一般発売日です。
 
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