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Channel: 舟木一夫の世界~れんげ草の咲くさんぽ径~
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二十代の舟木さんの舞台公演の足跡をたどる~1966年新歌舞伎座篇(上)

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「明治座~二十代の舟木さんの舞台公演の足跡をたどる」というタイトルで連載を継続中ですが、「その1 http://blogs.yahoo.co.jp/ycmay26/68556298.htmlで、少し記載した、これら明治座公演に先だって1966年(昭和41年)に開催された大阪の新歌舞伎座での初座長・一ヶ月公演の「雨月道成寺」「若君風流」の資料が手に入りましたので「新歌舞伎座篇」として、ご紹介しておきます。
 
イメージ 1資料は「別冊・近代映画」1966年11月号・臨時増刊号
「舟木一夫 秋の特大号」です。
 
イメージ 2ちょうどこの頃は映画「絶唱」が公開された直後、同時にテレビドラマ「雨の中に消えて」の放映も終了した頃でしょうか、新歌舞伎座公演の他に、これらの記事も掲載されています。また、芸術祭参加作品として「心のステレオ その人は昔」も制作が終わり近いうちに発売されるという記事もあり、高校三年生でデビューして三年後、舟木さんがセカンドステージに立ち始めた頃の仕事ぶりが詳細に記載されています。
ところでこの「近代映画」で舟木さんが特集されている号がどれくらいあるのかを調べてみると昭和38年の「高校三年生特別号」に始まり昭和44年あたりまで、ほぼ四カ月に一冊ほどの間隔で企画されていて、全部で20冊以上はありました。
この11月号が発売されたのはおそらく初日(10月1日)が開いて間もない頃かと推察できます。
 
大阪新歌舞伎座特別公演  1966年10月1日~28日 (初座長公演)
 
イメージ 4昼の部 11時30分開演
 
1 大江戸はやし 2幕4場
2 雨月道成寺~秋成の「蛇性の婬」より 3幕12場
注:『蛇性の婬』(じゃせいのいん)は、「雨月物語」に収められた一篇。上田秋成によって江戸時代後期に著わされた読本(よみほん)作品『雨月物語』(うげつものがたり)は、日本・中国の古典に題材を得た怪異小説9篇から成る。「雨月道成寺」は安藤鶴夫氏が「蛇性の婬」をもとに、舟木さんのために舞台脚本として書き下ろしたもののようです。
安藤鶴夫:作  程島武夫:演出  振付:花柳啓之
 
大宅の豊雄:舟木一夫
父 大宅の竹助:沢村宗之助
兄 太郎:岩井半四郎
懸の真名子:葉山葉子 ほか
 
 
イメージ 5~物語の導入部分~
紀伊国三輪が崎(現在の和歌山県)に大宅の竹助という網元がいた。三男の豊雄は、優しく、都風を好む性格だが家業を好まず新宮の神官を師と仰ぎ和歌や詩などを学んでいた。父や長兄も好きに振舞わせていた。ある日、師匠の神官の元から帰るとき、激しい雨になり、みやびた門の下で雨宿りをした。すると、侍女を連れた二十歳ばかりの女が雨宿りに入ってきた。この女は大層美しく豊雄はひかれた。豊雄は自分の傘を貸し、後日返して貰いに先の女、懸イメージ 6
の真女子の家に行くことになった。侍女の案内で行った家は立派な屋敷で、豊雄は真女子と楽しいひと時を過ごした。真女子は自分の夫を
 
イメージ 7亡くし身寄りのない境遇を打明け、豊雄に求婚した。豊雄は父や兄のことを思い迷ったけれど、ついに承諾し、その日は宝物の太刀を貰って、家に帰った。その翌日、自宅の家の庭で笛を吹いていた豊雄は、突然、許嫁の富子に声をかけられた。「豊雄さま、苦しい夢を見ました。豊雄さまがわたくしのところからさらわれてあの月の世界に吸い寄せられていくのです」「月の世界に?」驚いて聞き返す豊雄に「そうです、月の世界にです。女ばかりの青白い顔をした死人ばかりのいる、あの月の世界へです」という富子の顔は蒼白かった。~以下略~
 
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~豊雄という美しく心やさしい若者が、蛇の化身である美女に執りつかれる幻想的な物語。「道成寺伝説」と上田秋成の「雨月物語」から、安藤鶴夫士が舟木さんのために書き下ろした脚本のようです。原典の「雨月物語」の中の「蛇性の淫」では、真名子は退治され、豊雄はその後つつがなく暮らすとなっていますが、新歌舞伎座の「雨月道成寺」では、以下のような結末になっています。舟木さんの儚さと憂いの漂う佇まいには哀しくも美しい幕切れがふさわしいというインスピレーションを安藤氏が感じられたからでしょうか。
 
~終幕部分~
観音経の読経に魔力を失った真名子が、蛇の姿に変わり松の木を登り始めると豊雄は、その後を追い、松の根元にすがった。その時に轟然と雷が松の木に落ちた。それから、どれほどの時が流れただろうか。はるかの大空に血のように赤い大三日月がするするとのぼった。その月光を浴びた豊雄の死に顔は夢みるような美しさだった。
 
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 3 ヒットパレード  全10景   
 限りなき歌声  音楽:山路進一
 
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2013年9月17日20時50分撮影の満月です。
~三重県桑名市七里の渡しに近い我が家より~
「雨月道成寺」の豊雄は、月の世界で、今も
美しい女人たちに囲まれて笛を奏でているのでしょうか・・
 
 

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